作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

カンブルラン/読響の第九(サントリーホール)

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今日はあらかじめチケットをとってあった読響のコンサートに行ってきました。

読売日本交響楽団:カンブルランの「第九」特別演奏会

なぜか最近、世の中のトレンドに乗って、年末は第九を聴いています。しかも昨年はN響を2回。

2011/12/27 : コンサートレポート : スクロヴァチェフスキ/N響の第九(サントリーホール)
2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九

ホグウッドの第九は古楽器演奏のパイオニアとしてのイメージよりも諧謔性を帯びた新古典主義的演奏、そしてスクロヴァチェフスキの第九は部分的にはブルックナーを思わせる壮大な伽藍のようなところもあるものの引き締まったタイトな魅力も併せ持つすばらしい演奏で、両者ともにかなりインパクトのある演奏でした。今年も第九を聴きたくてチケットをとったというより、カンブルランの第九の公演情報をみつけて、いつもカンブルランが聴かせるフランスのエスプリのきいた色彩感豊かなオーケストレイションで聴く第九はどのようなものかとちょっと興味が湧いてきたのでチケットをとってみたというのが正直なところ。

当ブログの読者の方ならご存知でしょうが、カンブルラン/読響のコンサートには結構出かけています。

2012/04/16 : コンサートレポート : カンブルラン/読響の牧神の午後、ペトルーシュカ
2010/11/22 : コンサートレポート : カンブルラン/読売日響の朝、昼、晩
2010/07/14 : コンサートレポート : カンブルランのデュティユー
2010/05/01 : コンサートレポート : カンブルランのハルサイ爆演

スクロヴァチェフスキは別格としても、カンブルランのコンサートはこれまで、どれも期待を裏切らない素晴らしい充実ぶりで、毎回楽しめます。



今日は山ほど抱えた仕事があるにもかかわらず、定時で仕事を切り上げて、サントリーホールに向かいます。ストレス発散も重要ですから(笑)

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いつも通り開場直後にはホールに到着します。ホールの前の広場はクリスマスのイルミネーションで華やか。
いつも通りロビーでワインでも飲んでといきたいところですが、先日の観劇の際、ワインが効いてすっかり眠りこけてしまったのを思い出し、今日はぐっと我慢です(笑)

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今日の席は、オケのちょうど裏側。指揮者の表情がよく見える席です。テレビカメラが数台入っていたので、後日放送があるかもしれませんね。

プログラムは第九1曲のみ。合唱は新国立劇場合唱団。ソロはオール日本人。

ソプラノ:木下美穂子
メゾ・ソプラノ:林美智子
テノール:小原啓楼
バリトン:与那城敬

定刻になり、合唱団から入場してきますが、ステージ上だけでおさまります。サントリーホールでは合唱団がステージ後ろの客席にまで入る事も多いので意外とコンパクトな人数です。客席も9割5分とほぼ満員の入り。ソロの4人は最初から合唱団とオケの間に座りました。

1楽章はオケもちょっと緊張気味で、カンブルランの指示によるものでしょう、ヴァイオリンが押さえながらもインテンポでアクセントをつけながらメロディーを刻んでいきます。ヴィブラートは抑え気味で、テンポは速め。カンブルランらしくそこここに変化を付けてオケの色彩感を感じさせながら、ベートーヴェンの重厚な曲から重厚さを抑えて畳み掛けるように進みます。1楽章中盤にきて、オケがようやくフルスロットルになり、オケが炸裂し、ホール中に轟音が響き渡ります。いつものカンブルランの充実の響き。音楽の構造は前記事で取りあげたミヒャエル・ギーレンと似たものを感じますが、カンブルランの方がフランス人らしい華やかさを感じます。それもそのはず、カンブルランはギーレンが首席指揮者を務めていたバーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団のギーレンの後任の首席指揮者です。中盤以降はオケも落ち着き、カンブルランの指示に鮮やかに反応します。
2楽章は読響のティンパニ岡田さんの独壇場。独特のちょっと溜めのあるリズムでティンパニを打ち鳴らしまくります。冒頭から最後まで、速めのテンポでグイグイ攻め込みます。オケもティンパニも引き締まりまくって非常にタイトな演奏。素晴らしく充実したスケルツォでした。一度でいいので冒頭のティンパニの一撃を打ってみたいものです。
予想通りアダージョも速めで練る事はなく、全体の構造をクリアに表現することを狙っているよう。若干木管、金管の演奏に単調さが垣間見える瞬間もありましたが、まとまりは悪くありません。弦楽器はさざ波のような緻密な細かい波紋を美しく描くようでもあり、テンポの速さにも関わらず豊かな音楽を引き出していました。
そして、やはり終楽章は圧巻の出来でした。バリトンの与那城さんは日本人離れした声量と存在感。コーラスも非常にタイトな響きを聴かせ万全。なによりオケがキレキレ。普通はテンポを落としたり休符を長めにとるようなところも、あえて速めにつないで曲の一体感ある響きに拘ったカンブルランのコントロールによって、長大な終楽章がコラールのような重厚かつめくるめくような響きの波と鳴って次々に迫ってきます。ドイツ的重厚さとはかなり異なる夢見るような陶酔感すら感じる盛り上がり。もちろんカンブルラン流のフレージングでオーケストラの響きには色彩感が鮮やかに浮かび上がり、何より素晴らしいのが怒濤のエネルギー感。終楽章が進むにつれて音量は徐々に上がり、最後に至ってはホールを吹き飛ばさんばかりに炸裂。やはりオーケストラ曲としての迫力も素晴らしいものでした。もちろん観客からは割れんばかりの拍手が降り注ぎました。

同じ第九ながら聴かせどころはホグウッドともスクロヴァチェフスキとも全く異なり、期待したカンブルランらしい現代的でスタイリッシュかつ華やかな第九でした。やはり生はいいですね。



今日は第九1曲なので比較的早くホールから出たため、食事にはいろいろ選択肢がありました。ただ、良く寄るアークヒルズ内のオーバッカナルは満席で、なかなか料理が出てきそうにもないので、やむなく同じくアークヒルズ内のとんかつ和幸に入りました。

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まずは生で乾いた喉を潤します。

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そして私はおろしヒレカツ御前。嫁さんはカキフライ盛り合わせ。ステーキもとんかつもあまり食べませんが、食べる時は大根おろしと醤油のことが多いです(もう年ですから、、、)

程なく満腹となって、家路につきました。

東京は外はかなり冷え込むようになりましたが、電車の中が暑い! 暑い電車と寒い外気に繰り返し当たるのは体に良くなさそうですね。来週は仕事納めになりますが、無事納められるよう、風邪をひかないようにしなくてはなりませんね。

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