作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ハイドン第2のホルン協奏曲?

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先日手に入れた盤のなかに怪しげな妖気の漂う盤がありました。

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TELDECのブルーのラインに真っ赤なバック。そこにホルンをもって微笑む奏者。
もちろん、この妖気に反応しないわけにはいきません。
これはデール・クレヴェンジャーという人がホルンを吹いた、ハイドンのホルン協奏曲集。伴奏はヤーノシュ・ローラ指揮のフランツ・リスト・室内管弦楽団。

廉価盤に姿をかえて現役盤もありますのでリンクを張っておきますが、残念ながら妖気が消えてしまってます。

HMV ONLINEicon

曲目は次のとおり。
ヨゼフ・ハイドン ホルン協奏曲 VII:d3(いわゆるハイドンのホルン協奏曲)
ヨゼフ・ハイドン ホルン協奏曲 VII:d4(真作性未確定)
ミヒャエル・ハイドン ホルン協奏曲

ポイントは、2曲目の真作性未確定のホルン協奏曲。大宮真琴氏の音楽の友社「ハイドン新版」によれば、ハイドンの作というには疑問も多く、ミヒャエル・ハイドンの作品との共通性から彼の作とも推測できるとしています。

演奏は、現代楽器のホルンによるオーソドックスな演奏。1曲目のハイドンの協奏曲はおなじみのメロディですが、ホルンの音程、メロディの正確さが際立つ律儀な演奏。そして肝心の2曲目は、やはり曲の構成感が弱く、ハイドンの作と断じるのは抵抗があります。ハイドンの特徴である終楽章の見事な展開がなく、単調な構成に感じます。

ただし、これで終わりではありません。ビックリしたのは3曲目のミヒャエル・ハイドン作のホルン協奏曲が、意外に良くで出来ていること。1楽章の朗々としたホルンの使い方が見事、そしてホルンの存在感あるソロも見事。2楽章がアダージョではくアレグロコントロッポで、こちらもホルンが大活躍。ホルンの暖かい音色と人の声のような息づかいを存分に楽しめます。そして3楽章はチェンバロとホルンの掛け合いがなかなか。
そう、この盤の魅力は、ハイドンの真作性未確定曲を聴けるという点以上に、ミヒャエル・ハイドンのホルン協奏曲にあるのです。
この曲によって、2曲目の存在が一層謎めいてきたのは言うまでもありません。今となっては、真実を突き止めるのは容易ではありませんね。

ホルン奏者のクレヴェンジャーは、ライナーノーツによると、1966年以降、ストコフスキーの指揮するシカゴ交響楽団の主席ホルン奏者で、テネシー州のチャタヌーガ生まれとのこと。全盛期のシカゴ響のブラスセクションを支えた要人ということですね。どうりで正確なテクニックなわけです。シカゴ響といえばショルティやアバドの多くの録音によってその金管セクションの優秀さが知られる有名なオケ。今でこそ録音はオケ独自レーベルの録音がポチポチ出る程度となってしまいましたが、往年の名オケの名声は変わりませんね。

ということで、たまにはハイドンの珍盤もという主旨でした(笑)
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