ブレンデル/ポール・アンゲラー/ウィーン室内管のピアノ協奏曲(ハイドン)
ちょっと古いアルバム。

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(別レーベル盤)/ amazon
アルフレッド・ブレンデル(Arfred Brendel)のピアノ、ポール・アンゲラー(Paul Angerer)指揮のウィーン室内管弦楽団(Wiener Kammerorchester)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)などを収めたアルバム。この他にミヒャエル・ギーレン指揮のウィーン交響楽団の演奏で、リストのピアノ協奏曲No.1、No.2も収められています。収録は記載がありませんが、HMV ONLINEの他のレーベルのアルバム記載項目を見ると1961年から67年となっています。レーベルは墺PREISER RECORDS。
このアルバム、存在も知りませんでしたが、先日ディスクユニオンの店頭で発見して入手したもの。ブレンデルのハイドンの協奏曲で、しかも名門PREISERということで、ちょっと期待できます。ブレンデルのハイドンは定評あるもの。当ブログでも2度ほど取りあげています。
2012/04/13 : ハイドン–ピアノソナタ : ブレンデルのアダージョXVII:9
2010/09/01 : ハイドン–ピアノソナタ : 絶品、ブレンデルのピアノソナタ
指揮を担当するポール・アンゲラーは1927年生まれのオーストリア人指揮者、作曲家。作曲、音楽理論、指揮などを学びましたが、指揮はハンス・スワロフスキーに師事。当初はヴィオラ奏者として、ウィーン交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ、スイス・ロマンド管弦楽団などで演奏。1953年から57年にかけて、ウィーン交響楽団のヴィオラソリストを担当、その後指揮者としての活動が増え、ウィーン室内管弦楽団や、ボン、ウルムのオーケストラを振るようになります。1967年から72年にはザルツブルク歌劇場の首席指揮者、1971年から82年には南西ドイツ室内管弦楽団、1982年以降はコンシリウム・ムジクム・ウィーンの指揮とウィーン音楽舞台芸術大学の教職についています。
Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
かなり速めのテンポの伴奏から入ります。録音は鮮明。ちょっと低音不足気味かもしれません。オンマイクでのタイトなオケの音色。ブレンデルのピアノも速めのテンポで小気味好い入り。基本的に冴えたリズム感を聴くべき演奏。オケがインテンポでグイグイ引っ張るのにつられてブレンデルも負けじと畳み掛けます。速いパッセージの指の回転はもの凄く滑らかで、流石ブレンデルといったところ。めくるめくような掛け合いを聴いているうちにカデンツァに突入している感じ。1楽章は疾風のような勢いで通り過ぎていきます。
2楽章に入ると、速めに変わりはないのですが、少し落ち着いて、ピアノ美しいフレーズを楽しめるようになります。ピアノの磨かれた響きは透明度の高いクリスタルのような粒ぞろいの美音。ピアノの圧倒的な存在感は素晴しいものがあります。オケも負けじとザクザクと攻めて来ます。ピアノとオケの覇権争いのように鬩ぎ合っていくのが新鮮。双方とも正攻法で、火花散るような緊張感。古いタイプの演奏なのでしょうが、この緊張感は素晴しい。ブレンデルのピアノは特に右手のカチカチというクリアな響きが特徴。十分に乾燥したピアノの響きが心地よい感じ。
フィナーレは予想通り、快速な対決。ピアノがフレーズごとに音色を巧みにコントロールして変化をつけ、オケは刺さるような激しさでピアノを追いかけます。中盤以降のオケの強奏にのったピアノの音階の繰り返しはトランス状態になりそうなほどの高揚感。最後はインテンポで煽るように吹き抜けるフィニッシュ。
事前に予想した演奏とはかなり異なり。硬質なピアノをグイグイ引っ張るブレンデルの強靭なタッチが鮮やかな演奏。もうすこしゆったりとピアノを鳴らすのかと思っていたら、そうではなく、鋼のようなタッチと鮮烈なリズムでタイトに引き締まった、ともすると強引にも聴こえる圧倒的なピアノプレゼンスが魅力の演奏。ポール・アンゲラーのコントロールするオケは、ブレンデルに真っ向から対決する、こちらも鋼のようなオケの響きで応じる演奏。デッド気味の録音とあいまって、カッチリと鬩ぎ合う演奏。若きブレンデルには後年の響きを楽しむような姿はありませんでした。後半のリストもさらに硬質なピアノの魅力炸裂。このアルバムはブレンデルの鋼のようなピアノの魅力を楽しめる貴重な記録でしょう。評価は[++++]としました。

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アルフレッド・ブレンデル(Arfred Brendel)のピアノ、ポール・アンゲラー(Paul Angerer)指揮のウィーン室内管弦楽団(Wiener Kammerorchester)の演奏で、ハイドンのピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)などを収めたアルバム。この他にミヒャエル・ギーレン指揮のウィーン交響楽団の演奏で、リストのピアノ協奏曲No.1、No.2も収められています。収録は記載がありませんが、HMV ONLINEの他のレーベルのアルバム記載項目を見ると1961年から67年となっています。レーベルは墺PREISER RECORDS。
このアルバム、存在も知りませんでしたが、先日ディスクユニオンの店頭で発見して入手したもの。ブレンデルのハイドンの協奏曲で、しかも名門PREISERということで、ちょっと期待できます。ブレンデルのハイドンは定評あるもの。当ブログでも2度ほど取りあげています。
2012/04/13 : ハイドン–ピアノソナタ : ブレンデルのアダージョXVII:9
2010/09/01 : ハイドン–ピアノソナタ : 絶品、ブレンデルのピアノソナタ
指揮を担当するポール・アンゲラーは1927年生まれのオーストリア人指揮者、作曲家。作曲、音楽理論、指揮などを学びましたが、指揮はハンス・スワロフスキーに師事。当初はヴィオラ奏者として、ウィーン交響楽団、チューリッヒ・トーンハレ、スイス・ロマンド管弦楽団などで演奏。1953年から57年にかけて、ウィーン交響楽団のヴィオラソリストを担当、その後指揮者としての活動が増え、ウィーン室内管弦楽団や、ボン、ウルムのオーケストラを振るようになります。1967年から72年にはザルツブルク歌劇場の首席指揮者、1971年から82年には南西ドイツ室内管弦楽団、1982年以降はコンシリウム・ムジクム・ウィーンの指揮とウィーン音楽舞台芸術大学の教職についています。
Hob.XVIII:11 / Concerto per il clavicembalo(l'fortepiano) [D] (1784)
かなり速めのテンポの伴奏から入ります。録音は鮮明。ちょっと低音不足気味かもしれません。オンマイクでのタイトなオケの音色。ブレンデルのピアノも速めのテンポで小気味好い入り。基本的に冴えたリズム感を聴くべき演奏。オケがインテンポでグイグイ引っ張るのにつられてブレンデルも負けじと畳み掛けます。速いパッセージの指の回転はもの凄く滑らかで、流石ブレンデルといったところ。めくるめくような掛け合いを聴いているうちにカデンツァに突入している感じ。1楽章は疾風のような勢いで通り過ぎていきます。
2楽章に入ると、速めに変わりはないのですが、少し落ち着いて、ピアノ美しいフレーズを楽しめるようになります。ピアノの磨かれた響きは透明度の高いクリスタルのような粒ぞろいの美音。ピアノの圧倒的な存在感は素晴しいものがあります。オケも負けじとザクザクと攻めて来ます。ピアノとオケの覇権争いのように鬩ぎ合っていくのが新鮮。双方とも正攻法で、火花散るような緊張感。古いタイプの演奏なのでしょうが、この緊張感は素晴しい。ブレンデルのピアノは特に右手のカチカチというクリアな響きが特徴。十分に乾燥したピアノの響きが心地よい感じ。
フィナーレは予想通り、快速な対決。ピアノがフレーズごとに音色を巧みにコントロールして変化をつけ、オケは刺さるような激しさでピアノを追いかけます。中盤以降のオケの強奏にのったピアノの音階の繰り返しはトランス状態になりそうなほどの高揚感。最後はインテンポで煽るように吹き抜けるフィニッシュ。
事前に予想した演奏とはかなり異なり。硬質なピアノをグイグイ引っ張るブレンデルの強靭なタッチが鮮やかな演奏。もうすこしゆったりとピアノを鳴らすのかと思っていたら、そうではなく、鋼のようなタッチと鮮烈なリズムでタイトに引き締まった、ともすると強引にも聴こえる圧倒的なピアノプレゼンスが魅力の演奏。ポール・アンゲラーのコントロールするオケは、ブレンデルに真っ向から対決する、こちらも鋼のようなオケの響きで応じる演奏。デッド気味の録音とあいまって、カッチリと鬩ぎ合う演奏。若きブレンデルには後年の響きを楽しむような姿はありませんでした。後半のリストもさらに硬質なピアノの魅力炸裂。このアルバムはブレンデルの鋼のようなピアノの魅力を楽しめる貴重な記録でしょう。評価は[++++]としました。
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