作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

オーレ・エドワルド・アントンセン/テイト/ECOのトランペット協奏曲

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番外記事が3本続いたので、正常化の必要性に迫られています(笑) 以前書きかけの記事をまず仕上げます。

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オーレ・エドワルド・アントンセン(Ole Edvard Antonsen)のトランペット、ジェフリー・テイト(Jeffrey Tate)指揮のイギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)の演奏で、ハイドンのトランペット協奏曲他、フンメル、テレマン、ネルーダ、タルティーニのトランペット協奏曲を収めたアルバム。収録は1993年2月、ロンドンのアビー・ロード・スタジオの第1スタジオでのセッション録音。レーベルはEMI CLASSICS。

ハイドンのトランペット協奏曲はかなり集めているはずですが、このアルバムは初めて見るもの。先日ディスクユニオンの店頭でお目にかかり仕入れたものです。手元の所有盤リストを確認すると、このアルバムを含めて現在37演奏が登録されています。そのうちレビューに取りあげたのが22演奏、実に6割近くの演奏をレビューしている事になります。それだけトランペット協奏曲が好きだからと言いたいところですが、実際はさにあらず。トランペット協奏曲のアルバムはたいていフンメルとかテレマンなどの曲とカップリングされる事が多く、レビューに取りあげる時は1曲のみで記事がかけると言う事で、忙しい時間の合間で記事を書くには、この短い曲1曲でネタになるのがありがたいからに他なりません。もちろん、曲もハイドンらしい祝祭感とトランペットの迫力が素晴しいので好きな曲でもありますが(笑)

今日もいろいろバタバタしたので、先日手にいれたこのアルバムを取りあげます。

トランペットのアントンセンははじめて聴く人。1962年生まれと言う事で私と同じ歳。名前からわかるとおり、ノルウェーの人です。1982年、ノルウェー国立音楽院で学び、同校を金管奏者として初の最優秀賞で卒業。1987年ジュネーヴ国際音楽コンクールで優勝、1989年ブラチスラヴァのユネスコ国際コンクール優勝などの経歴を持ち、モーリス・アンドレ以来の逸材と言われたそう。ノルウェーのオスロフィルののトランペット奏者を務めていましたが、1990年に退団し、以後、ソロとして活躍しているそうです。

ジェフリー・テイトはおなじみでしょう。かなり以前にザロモンセットを取りあげています。

2010/04/12 : ハイドン–交響曲 : 歌の人、テイト

最近あまり録音しているのを見かけませんが、あらためて調べてみると2008年からハンブルク交響楽団の首席指揮者として活躍しているようです。生まれは1943年4月28日、イギリス南部の大聖堂で有名なソールズベリーの生まれ。何と昨日が70歳の誕生日でした。生まれつき二分脊椎症を患っているとのこと。最初はケンブリッジ大学で医学を学び、ロンドンのセント・トーマス病院で研修などを受けますが、1970年から音楽の道に転向、ロンドン・オペラ・センターで学びはじめます。ショルティ、ブーレーズ、カラヤン、レヴァイン、ルドルフ・ケンペ、カルロス・クライバー、コリン・デイヴィスらの助手を務めて腕を磨き、1979年、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でデビュー、1985年からこのアルバムのオケであるイギリス室内管弦楽団の初代の首席指揮者とロイヤルオペラハウスの首席指揮者となりました。テイトの録音はこれ以降、EMIからいろいろリリースされてメジャーになったと言う訳です。その後2005年にはナポリのサン・カルロ劇場の音楽監督、そして2008年からは冒頭に書いたようにハンブルク交響楽団をまとめているということです。どちらかというとオペラ中心に来た人だったというのは今回初めて知りました。

テイトの指揮は非常にしっとりとした柔らかな音色で曲を丹念に磨いていくという印象。オケも名手ぞろいのイギリス室内管ゆえ、アントンセンのトランペット以上にオケの伴奏の出来にも興味があって手に入れたというところ。イギリス室内管は先日70年代のバレンボイムの演奏を取りあげたばかりですので、指揮者や時代の違いにも興味が向くところです。

Hob.VIIe:1 / Concerto per il clarino [E flat] (1796)
期待通りテイトのコントロールするイギリス室内管は素晴しく瑞々しい響き。録音もアビーロードスタジオでの全盛期のEMIの実体感と響きの余韻の美しいもの。中庸なテンポで磨き込まれたオケの美しさが印象的。アントンセンのトランペットはテイトの伴奏に身を任せて、最初は大人しめですが、徐々に高音の素晴しい伸びを印象的に交えていきます。高音の伸びは明るい音色で輝きもあり、モーリス・アンドレの再来との評価もあながち過大評価とは言い切れません。北欧出身者としては明るいトランペット。カデンツァはその高音の伸びと迫力を存分に聞かせます。
2楽章のアンダンテはテイトのコントロールする美しい伴奏が素晴しいですね。アントンセンもテイトと同じようにトランペットを巧みにコントロールして美しくメロディーを乗せていきます。ヴィブラートのかけ方うまく、メロディーがオケに溶け込み、非常に美しい。これはかなりのテクニックですね。
フィナーレも極上のオケの響きに乗ってアントンセンのトランペットが気持ちよく吹き上がります。オケの色彩感とトランペットの輝き、そしてしっとりと柔らかい響きが相俟って素晴しい響き。アントンセン、テンポ感も柔らかい音色のコントロールも非常に迫力ある高音の使い方も素晴しいトランペットでした。

ノルウェーのトランぺッター、オーレ・エドワルド・アントンセンによるハイドンのトランペット協奏曲、はじめて聴く人でしたが、素晴しい腕前の持ち主でした。テイトの指揮にあわせるように磨き込まれたメロディーを聴かせ、しかもトランペットという楽器の聴かせどころのツボをおさえた非常に良くコントロールされたトランペットでした。評価は[+++++]とします。

(おまけ)
昨夜は早速蒲鉾のカルパッチョ。もちろん蒲鉾は近所のスーパーで鈴廣を(笑)

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2 Comments

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michael

No title

こんにちは

>この短い曲1曲でネタになるのがありがたいから
まったく同感です(笑)
tp奏者についてはソロ・アルバムを出すくらいなので期待がもてますし、バックがハイドンの名演をする指揮者なら、なお期待してしまいますね。このアルバムも興味深々です。

Daisy

Re: No title

michaelさん、お世話になります。
いろいろ集めているつもりですが、まだまだ知らない演奏はあるものですね。最近LPを真面目に聴き始めてみると、CD化されていない演奏にもいろいろいいものがありそうです。まだ手を出していませんが、ネットオーディオなどをはじめるとキリがなさそうですね。嬉しい悲鳴です(笑)

  • 2013/04/29 (Mon) 15:42
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