【新着】ウィーン弦楽四重奏団の「皇帝」
弦楽四重奏が続きます。

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TOWER RECORDS
ウィーン弦楽四重奏団の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」の2曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は2010年11月16日、17日、草津音楽の森国際コンサートホールでのセッション録音。レーベルはcamerata。
ウィーン弦楽四重奏団のハイドンは以前に一度取りあげています。
2011/11/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ウィーン弦楽四重奏団の五度、ひばり、セレナーデ
「五度」と「ひばり」などを収めた同じくcamerataのアルバムですが、録音は1978年と今日取り上げるアルバムから32年も前のもの。メンバーもヴァイオリンは変わりませんが、ヴィオラとチェロは入れ替わっています。今日取り上げるアルバムのメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:ウェルナー・ヒンク(Werner Hink)
第2ヴァイオリン:フーベルト・クロイザマー(Hubert Kroismar)
ヴィオラ:ハンス・ペーター・オクセンホファー(Hans Peter Ochsenhofer)
チェロ:フリッツ・ドレシャル(Fritz Dolezal)
ヴィオラとチェロは、それぞれ1998年、1995年に前任者から入れ替わっています。
このアルバムをリリースしているcamerataのサイトを見ると、このウィーン弦楽四重奏団のアルバムは40枚以上リリースされており、人気のあるシリーズなのだと想像できます。やはり日本でのウィーンフィルの人気は特別なものなのでしょう。
このアルバム、前に取りあげた「五度」「ひばり」が素晴らしい出来だったので、それから30余年経たアンサンブルはどのようなものかが聴き所でしょう。
Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
録音はヴィオラとチェロのバランスが強く、ヴァイオリンにかぶる感じ。ウェルナー・ヒンクのヴァイオリンのキビキビとしたキレの良さは健在ですが、以前にくらべて張りとか伸びは少しおとろえているように聴こえます。音程も高音が抜けきらない感じがあります、逆に味わいのある演奏と聴く事もできます。流石はウィーンフィルメンバーの演奏だけあって、華やかさと典雅さをほんのり感じさせるオーソドックスなハイドンの演奏です。以前取りあげた演奏はアンサンブルの精度や音楽性までかなりの緊張感だったのに比べると、力の抜けた燻し銀の演奏という感じ。力みもなく、細部へのこだわりもほどほどで、ハイドンらしさと楽しげな音楽の流れの良さを感じさせるもの。
ドイツ国歌のメロディーとして有名な2楽章は、のどかな草原でたたずむような音楽。1楽章ですこし奏者間にテンションの差を感じたのがおさまり、息の合った音楽になりました。変奏がすすむにつれてリリカルな表情が濃くなり、各奏者の感覚が研ぎすまされていくのがわかります。このあたりは流石ウィーンフィル奏者というところでしょう。
メヌエットはキビキビとしたテンポでサクサクすすめます。この軽さの感覚というかセンスがなかなか出せないのですね、普通のアンサンブルには。さりげない表情のひとつひとつに音楽を豊かに聴かせるエッセンスが込められているのでしょう。
フィナーレは力強くもありますが、老練な力強さという感じ。各楽器の鬩ぎ合う感じも同じく老練。聴かせどころはウィーン風というよりは、燻し銀の至芸というところに移っているようですね。もちろん演奏の精度が落ちるほどではありませんが、いい意味で枯れた感じも加わっているのでこう感じるのでしょう。音楽の流れと言うかつくりは一貫した安定感があり、最後までしっかりとした足取り。最後の盛り上がりも見事なものです。
ウィーン弦楽四重奏団によるハイドン晩年の傑作弦楽四重奏曲の演奏。やはり名手4人によるアンサンブルの妙を聴かせる仕上がりは流石です。若手の溌剌としたハイドンもいいですが、こうした名人芸もいいものです。とくにこの皇帝という晩年の曲だけに、曲想にも合った演奏という印象もあります。30余年を経て、聴かせどころもかわり、年輪を重ねていっていることがわかりますね。評価は[++++]といたします。

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ウィーン弦楽四重奏団の演奏による、ハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.3「皇帝」、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」の2曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は2010年11月16日、17日、草津音楽の森国際コンサートホールでのセッション録音。レーベルはcamerata。
ウィーン弦楽四重奏団のハイドンは以前に一度取りあげています。
2011/11/13 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : ウィーン弦楽四重奏団の五度、ひばり、セレナーデ
「五度」と「ひばり」などを収めた同じくcamerataのアルバムですが、録音は1978年と今日取り上げるアルバムから32年も前のもの。メンバーもヴァイオリンは変わりませんが、ヴィオラとチェロは入れ替わっています。今日取り上げるアルバムのメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:ウェルナー・ヒンク(Werner Hink)
第2ヴァイオリン:フーベルト・クロイザマー(Hubert Kroismar)
ヴィオラ:ハンス・ペーター・オクセンホファー(Hans Peter Ochsenhofer)
チェロ:フリッツ・ドレシャル(Fritz Dolezal)
ヴィオラとチェロは、それぞれ1998年、1995年に前任者から入れ替わっています。
このアルバムをリリースしているcamerataのサイトを見ると、このウィーン弦楽四重奏団のアルバムは40枚以上リリースされており、人気のあるシリーズなのだと想像できます。やはり日本でのウィーンフィルの人気は特別なものなのでしょう。
このアルバム、前に取りあげた「五度」「ひばり」が素晴らしい出来だったので、それから30余年経たアンサンブルはどのようなものかが聴き所でしょう。
Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
録音はヴィオラとチェロのバランスが強く、ヴァイオリンにかぶる感じ。ウェルナー・ヒンクのヴァイオリンのキビキビとしたキレの良さは健在ですが、以前にくらべて張りとか伸びは少しおとろえているように聴こえます。音程も高音が抜けきらない感じがあります、逆に味わいのある演奏と聴く事もできます。流石はウィーンフィルメンバーの演奏だけあって、華やかさと典雅さをほんのり感じさせるオーソドックスなハイドンの演奏です。以前取りあげた演奏はアンサンブルの精度や音楽性までかなりの緊張感だったのに比べると、力の抜けた燻し銀の演奏という感じ。力みもなく、細部へのこだわりもほどほどで、ハイドンらしさと楽しげな音楽の流れの良さを感じさせるもの。
ドイツ国歌のメロディーとして有名な2楽章は、のどかな草原でたたずむような音楽。1楽章ですこし奏者間にテンションの差を感じたのがおさまり、息の合った音楽になりました。変奏がすすむにつれてリリカルな表情が濃くなり、各奏者の感覚が研ぎすまされていくのがわかります。このあたりは流石ウィーンフィル奏者というところでしょう。
メヌエットはキビキビとしたテンポでサクサクすすめます。この軽さの感覚というかセンスがなかなか出せないのですね、普通のアンサンブルには。さりげない表情のひとつひとつに音楽を豊かに聴かせるエッセンスが込められているのでしょう。
フィナーレは力強くもありますが、老練な力強さという感じ。各楽器の鬩ぎ合う感じも同じく老練。聴かせどころはウィーン風というよりは、燻し銀の至芸というところに移っているようですね。もちろん演奏の精度が落ちるほどではありませんが、いい意味で枯れた感じも加わっているのでこう感じるのでしょう。音楽の流れと言うかつくりは一貫した安定感があり、最後までしっかりとした足取り。最後の盛り上がりも見事なものです。
ウィーン弦楽四重奏団によるハイドン晩年の傑作弦楽四重奏曲の演奏。やはり名手4人によるアンサンブルの妙を聴かせる仕上がりは流石です。若手の溌剌としたハイドンもいいですが、こうした名人芸もいいものです。とくにこの皇帝という晩年の曲だけに、曲想にも合った演奏という印象もあります。30余年を経て、聴かせどころもかわり、年輪を重ねていっていることがわかりますね。評価は[++++]といたします。
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