オイゲン・ヨッフム/バイエルン放送響の91番、太鼓連打(ハイドン)

今日は手に入れたばかりのLP。

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交響曲91番-CD:HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲91番と103番「太鼓連打」を収めたLP。収録年はLP自体には記載されていませんが、同じ演奏と思われる91番の演奏のCDの記録を見ると、1958年3月とのこと。太鼓連打もおそらく同時に録られたものだと思いますが、記録はたどれません。レーベルは独Deutsche Grammophon。LPのジャケットの裏面右下には4/66と記載されていますので、1966年4月のプレスのようです。

ヨッフムのハイドンの交響曲はもちろんロンドンフィルと同じDeutsche Grammophonに入れたものが定番でしょう。それ以外にもヨッフムのハイドンは当ブログでもずいぶん取りあげてきています。

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冒頭にふれたロンドンフィルとのザロモンセットについては、曲ごとにちょっとムラもあり、いろいろ聴いたところヨッフムの良さはライヴ盤の方に分がありそうというのが正直なところ。また、録音年代もハイドンに限っては古いものの方が良いように感じます。モーツァルトやブルックナーの演奏では、最晩年に澄みきった素晴しい演奏を残しているのですが、晩年にハイドンを録ったものは今のところなさそうですね。

今回このアルバムはディスクユニオンで発見したもの。91番は5枚組のロンドンフィルとのザロモンセットなどを収めたアルバムに収録されていますが、太鼓連打のほうはその存在も知らなかったもの。しかも名手ぞろいのバイエルン放送響との録音とくれば、気にならないはずはありません。店頭で盤面にキズ等ないことを確かめ、他の方の視線を気にしながらすました顔でレジに向かい、内心ほくそ笑みながらお会計です。手に入れた時にはちょっと過呼吸になりました(笑)

家に帰って、食事をささっとすませて、厳かにジャケットからLPを取り出し、愛機THORENSのターンテーブルに乗せます。意外と重く厚いしっかりとしたプレス。

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Hob.I:91 Symphony No.91 [E flat] (1788)
何と瑞々しいバイエルン放送響の響き。ヨッフムのゆったりとしたコントロール。音は力強いのに力みを感じないヨッフム独特のさらりとした表現。LPの実体感のある響きで聴く実に味わい深いオーケストラの響き。リズムを練らずに流麗にまとめていくヨッフムの手腕に聞き惚れます。良く聴くと非常に鋭敏な感覚で、こともなげにハイドンの名旋律を美しくまとめあげるヨッフム全盛期の素晴しい覇気が感じられます。この完成度は素晴しい。1楽章の自然に聴こえてしまうほど精緻なコントロールにアドレナリン大噴出。すこしスクラッチノイズが目立つ部分もありますが、まったく気にする余地がないほどに演奏が充実しています。
つづくアンダンテもヨッフムらしい自然な佇まい。特に弦楽器の深みのある響きは見事。1958年とは思えない鮮烈な録音。途中からセンター奥から加わってくる木管のリアルな響きにもゾクゾクします。低音弦のカッチリとしたアンサンブルも素晴しい精度。奥行き感が非常に鮮明に表現される見事な録音。このアンダンテ、あまりの素晴しさに痺れます。広大な空間に浮かぶ弦楽器、木管、金管のアンサンブルの鮮明さは驚くほど。長岡鉄男ものけぞる鮮明さ。
アンダンテが終わって、一呼吸ついてやおらメヌエットに入る展開。ハイドンの楽章転換の面白さをよくわかった間の取り方。楽章感の無音の時間と呼吸さえも緻密にコントロールしているよう。ゆうがにざっくり入りますが、途中からテンポを落とし、実にゆったりした表情を聴かせる部分、力の抜き方や、ホルンの朗らかな重ね方が最高。やはり録音が素晴しく鮮明で聴き応え十分。
フィナーレのそよ風のような入りからの沸き上がるような高揚感とめくるめく展開、つくづくハイドンは天才だと感じる部分。ヨッフムのコントロールはここでも完璧。ヴァイオリンオ刻む音階の正確なリズムと流麗な仕上がりにただただうっとりするばかり。喉風邪気味で風邪薬を飲んでいるのでラリっているのでしょうか、今日は音楽が脳髄に直接刺さります。1曲目から完全にノックアウト。今まで聴いたヨッフムのハイドン中間違いなく最上の出来です。

Hob.I:103 / Symphony No.103 "Mit dem Paukenwirbel" 「太鼓連打」 [E flat] (1795)
遠雷タイプの太鼓連打。実に厳かな導入。ちょっとスクラッチノイズが多いですが、ノイズの奥から聴こえてくる響きは前曲同様、広大な空間の中にオケが鮮明に定位した素晴しい録音。瑞々しさはこちらの方が上かもしれません。骨格は細めなのに響き自体には力があり、しなやかに展開する音楽。非常にノーブルな響き。オケも軽さとしなやかさを活かしながら美しいメロディーを紡いでいきます。ヴァイオリンの響きは艶やかさの限りを尽くし、木管楽器は空間にぱっと浮かんだ花のよう。要所で沸き上がるオケ。音量を落とした静かな部分に宿る凄み。もの凄い演奏です。
アンダンテに入ると、テンションを保ちながら音量を抑えて、穏やかな表情を見せます。各楽器のさらりとしているのに陰影が濃い響きによって、穏やかなのに深みのある音楽が淡々と流れます。
メヌエットに入ると、オケの響きの柔らかい部分が一層ゆったりと響き、まさにヨッフムのコントロールにオケが自在に反応してえも言われぬ感興。艶やかなオケの柔軟かつ俊敏な反応の快感に襲われます。
フィナーレに至るまで艶やかさは変わらず。こちらもヨッフムのハイドンの交響曲では最上のものの一つといって良いでしょう。

偶然出会ったヨッフムとバイエルン放送交響楽団によるハイドンの交響曲91番と太鼓連打のLP。このLPの1958年録音とは思えない素晴しい録音により、ヨッフムの最上のハイドンの交響曲の演奏が蘇りました。特に91番の素晴しさは筆舌に尽くし難いもの。ザロモンセット直前の目立たない曲ながら、この演奏で聴く91番はザロモンセットに全くひけをとらぬばかりか、独特の面白さが際立つ名演です。ヨッフムも全盛期の素晴しい覇気漲る演奏。この演奏を埋もれさせておくのは人類の損失です。最新の5枚組のCD(上記リンク参照)には91番は含まれていますが、手元にあるのはその一つ前の4枚組のアルバム。CDの録音状態はわかりません。やはりそのうち手に入れなければならないのでしょうね。今日の両曲はもちろん[+++++]です。

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tag : 交響曲91番 太鼓連打 ヒストリカル

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No title

こんばんは
>内心ほくそ笑みながらお会計 ちょっと過呼吸に

わかります、予想もしなかった幸運、このDGのジャケット、内容を見ればそうなりますね。
私も記憶にあったザンデルリンクのLPジャケットを見つけ、86、87番だったときはそんな気分、同時にアンドレ&コボスのtp.conがあったりするもんだから、すまし顔でいるのが必死です(笑)

Re: No title

michaelさん、いつもコメントありがとうございます。
やはりLPはいいですね。より音楽に近い感じがします。CDもクリアで安心して聴けるという意味では素晴しいのですが、LPに針を落とす緊張感と、広がる空間の広大さは格別です。

>すまし顔でいるのが必死です(笑)
こちらもわかります。(笑) 人生、こうゆうどうでも良い事に至福の喜びがあるのですよね。
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Daisy


Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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