作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【番外】柿葺落五月大歌舞伎第三部へ

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今日は仕事を5時きっかりに無理矢理切り上げて新歌舞伎座へ。先日第二部を見たばかりですが、今日は第三部、夜の部です。

歌舞伎人:歌舞伎座新開場 杮葺落五月大歌舞伎

第三部の開演は18:00。少し前に地下鉄東銀座駅につきます。

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日が長くなってきたので、18時にならんとするのに、明るいですね。平日に歌舞伎を見て帰れるというのは、いいものです。第三部の出し物は次の二幕。

梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場
京鹿子娘二人道成寺(きょうかのこむすめににんどうじょうじ) 道行より鐘入りまで

梶原平三誉石切は中村吉右衛門が主役のお話。通称石切梶原。一昨年の6月に新橋演舞場で同じく吉右衛門の石切梶原を見ています。

2011/06/26 : お出かけ・お散歩・展覧会 : 新橋演舞場へ六月大歌舞伎、染五郎、吉右衛門、仁左衛門!

主人公の梶原景時の情にあふれた人物像が魅力の舞台ですが、やはり景時は長谷川平蔵を演じる吉右衛門が当たり役でしょう。以前見たときも吉右衛門の余裕ある至芸に痺れましたが、今日も同様。相手役の大庭三郎景親はくだけた役が似合う菊五郎にはちょっと固い役でやりにくそうでしたが、やはり柿葺落公演ならではの豪華な配役ということでしょう。あらすじは歌舞伎人のサイトに譲るとして、見所は景時が刀の鑑定を決めるときの場内の視線を釘付けにする完璧な見栄、その刀のキレ味を証明するために人を二人重ねて切る「二つ胴」という試し切りの場面の意外なアクション、そして、最後にその刀が本当に名刀であることを証明するために石の手水鉢をまっぷたつにぶった切るという意表をつく設定の場面など、大道具、小道具を交えた場面の面白さにあります。源氏びいきの江戸時代に好まれた筋立てなど時代背景などもありますが、こうした演劇としてのわかりやすい面白さがこの石切梶原の魅力であり、人気作品となった理由でもありますね。明後日29日が千秋楽なので、舞台はきっちり仕上がっており、吉右衛門、菊五郎、そして脇役の人たちも含めて完成度の高い舞台でした。

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休憩をはさんで次の幕へ。お弁当は久しぶりの木挽町辨松。いつもながら味の沁みた煮物など、歌舞伎見物の楽しみのひとつ。前回売り切れてましたので、嫁さんが電話予約しておいたので、ありつけました。

今日の席は三階の三列目。上から舞台を眺めるので、全体の構成がよくわかります。花道のスッポンもよく見えます。この席、いいです。何が良いかと言うと、音響。次の京鹿子娘二人道成寺はお囃子大活躍の幕。1階席に比べると、音響はむしろこちらのほうが良いくらい。お囃子が鮮明に聴こえ、大太鼓(グランカッサ?)はズドンと腰に来ます。新歌舞伎座、音響は以前よりもだいぶ良くなっている印象です。こうした鳴りものも歌舞伎を魅力的にしている大きな力がありますね。

京鹿子娘二人道成寺は娘道成寺を坂東玉三郎と尾上菊之助の2人で踊るもの。いやいや、この舞台は素晴しかった。この作品も人気作であることがよくわかりました。あらすじは下記のとおり。

僧に恋をした清姫が、夫婦となる約束を取り交わしたがその約束を反故にされ、その恨みのため蛇となって、僧が逃げ込んだ道成寺の鐘に巻き付き、鐘の中に身を隠した僧を鐘ごと焼き殺し、清姫も命を断ちます。そのため、道成寺には鐘がありませんでしたが、その鐘が新造され、供養が執り行われる場面からはじまり、菊之助と玉三郎演ずる白拍子花子が再興した鐘を拝みたいと訪れ、舞を奉納する事を条件に入山を許されました。その白拍子花子が浄瑠璃や長唄に乗って数々の舞を披露しますが、結局白拍子花子は清姫の亡霊だったというお話。

見所はなんといっても、次々と衣装を変え、優美な踊りを見せる玉三郎と菊之助。シンクロナイズドスイミングを見ているような完璧なシンクロ度合い。そして踊りの合間に長唄やお囃子が朗々と雅な音楽を奏でていきます。さながら手に汗握る和製ミュージカルといったところでしょうか。新歌舞伎座になって、お祭りムードもありましたが、この舞台の出来は圧倒的でした。歌舞伎座の底力を見た気がします。踊りの合間に見栄を切るところで場内は拍手喝采。前の席に座っていた外人君も手を振り上げての拍手を繰り返してました。私たち日本人のDNAに仕組まれた日本らしさを感じる感性にぐさりと刺さりました。玉三郎も菊之助もかなり長時間踊る事になりますが、最後まで指先まで神経が張りつめた素晴しい舞台でした。これはまた見たいですね。

満員のお客さんも満足そうに歌舞伎座を後にしていました。幕があがるまえのざわめきと、幕がおりたあとの賑わい。いやいやいいものですね。6月公演も楽しみです。

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