作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

エリアス弦楽四重奏団のOp.64のNo.6

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今週は久しぶりに水曜に早く帰れたので、TOWER REOCRDS新宿店に。今日はそこで見つけたアルバム。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

エリアス弦楽四重奏団(Elias String Quartet)の演奏でハイドンの弦楽四重奏曲Op.64のNo.6とシューマンの弦楽四重奏曲Op.41のNo.1、アンコールとして第2ヴァイオリンのドナルド・グラントの作曲した「ムルロイへの挽歌」の3曲を収めたアルバム。収録は2010年9月12日、ロンドンのウィグモアホールでのライヴ。レーベルはこのホールでのライヴ専門のWIGMORE HALL LIVE。

Elias String Quartet

エリアス弦楽四重奏団の名前はメンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」のドイツ語呼称からとられたもの。1998年、イギリス、マンチェスターのノーザン音楽大学で結成され、クリストファー・ローランド博士に師事、そのほかアルバンベルク四重奏団やジョルジュ・クルターク、アンリ・デュティユーなどにも教えを受けてるとのこと。活動後間もなく、彼らの世代で最も活気に満ちたクァルテットとみなされるようになりました。またBBCラジオ3の権威ある新世代アーティストプログラムの参加メンバーに選ばれ、2010年、ボレッティ・ブイトーニ・トラスト賞を受賞しました。また、2010年4月には今日取り上げるアルバムと同じ、WIGMORE HALL LIVEレーベルのメンデルスゾーン、モーツァルト、シューベルトを取りあげたアルバムがBBCミュージックマガジンの新人賞に選ばれるなど注目の存在です。メンバーは以下のとおり。

第1ヴァイオリン:サラ・ビトルロック(Sara Bitlloch)
第2ヴァイオリン:ドナルド・グラント(Donald Grant)
ヴィオラ:マーティン・セイビング(Martin Saving)
チェロ:マリー・ビトルロック(Marie Bitlloch)

若手クァルテットのライヴを聴くのは実に楽しみです。若手の音楽家がハイドンをどう料理するのか興味はつきません。

Hob.III:64 / String Quartet Op.64 No.6 [E flat] (1790)
非常にしなやかな演奏。一音一音にふくらみがあり、一聴して活き活きとしたフレージングに特徴があります。ハイドンのクァルテットらしい、爽やかな軽さもあり、なにより弦のタッチが繊細でボウイングも繊細なコントロールが行き届いた演奏。小鳥のさえずりのようにメロディーを重ねていきます。盛り上がるところでも、繊細さを失わないよう緊張感が支配した演奏です。静寂の中に響く繊細な音色に耳を奪われます。
2楽章のアンダンテはそれぞれの楽器の微妙な重なりが醸し出す繊細なハーモニーが絶妙。弱音の美学。途中から印象的なヴァイオリンのメロディーが入りますが糸を引くように引きずる非常に個性的な演奏。
メヌエットは一人一人が非常に雄弁に表情をつけていくので、一体感よりも、多様な表情の織りなす綾のようなものが聴き所。繊細さは重要なファクター。この楽章でも第1ヴァイオリンの練り練りのフレージングが個性的です。
フィナーレは、タッチの繊細さとフレーズの演出の面白さが出色。突き刺すような刺激的な音はなく、楽器の美しい響きの範囲で、まさにタッチの美しさを最大限に表現した演奏。速いパッセージのキレも、軽さをともなった素晴らしいもの。グイグイ弾くところはなく、軽い力でささっと弓を使うような演奏。最後に近づくと、すこし盛り上げ方が踏み込みますが、それも適度な範囲。鮮やかな演奏。最後は、会場から暖かい拍手が送られます。

エリアス弦楽四重奏団のウィグモア・ホールのライヴ。1曲目に置かれたハイドンは、このクァルテットの個性が伝わる演奏。非常に繊細なタッチの面白さを十分に感じさせ、ヴァイオリンのソロもかなり個性的。ハイドンの弦楽四重奏曲の様々な演奏の中でも、キレの良さではピカイチだと思います。若手の創意溢れる演奏はやなり聴いていて実に楽しいですね。録音も十分鮮明で、ウィグモア・ホールに響き渡るクァルテットの魅力的な響きが楽しめます。評価は[+++++]とします。今後が楽しみなクァルテットですね。

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