作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クララ・ハスキル/ゲザ・アンダのモーツァルトとバッハの2台のピアノのための協奏曲

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誰にでも時々無性に聴きたくなるアルバムがあります。まだまだ、LPシリーズいきますが、今日はハイドンではありません。

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クララ・ハスキル(Clara Haskil)とゲザ・アンダ(Geza Anda)のピアノ、アルチェオ・ガリエラ(Alceo Galliera)指揮のフィルハーモニア管弦楽団の演奏で、モーツァルトの2台のピアノのための協奏曲(K.365)とバッハの2台のピアノのための協奏曲の2曲を収めたLP。収録は1956年4月25日、26日、ロンドンのアビーロードスタジオでのセッション録音。レーベルは仏PATHE MARCONI。

このアルバム長らくCDで愛聴してきましたが、先日状態のいい仏PATHE MARCONI盤を見つけて手に入れたもの。CDのほうはバッハ、モーツァルトにアンダがソロを務めるベートーヴェンのピアノ協奏曲1番の3曲をカップリングしたもの。LPの方はベートーヴェンが入らず、曲順もモーツァルトが先になっています。

演奏はすでに評価の高いものですので、多くの人が聴いているでしょう。ハスキルとアンダのコンビが、このアルバムに収められたモーツァルトとバッハと言う全く異なる音楽を、どちらも絶妙の呼吸と、香しいまでに詩情の溢れる気高いタッチによって、神々しいまでに昇華した至福の演奏。

モーツァルトはハスキル独特の全く溜めのない直裁なタッチで転がるように滑らかな音階が行き来きする至高の音楽。オケにもピアノにもえも言われぬ詩情が漂い、まさに音楽の神様が降りてきたような演奏。アンダもハスキルをそっと支える見事な呼吸。そしてガリエラのコントロールするフィルハーモニア管弦楽団が非常にテンポのいい演奏。すべてが完璧にそろった奇跡のひとときです。この演奏CDもかなりいい録音なんですが、LPと聴き比べると、クリーンなCDの魅力もあるのですが、弦楽器のキレとピアノの存在感はやはりLPに分があります。聴いているうちに感極まる見事な演奏。

バッハの方は冒頭からポリフォニーの響きの渦に身を任せるような恍惚とした音楽。響きに耳を傾けているうちにバッハの書いた数多の音符が大河となって押し寄せてきて、トランス状態になります。こちらもモーツァルトに負けず劣らず感極まります。音階の繰り返し、重なり、変化が宇宙のごとき雄大さを表すと同時に、じつにしっとりと人間的な印象も合わせもつ希有な演奏。
2楽章のハイドンとは異なるバッハ独特の静謐な陰りが美しく、淡々としたタッチがグールドの過度にアーティスティックな印象ではなく、バッハ本来の敬虔な感情と、純粋に音楽を奏でる喜びの感情を浮かび上がらせます。最後のロンドは深遠なメロディーの循環を繰り返しながら一歩ずつ天上への階段を登っていくよう。

遅くに家に帰って、好きなアルバムをターンテーブルに乗せて、厳かに針を落として音楽に没入。今日も一日働いた疲れが一瞬で吹き飛びます。明日もがんばって働かねば(笑)

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2 Comments

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MK

クララ・ハスキルのデュオ

この演奏のCDがクララ・ハスキルさんのボックス・セットの4枚目に入っておりました。
時々聴いております。
1956年の録音との事ですが、結構良い音で聴くことができます。

  • 2013/04/18 (Thu) 06:36
  • REPLY

Daisy

Re: クララ・ハスキルのデュオ

MKさん、おはようございます。
この演奏、CDでもかなりいい録音ですね。鑑賞には今でも十分なもので、最新の録音よりも音楽に浸れるという意味では優れているかもしれません。この頃のプロダクションは完成度が凄いですね。ウォルター・レッグの執念でしょうか。

  • 2013/04/18 (Thu) 07:19
  • REPLY