作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ダニイル・シャフラン/ネーメ・ヤルヴィ/USSR交響楽団のチェロ協奏曲2番

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今日はあまりハイドンを振るとは思えなかったネーメ・ヤルヴィのアルバム。

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HMV ONLINEicon(14枚組)

ダニイル・シャフラン(Daniil Shafran)のチェロ、ネーメ・ヤルヴィ(Neeme Jävi)指揮のUSSR交響楽団の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲2番などを収めたアルバム。収録は1962年9月、モスクワと表記されています。レーベルは露MELODIYA。

このアルバムはMELODIYAのネーメ・ヤルヴィ初期録音集の第6巻としてリリースされたCD。ネーメ・ヤルヴィはひところ北欧もののアルバムをBISなどからリリースして、日本でもずいぶん人気があった人です。息子が今話題のパーヴォ・ヤルヴィですが、最近はパーヴォの父と逆に紹介される立場でしょうか。独特の透明感、色彩感をもった響きをつくり、シベリウスの録音などは朗らかな演奏が面白い風情でした。1937年現エストニアのタリン生まれの指揮者。タリン音楽院からレニングラード音楽院で学び、指揮はムラヴィンスキーに師事。もともと打楽器奏者出身の人です。1982年よりイェーテボリ交響楽団首席指揮者、1990年よりデトロイト交響楽団音楽監督などを歴任し、現在、ニュージャージー交響楽団音楽監督とハーグ・レジデンティ管弦楽団首席指揮者という立場にあります。日本では1995年9月より日本フィルハーモニー交響楽団客員首席指揮者を務めていました。

チェロのダニイル・シャフランは1923年、現サンクト・ペテルスブルク出身のチェリスト。父はレニングラード・フィルの首席チェリスト、母もピアニストという音楽一家の出身。10歳からレニングラード音楽院のアレクサンドル・シトリメルに師事、11歳で演奏会に出演するなど、早くから才能が開花しました。以後ロストロポーヴィチと並び称されるチェリストとして活躍しましたが、活動はロシア国内、録音はMELODIYAに集中していたため、国際的に名前が知れ渡る存在ではなかったとのこと。1997年に亡くなっています。私は初めて聴きます。

Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
非常にやわらかい音色のオケのゆったりした伴奏が印象的。序奏から癒したっぷりの演奏。独墺系の指揮者とは明らかにコントロールが異なります。録音はやや遠めにオケが広がり、鮮明さは今一つですが、なかなかいい味です。オケより一歩前にチェロが浮かび上がります。チェロは高音部がちょっと芯のある固い音が特徴ですが、楽器のくせでしょうか。チェロもオケも楽天的な響き。力強さはあまりなく、響きの透明感がポイント。曲が進むにつれて、チェロの弓さばきがアクロバティックになっていきます。ちょっと弓さばきに危うさもありますが、音楽がスリリングになっていい感じ。終盤はオケにも力感が満ちてきていきますが、それ一辺倒ではなく、よくソロの入りのタイミングにあわせて、間を取ったりなかなか深いニュアンスを残します。カデンツァはかなり凝ったもので、高音域を使い切り素晴しい覇気。最後はオケがホールに響き渡ります。
2楽章のアダージョに入っても独特の楽天的な印象は続きます。実にのどかな音楽。チェロは音符を引きずるような演奏。張りつめた印象は一切せず、じっくり音楽をつくっていきます。
フィナーレもゆったりした入り。リズムのきざみがおおらかかつ、アクセントもあまり付けない伴奏にのって、チェロが個性的なフレージンングを重ねます。シャフランのチェロは非常に個性的な弓使い。まるで酔拳のような自在さ。時折り意表をついた強い音を奏でます。最後は勢いを増して曲を締めます。

一貫しておおらか、色彩感に富んだヤルヴィの伴奏に乗って、非常に個性的なシャフランのチェロが唸る演奏。言い方を変えれば非常に大時代的な演奏。古典期の作品の演奏というにはかなりロマンティックで、しかも枯れた風情もくわわりながら変幻自在さもあるシャフランの個性的なチェロ。この独特さをどう評価するかがポイントでしょう。他にない味わい深い演奏であるのは確かですが、ハイドンのチェロ協奏曲の演奏としてはかなり特殊なものでしょう。この演奏を高く評価する人もいそうです。私は[++++]としておきます。ハイドンのチェロ協奏曲の演奏としてはかなりの個性派ゆえ、コレクターの方にはオススメです!

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