作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

エステルハージ・アンサンブルのバリトン五重奏曲(ハイドン)

3
0
今日は久々のバリトン。しかも超珍しい5重奏曲。

EsterhazyE.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ご存知、エステルハージ・アンサンブル(Esterházy Ensemble)によるハイドンのバリトン三重奏曲全集の中から、バリトン五重奏曲を取りあげます。収録は2006年9月から2008年7月にかけて、ウィーンの西15kmほどのところにあるマウアーバッハの修道院でのセッション録音。レーベルはBRILLIANT CLASSICS。

今日は手元にあるバリトン・トリオのアルバムなどを整理していて、いろいろとっかえひっかえ聴いていました。その中で、やはりこのBRILLIANT CLASSICSの金字塔、今まで誰も成し遂げられなかったハイドンのバリトン作品全集もすこし聴き直していたところ、このバリトン五重奏曲が気になって取りあげたもの。

ご存知のとおり、ハイドンは仕えていたニコラウス・エステルハージ候が好んだバリトンと言う不思議な楽器のためにかなりの数の作品を残しており、バリトン・トリオが126曲、バリトン八重奏曲が7曲、そしてバリトン五重奏曲が1曲残されています。ほかにはバリトン協奏曲なども作曲されたようですが、現存するものはありません。

このバリトン五重奏曲はバリトン、ホルン2本、ヴィオラ、バッソという編成で、1767年から68年の作曲。

演奏はこの全集でバリトン・トリオを演奏するエステルハージ・アンサンブルとピッコロ・コンチェルト・ウィーン(Piccolo Concerto-Wien)の混成楽団によるもの。

Hob.X:10 / Divertimento : Baryton Quintet [D] (1767-68)
1楽章はアダージョ。ホルンとバリトンののどかな音楽。バリトンの繊細な音色ととろけるようなホルンの音色が相俟って、実に不思議な雰囲気を醸し出します。バリトン・トリオとはホルンが加わっている事でかなり雰囲気が変わります。この全集は録音が良く、スピーカーの少し奥にアンサンブルがきちんと定位して、残響も適度。一人一人の奏者の演奏がそれぞれよくわかります。
2楽章はアレグロ。リズミカルな弦楽器の伴奏にホルンがバリトンの副旋律をかぶせるような曲。やはりニコラウス侯が弾くバリトンを引き立てるための曲なんでしょう。そういう視点で聴くとバリトン奏者の演奏しやすさがよく考えられているように聴こえます。完全に脇役なホルンですが、引き立て役と言う意味では大活躍です。
フィナーレは舞曲風の曲。リズムはシンプルですが、リズムの流れに乗ってバリトンとホルンが掛け合いながら進みます。流石に腕利き揃いだけあって、演奏はリズムも正確。正確と言うより非常に自然といったほうがいいでしょう。表現も非常に落ち着いて、小曲を楽しむ余裕があり、非常に安心感のある演奏。曲の面白さをさりげなく聴かせるあたりがプロの技でしょう。さりげなく静かな終わりもなかなか。

バリトン八重奏曲ともバリトン三重奏曲とも異なる、1曲だけ残されたバリトン五重奏曲。バリトン・トリオにホルン2本が加わることで、まろやかな響きの支えがつき、バリトンが一層引き立ちます。ハイドンが仕えたニコラウス・エステルハージ侯が溺愛したバリトンという不思議な楽器のためにハイドンが書いた15分ほどの小曲ですが、ハイドンのエステルハージ侯への忠誠心と、音楽家としての創意も込められた曲に仕上がっています。名手ぞろいの奏者が丁寧に仕上げた記録として、ハイドンの演奏史に残すべき録音だと思います。評価は[++++]とします。

今日は先週つくった老眼鏡を取りに、近くのメガネ屋さんに。特にCDの細かい字の多いライナーノーツを読むのがかなりしんどくなりましたので、ついに老眼鏡デビューです。ライナーノーツ読みやすくなりました(笑) これで登録が未完了だったhaydn totalの登録が再開できそうです。

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
関連記事

3 Comments

There are no comments yet.

michael

No title

こんにちは

同盤をもっていますが、曲数が膨大でどのあたりから入っていこうか迷います(笑)Hob.X:10 をきっかけに聴いていこうかと思います。
私も運転用に遠方が見やすくカーナビも見やすい眼鏡を作らないといけません;

Daisy

Re: No title

michaelさん、こんにちは。
お互い老眼に不自由する歳になりましたね(笑)
バリトントリオ全集、21枚もあるのでなかなか征服しがたいですね。今回とりあげたバリトン五重奏やバリトン八重奏曲はホルンが2本加わっているので、響きが豊かで、聴きやすいのでオススメです。

  • 2013/06/30 (Sun) 10:25
  • REPLY

michael

No title

ありがとうございます。
保留しっぱなしだった状況から抜け出せそうです。
ライナーノーツも読みにくいです;