作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

剛演、アンチェルの93番

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ハイドンの演奏をいろいろ集めていると、たまには出会い頭に凄い演奏にぶつかるものです。

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残念ながら、既に廃盤の模様ですが、たまに中古店で見かけますので、手に入らないものではないでしょう。

アンチェル指揮のベルリン放送交響楽団の演奏で、1957年4月24日の演奏。ドイツラジオのアーカイブから復刻とのこで、拍手も咳ないことから放送用録音だと思います。TAHRAの丁寧なリマスターによりモノラルながら鮮明な音。若干デッドな音です。

これは凄い演奏です。まさに鋼を刀鍛冶が打ち出すような趣。火花飛びまくりです。93番をこのように弾くという想像を超えた演奏です。

第1楽章はトスカニーニ近いインテンポでぐいぐい進めていきますが、とくに凄い、というかエグイにちかいヴァイオリンの刻み。直接音重視の録音も手伝ってものすごい迫力。ハイドンが聴いていたら腰を抜かすかもしれません。迫力だけでなく厳しい規律も感じさせるのが凄みを増しています。第2楽章は、ゆったりしたテンポでの演奏。第1楽章の厳しさを沈めるような淡々とした表情ですすめますが、そこここに表情の厳しさは残っています。第3楽章のメヌエットはまた弦楽器の刻みが耳にのこり、フィナーレへ。最後はハイドンの機知をインテンポでザクザク刻んでフィニッシュ。

このCDはTAHRAのカレル・アンチェルエディションとして全6枚で企画されたシリーズ物。その第1巻の冒頭におかれたのが、このハイドンの93番だったわけですので、アンチェルの遺産を代表するという位置づけのものと判断してのことでしょう。

個人的にアンチェルの演奏でこれといった記憶がなかっただけに、この盤を聴いた時の衝撃は忘れられません。
私としては、93番の名盤を薦めろと言われれば、まずこの盤ということになりますが、これは広くハイドンの交響曲の名盤をといわれても、この盤はその選択肢の一つとして挙げなくてはならないものだと思います。

未聴の方、必聴ですよ!!
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