セバスチャン・コンベルティ/エイジ・オブ・エンライトメント管のチェロ協奏曲集
4月も大詰めになってきました。今日は湖国JHさんにお借りしたアルバム。

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TOWER RECORDS
セバスチャン・コンベルティ(Sebastian Comberti)のチェロ、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団(Orchestra of the Age of Enlightenment)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、2番、ハイドンと同時代のヨハン・ルドルフ・ツムシュテークのチェロ協奏曲の3曲を収めたアルバム。収録は2008年7月28日から30日、ロンドン郊外にあるハムステッド・ガーデン・サバーブにある聖ユダ教会でのセッション録音。レーベルはCELLO CLASSICSというイギリスのレーベル。
このアルバム、当方の所有盤リストにないということで、貸していただいたもの。調べてみると最近リリースされたもので、全くその存在に気づいていませんでした。チェロ協奏曲は好きでいろいろ集めているつもりでも、気づかないものもあるのですね。
連休がはじまってすぐに出かけて、その後始末で番外編のブログにかまけておりましたゆえ、ようやく今日取り出して聴いたところ、これがまた素晴しい演奏でビックリ。いやいやまだまだ探求が足りませんね。
チェロのセバスチャン・コンベルティはロンドン生まれのチェロ奏者ですが、今日取り上げるアルバムをリリースしているCELLO CLASSICSレーベルの創始者でもあるとのことです。イタリアや王立音楽アカデミーで音楽を学び1977年に卒業。1976年にボックマン四重奏団の創設メンバーとなりイギリスやヨーロッパを中心に演奏活動を行った。1983年にはロンドン・クラシカル・プレイヤーズの首席チェロ奏者となり、以後、ソロなども担当するようになりました。このアルバムのオケである、エイジ・オブ・エンライトメント管やハノーヴァー・バンドの首席チェロ奏者として客演したこともあるそうです。ということで古楽器のチェロ奏者としては実力派の方だとわかりました。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
古楽器独特の響き。ただし堅苦しいところはなく、かなり楽天的な響き。規則正しいリズムに乗って、古楽器の美しい響きが部屋に充満します。コンベルティのチェロは非常に軽やか。冒頭から力が抜けて、淀みなく美しいメロディを軽々とこなしていきます。まるで岩清水のような清らか。ハイドンの楽譜に忠実に演奏することで十分とでも言いたそうな演奏です。カデンツァはこれまでのオーソドックスさだけではないと実力を誇示するように変化に富んだもの。全体のバランスは非常にいいですね。
アダージョもこの演奏の特徴は変わらず、サラッとした感触の演奏。非常にリラックスした境地。ときおりグァルネリの高音の美音を轟かせますが、情感が濃くなることはなく、純音楽的な範囲で詩情を表す感じ。淡々とした語りから音楽の真髄に迫るいい演奏。
フィナーレの入りは適度に鮮烈な感じで、規則正しいテンポが心地良い演奏。オケの響きも非常にフレッシュ。コンベルティのチェロは完全にオケに身を任せる感じで、しなやかにオケについていきます。ベテランのチェロ奏者らしく、表現は慎ましやかなのに非常に味わいのあるチェロのソロ。オケの色彩感も最高。感触は違いますが先日取りあげたマルク・デュストリベのヴァイオリン協奏曲の演奏に近い感じといえばわかるでしょうか。
Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
見事な1番の演奏につづいて2番。2番独特の深みが出るでしょうか。期待通り淡々としたオケの入りですが、2番の円熟を読んだのか、すこし雄弁な印象。チェロの入りはなんと清々しい! 音色のセンスがいいというか、この入りの絶妙さは見事。オケも1番ほどオーソドックスではなく、あちこちで変化を聴かせますが、穏やかな機知という範囲でこれも見事なセンス。コンベルティの方もすこし書体がくだけたようなところがあって乙な印象。ハイドンの曲に潜む遊び心のようなものが垣間見える演奏です。整然としたリズムでの正確無比な演奏とは異なり、手作りの素朴な良さをもった淡々としたスタンスの演奏と言えばいいでしょうか。2番独特の無邪気な側面がうまく出て絶妙な演奏。カデンツァは自在な心境を存分に感じさせ、テクニックを披露する気などさらさらないと言いたげな純真なもの。これは素晴しい。オケもそれを受けてあえてキリリと締めます。
アダージョはまさに天真爛漫の境地。音色は古楽器ですが、演奏は自在を極め、しかも淡々としたリズムの存在が淀みない印象を強くして、サラサラ流れながらチェロが自在に弓で遊ぶよう。なかなか出来るものではありません。
そしてフィナーレは独特の郷愁に満ちた音楽から入りますが、こうした感情をさらりと上手く表現するセンスの良さを持ち合わせているようですね。高音の美しさを織り交ぜながら、名残を惜しむように糸を引くチェロ。まるで酔拳のように自在に立ち回りますが、不思議に音楽は一貫しています。オケも最後は印象的な響きを多用して曲を締めくくります。
いやいや、これは見事。古楽器演奏ではありますが、一貫してテンポ感の良いところと美しい響きは古楽器風ながら、演奏の本質にはハイドンの音楽に対する深い理解にもとづく自在さと遊び心、そして虚心坦懐さをもった素晴しい演奏でした。古楽の演奏を長年やっているからこそ到達できる深みと言えばいいのでしょうか。表面的な表現やテクニックの誇示といった感じは一切せず、純粋にハイドンの音楽の楽しさを伝えようと言う姿勢がひしひしと伝わってきます。これは名盤と言うべきでしょう。評価は両曲とも[+++++]とします。
湖国JHさん、いいアルバムを聴く機会をいただきありがとうございます。

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セバスチャン・コンベルティ(Sebastian Comberti)のチェロ、エイジ・オブ・エンライトメント管弦楽団(Orchestra of the Age of Enlightenment)の演奏で、ハイドンのチェロ協奏曲1番、2番、ハイドンと同時代のヨハン・ルドルフ・ツムシュテークのチェロ協奏曲の3曲を収めたアルバム。収録は2008年7月28日から30日、ロンドン郊外にあるハムステッド・ガーデン・サバーブにある聖ユダ教会でのセッション録音。レーベルはCELLO CLASSICSというイギリスのレーベル。
このアルバム、当方の所有盤リストにないということで、貸していただいたもの。調べてみると最近リリースされたもので、全くその存在に気づいていませんでした。チェロ協奏曲は好きでいろいろ集めているつもりでも、気づかないものもあるのですね。
連休がはじまってすぐに出かけて、その後始末で番外編のブログにかまけておりましたゆえ、ようやく今日取り出して聴いたところ、これがまた素晴しい演奏でビックリ。いやいやまだまだ探求が足りませんね。
チェロのセバスチャン・コンベルティはロンドン生まれのチェロ奏者ですが、今日取り上げるアルバムをリリースしているCELLO CLASSICSレーベルの創始者でもあるとのことです。イタリアや王立音楽アカデミーで音楽を学び1977年に卒業。1976年にボックマン四重奏団の創設メンバーとなりイギリスやヨーロッパを中心に演奏活動を行った。1983年にはロンドン・クラシカル・プレイヤーズの首席チェロ奏者となり、以後、ソロなども担当するようになりました。このアルバムのオケである、エイジ・オブ・エンライトメント管やハノーヴァー・バンドの首席チェロ奏者として客演したこともあるそうです。ということで古楽器のチェロ奏者としては実力派の方だとわかりました。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
古楽器独特の響き。ただし堅苦しいところはなく、かなり楽天的な響き。規則正しいリズムに乗って、古楽器の美しい響きが部屋に充満します。コンベルティのチェロは非常に軽やか。冒頭から力が抜けて、淀みなく美しいメロディを軽々とこなしていきます。まるで岩清水のような清らか。ハイドンの楽譜に忠実に演奏することで十分とでも言いたそうな演奏です。カデンツァはこれまでのオーソドックスさだけではないと実力を誇示するように変化に富んだもの。全体のバランスは非常にいいですね。
アダージョもこの演奏の特徴は変わらず、サラッとした感触の演奏。非常にリラックスした境地。ときおりグァルネリの高音の美音を轟かせますが、情感が濃くなることはなく、純音楽的な範囲で詩情を表す感じ。淡々とした語りから音楽の真髄に迫るいい演奏。
フィナーレの入りは適度に鮮烈な感じで、規則正しいテンポが心地良い演奏。オケの響きも非常にフレッシュ。コンベルティのチェロは完全にオケに身を任せる感じで、しなやかにオケについていきます。ベテランのチェロ奏者らしく、表現は慎ましやかなのに非常に味わいのあるチェロのソロ。オケの色彩感も最高。感触は違いますが先日取りあげたマルク・デュストリベのヴァイオリン協奏曲の演奏に近い感じといえばわかるでしょうか。
Hob.VIIb:2 / Cello Concerto No.2 [D] (1783)
見事な1番の演奏につづいて2番。2番独特の深みが出るでしょうか。期待通り淡々としたオケの入りですが、2番の円熟を読んだのか、すこし雄弁な印象。チェロの入りはなんと清々しい! 音色のセンスがいいというか、この入りの絶妙さは見事。オケも1番ほどオーソドックスではなく、あちこちで変化を聴かせますが、穏やかな機知という範囲でこれも見事なセンス。コンベルティの方もすこし書体がくだけたようなところがあって乙な印象。ハイドンの曲に潜む遊び心のようなものが垣間見える演奏です。整然としたリズムでの正確無比な演奏とは異なり、手作りの素朴な良さをもった淡々としたスタンスの演奏と言えばいいでしょうか。2番独特の無邪気な側面がうまく出て絶妙な演奏。カデンツァは自在な心境を存分に感じさせ、テクニックを披露する気などさらさらないと言いたげな純真なもの。これは素晴しい。オケもそれを受けてあえてキリリと締めます。
アダージョはまさに天真爛漫の境地。音色は古楽器ですが、演奏は自在を極め、しかも淡々としたリズムの存在が淀みない印象を強くして、サラサラ流れながらチェロが自在に弓で遊ぶよう。なかなか出来るものではありません。
そしてフィナーレは独特の郷愁に満ちた音楽から入りますが、こうした感情をさらりと上手く表現するセンスの良さを持ち合わせているようですね。高音の美しさを織り交ぜながら、名残を惜しむように糸を引くチェロ。まるで酔拳のように自在に立ち回りますが、不思議に音楽は一貫しています。オケも最後は印象的な響きを多用して曲を締めくくります。
いやいや、これは見事。古楽器演奏ではありますが、一貫してテンポ感の良いところと美しい響きは古楽器風ながら、演奏の本質にはハイドンの音楽に対する深い理解にもとづく自在さと遊び心、そして虚心坦懐さをもった素晴しい演奏でした。古楽の演奏を長年やっているからこそ到達できる深みと言えばいいのでしょうか。表面的な表現やテクニックの誇示といった感じは一切せず、純粋にハイドンの音楽の楽しさを伝えようと言う姿勢がひしひしと伝わってきます。これは名盤と言うべきでしょう。評価は両曲とも[+++++]とします。
湖国JHさん、いいアルバムを聴く機会をいただきありがとうございます。
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