メロス四重奏団のOp.76のNo.5シュベツィンゲン音楽祭ライヴ(ハイドン)
手元にはレビューすべきアルバムが沢山ありますが、昨日昼前にamazonに注文したらその日のうちに到着したアルバム。

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TOWER RECORDS
メロス四重奏団(Melos Quartett)の演奏でハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5、ウォルフガング・フォルトナーの弦楽四重奏曲、ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調の3曲を収めたアルバム。収録は1979年5月9日、シュベツィンゲン音楽祭でのライヴ。会場はドイツ、ハイデルベルクの西隣のシュベツィンゲンにあるシュベツィンゲン宮殿。レーベルは独hänssler CLASSIC。
メロス四重奏団のハイドンは以前に一度取りあげています。
2010/12/01 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : メロス四重奏団の「皇帝」、「日の出」、「鳥」
いつものようにWikipedia等から演奏者の情報を紹介しておきましょう。
メロス四重奏団は、1965年にヴュルテンベルク室内管弦楽団とシュトゥットガルト室内管弦楽団の首席奏者らによって結成されたドイツの弦楽四重奏団。結成間もない1966年に、ジュネーヴ国際音楽コンクールで最高賞を受賞して世界的に有名になりました。得意とするのはベートーヴェン、シューマン、ブラームス等のドイツものということです。ただし、惜しいことに設立以来30年を経過して、第1ヴァイオリンのヴィルヘルム・メルヒャーが亡くなった事にともない2005年に解散したとのことです。以前も触れましたがメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:ヴィルヘルム・メルヒャー(Wilhelm Melcher)
第2ヴァイオリン:ゲルハルト・フォス(Gerhard Voss)※1993年以降 イーダ・ビーラー(Ida Bieler)
ヴィオラ:ヘルマン・フォス(Hermann Voss)
チェロ:ペーター・ブック(Peter Buck)
なお、「メロス」の名称の由来は、第1ヴァイオリンのメルヒャーのMelと第2ヴァイオリンとヴィオラのフォス兄弟兄弟のosを組み合わせ、ラテン語で「歌」「音楽」「旋律」を意味する言葉にかけたものとのことです。
以前に取りあげたアルバムもおそらく1970年代の録音であり、このアルバムの演奏も70年代ということで、設立後最も油の乗った時期のライヴということで期待の一枚。ジャケット写真からも音楽が沸き上がってくるセンスのいいもの。
Hob.III:79 / String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
直接音重視で、比較的デッドながら図太い音のする独特の録音。古典の規律ではなく、明らかにロマン派の音楽を奏でるような自在な演奏。テンポをかなり揺らしながら聴き慣れたハイドンのこの曲のメロディーに自在な流れによる起伏をつけて、いきなり弓をきりきりフルに使ったタイトな演奏。まるでベートーヴェンかヤナーチェクの曲の演奏のように攻めていきます。1楽章からテンションは最高。ベートーヴェンの曲への橋渡しをかなり意識した演奏なのでしょうか。ただ、この張りつめながらも音楽のテンションを楽しもうというところが残っていて、それがハイドンらしくもあります。
2楽章のラルゴもいきなり引きずるようにテンションがかかったヴァイオリンの力強い演奏に耳を奪われます。この濃い音楽もハイドンの一面ということでしょう。各楽器がかなり良く歌うためクァルテットとしても歌に満ちた演奏となり、かなり情感が乗ってきます。弦楽器の持つ起伏をフルに表現したようなクッキリしたフレージング。チェロまで雄弁にメロディーを奏でていきます。磨き抜かれた実に劇的なラルゴ。それぞれの楽器が良く鳴って、恍惚感すら感じさせる程。
3楽章のメヌエットは、前楽章からの劇的な演奏に加えて刺さるような鋭さもある演奏。チェロ主導のさざめくような中間部を挟んで両端の雄弁なメロディーが聴き所。
そしてフィナーレはさらに鋭さを増して、超ハイテンションの演奏。ヴァイオリンのメルヒャーが軽々とかつ非常に鋭利にメロディーラインを演奏していき、他の奏者も完全に追随して、エクスタシーを感じるほどのテンション。ただ速い演奏ではなく、鋭利な推進力に満ちたアクロバティックな演奏と言っていいでしょう。最後は突き抜けるように終わります。拍手は省略されています。演奏中に会場ノイズがありますので、ライヴ収録であることは間違いありません。
メロス四重奏団のシュベツィンゲン音楽祭でのハイドンのOp.76のNo.5の演奏、演奏によっては秩序と規律に満ちた曲が、まるでベートーヴェンのクァルテットのように強い響きと圧倒的なテンションで立ちはだかります。ハイドンによる音楽に間違いないのですが、ハイドンの弦楽四重奏曲の演奏としてはかなり特殊なものでしょう。この曲に続いて現代音楽の作曲家ウォルフガング・フォルトナーの曲が置かれていますが、こちらも見事な演奏。演奏スタイルとテンションは一貫したものです。このライヴ、良くも悪くもメロス四重奏団のこうしたテンションがポイントです。ハイドンのクァルテットの演奏として聴くというより、メロスの濃い音楽としてどうかということがポイントとなるでしょう。評価は、ライヴ好きな私としてはこのテンションの突抜け具合を評価して、[+++++]とします。

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メロス四重奏団(Melos Quartett)の演奏でハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.5、ウォルフガング・フォルトナーの弦楽四重奏曲、ラヴェルの弦楽四重奏曲ヘ長調の3曲を収めたアルバム。収録は1979年5月9日、シュベツィンゲン音楽祭でのライヴ。会場はドイツ、ハイデルベルクの西隣のシュベツィンゲンにあるシュベツィンゲン宮殿。レーベルは独hänssler CLASSIC。
メロス四重奏団のハイドンは以前に一度取りあげています。
2010/12/01 : ハイドン–弦楽四重奏曲 : メロス四重奏団の「皇帝」、「日の出」、「鳥」
いつものようにWikipedia等から演奏者の情報を紹介しておきましょう。
メロス四重奏団は、1965年にヴュルテンベルク室内管弦楽団とシュトゥットガルト室内管弦楽団の首席奏者らによって結成されたドイツの弦楽四重奏団。結成間もない1966年に、ジュネーヴ国際音楽コンクールで最高賞を受賞して世界的に有名になりました。得意とするのはベートーヴェン、シューマン、ブラームス等のドイツものということです。ただし、惜しいことに設立以来30年を経過して、第1ヴァイオリンのヴィルヘルム・メルヒャーが亡くなった事にともない2005年に解散したとのことです。以前も触れましたがメンバーは以下のとおり。
第1ヴァイオリン:ヴィルヘルム・メルヒャー(Wilhelm Melcher)
第2ヴァイオリン:ゲルハルト・フォス(Gerhard Voss)※1993年以降 イーダ・ビーラー(Ida Bieler)
ヴィオラ:ヘルマン・フォス(Hermann Voss)
チェロ:ペーター・ブック(Peter Buck)
なお、「メロス」の名称の由来は、第1ヴァイオリンのメルヒャーのMelと第2ヴァイオリンとヴィオラのフォス兄弟兄弟のosを組み合わせ、ラテン語で「歌」「音楽」「旋律」を意味する言葉にかけたものとのことです。
以前に取りあげたアルバムもおそらく1970年代の録音であり、このアルバムの演奏も70年代ということで、設立後最も油の乗った時期のライヴということで期待の一枚。ジャケット写真からも音楽が沸き上がってくるセンスのいいもの。
Hob.III:79 / String Quartet Op.76 No.5 [D] (1797)
直接音重視で、比較的デッドながら図太い音のする独特の録音。古典の規律ではなく、明らかにロマン派の音楽を奏でるような自在な演奏。テンポをかなり揺らしながら聴き慣れたハイドンのこの曲のメロディーに自在な流れによる起伏をつけて、いきなり弓をきりきりフルに使ったタイトな演奏。まるでベートーヴェンかヤナーチェクの曲の演奏のように攻めていきます。1楽章からテンションは最高。ベートーヴェンの曲への橋渡しをかなり意識した演奏なのでしょうか。ただ、この張りつめながらも音楽のテンションを楽しもうというところが残っていて、それがハイドンらしくもあります。
2楽章のラルゴもいきなり引きずるようにテンションがかかったヴァイオリンの力強い演奏に耳を奪われます。この濃い音楽もハイドンの一面ということでしょう。各楽器がかなり良く歌うためクァルテットとしても歌に満ちた演奏となり、かなり情感が乗ってきます。弦楽器の持つ起伏をフルに表現したようなクッキリしたフレージング。チェロまで雄弁にメロディーを奏でていきます。磨き抜かれた実に劇的なラルゴ。それぞれの楽器が良く鳴って、恍惚感すら感じさせる程。
3楽章のメヌエットは、前楽章からの劇的な演奏に加えて刺さるような鋭さもある演奏。チェロ主導のさざめくような中間部を挟んで両端の雄弁なメロディーが聴き所。
そしてフィナーレはさらに鋭さを増して、超ハイテンションの演奏。ヴァイオリンのメルヒャーが軽々とかつ非常に鋭利にメロディーラインを演奏していき、他の奏者も完全に追随して、エクスタシーを感じるほどのテンション。ただ速い演奏ではなく、鋭利な推進力に満ちたアクロバティックな演奏と言っていいでしょう。最後は突き抜けるように終わります。拍手は省略されています。演奏中に会場ノイズがありますので、ライヴ収録であることは間違いありません。
メロス四重奏団のシュベツィンゲン音楽祭でのハイドンのOp.76のNo.5の演奏、演奏によっては秩序と規律に満ちた曲が、まるでベートーヴェンのクァルテットのように強い響きと圧倒的なテンションで立ちはだかります。ハイドンによる音楽に間違いないのですが、ハイドンの弦楽四重奏曲の演奏としてはかなり特殊なものでしょう。この曲に続いて現代音楽の作曲家ウォルフガング・フォルトナーの曲が置かれていますが、こちらも見事な演奏。演奏スタイルとテンションは一貫したものです。このライヴ、良くも悪くもメロス四重奏団のこうしたテンションがポイントです。ハイドンのクァルテットの演奏として聴くというより、メロスの濃い音楽としてどうかということがポイントとなるでしょう。評価は、ライヴ好きな私としてはこのテンションの突抜け具合を評価して、[+++++]とします。
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