ウィレム・ファン・オッテルロー/ハーグフィルのオックスフォード
東京も紅葉が終盤にさしかかりました。新宿中央公園の銀杏の黄色が青空に映えます。今日は晩秋の紅葉のような燻し銀の演奏。

ウィレム・ファン・オッテルロー(Willem van Otterloo)指揮のハーグ・フィルハーモニー管弦楽団(The Residency-Orchestra(The Hague)の演奏で、ハイドンの交響曲92番「オックスフォード」とグリークの「ペール・ギュント」第2組曲、第1組曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1950年12月28日、29日、アムステルダム・コンセルトヘボウでのセッション録音。レーベルは今は亡きPHILIPSの国内盤。
ウィレム・ファン・オッテルローは1907年、オランダのドイツ国境沿いの街、ウィンタースウェイク生まれの指揮者、チェリスト、作曲家。当初はユトレヒト大学で薬学を学んでいましたが、アムステルダム音楽院でチェロと作曲を学ぶことに転向しました。ユトレヒト市立管弦楽団のチェリストとして活動している間に、アムステルダム・コンセルトヘボウの作曲コンクールに組曲3番が入賞。1932年、その曲を演奏する指揮者としてコンセルトヘボウにデビューしました。その後ユトレヒト市立管弦楽団の指揮者を経て、1949年から1973年まで、このアルバムの演奏を担当するハーグ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者のポストにありました。また、オーストラリアとも縁があり1967年から70年までメルボルン交響楽団、1971年から78年までシドニー交響楽団の首席指揮者を務めました。亡くなったのは1978年になります。
オッテルローの名前は知っていたものの、その演奏を聴くのははじめてのこと。このアルバムは「PHILIPS秘蔵名盤」と題されたシリーズで、ディスクユニオンのハイドンの交響曲の棚に静かに鎮座していたものを発見して手に入れたもの。PHILIPSレーベルは1950年に発足したとの事で、この録音はまさにPHILIPSレーベル草創期の録音という事になります。レーベル草創期の息吹が感じられるアルバムです。
Hob.I:92 / Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
録音はもちろんモノラル。もちろん年代なりの録音ですが、音に瑞々しさがあって悪くありません。ゆったりしながらも凛とした風情の序奏につづき、キレのいいオケが主題をザクザク刻んでいきます。音を切り刻みながら猛烈な推進力で突進していく感じ。この時代の演奏は引き締まったタイトな響きを軸にした演奏は少なくありませんが、推進力とバランスはなかなかのもの。オケもびしっと引き締まってたいとなオケの魅力を発散。古き良き時代の演奏という意味だけではなく、現代でも通じるタイトな魅力を発散しています。
素晴らしいのが続くアダージョ・カンタービレ。さっぱりしているのに深い情感をたたえた演奏。フレーズ一つ一つは特に練っているわけではなく、意外とさっぱりしているのに曲として聴くとじつに慈しみ深い演奏。オッテルローの音楽の芯を見た気がします。中間部の踏み込みはやはりタイトさが印象的。ぐさっとくる太い鉈のような力強さ。録音には厚みも実体感もあり、かなりのリアリティ。木管楽器の美しい響きも含めて、流石PHILIPSというところ。
メヌエットはビックリするほどの力強さ。非常に素直な演奏ですが、漲る力感で圧倒される感じ。いい演奏の特徴でもある弱音部の自然で表情豊かな表現も感じられ、それだけに強音がカッチリ浮かび上がります。オッテルローが指揮棒を振りかぶっておろす姿見えるような溜め。
フィナーレはヴァイオリンの音の粗さはあるものの、推進力で押し切ってしまいます。推進力はまったく衰えず、どんどん加速していきそうなエネルギーを感じさせます。各楽器のリズムにズレがあるような箇所もありますが、素晴らしい推進力でかき消されてしまうようです。豪腕正統派ピッチャーのような力でグイグイ推していく演奏と聴き受けました。
ウィレム・ファン・オッテルローの指揮するハーグ・フィルハーモニー管弦楽団による「オックスフォード」ですが、想像していたよりもタイトで力強い演奏でした。1950年という録音年代が信じられないような迫力ある音響。ヒストリカルなアルバムなんですが懐古的な耳で聴くのは間違い。現代にも通じる実にダイナミックな正統派の演奏。背筋のピンとはった老紳士のような清潔感と正義感のようなものを感じます。これはこれで一本筋がとおってます。評価は[++++]とします。
今日は、下取りキャンペーンが今月末までというかけ声に乗って、iPhoneを4Sから5に機種変更してきました。LTEは速いので利便性は上がりましたが、デザインとプロダクトの完成度という点では4Sに軍配でしょうか。物としての存在感は少し軽くなった感じです。下取りということで手元の4Sを返却しなくてはなりませんね。ジョブスの息のかかった最後のプロダクツだけに手元に残しておきたい気持ちもちょっとあります。

ウィレム・ファン・オッテルロー(Willem van Otterloo)指揮のハーグ・フィルハーモニー管弦楽団(The Residency-Orchestra(The Hague)の演奏で、ハイドンの交響曲92番「オックスフォード」とグリークの「ペール・ギュント」第2組曲、第1組曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1950年12月28日、29日、アムステルダム・コンセルトヘボウでのセッション録音。レーベルは今は亡きPHILIPSの国内盤。
ウィレム・ファン・オッテルローは1907年、オランダのドイツ国境沿いの街、ウィンタースウェイク生まれの指揮者、チェリスト、作曲家。当初はユトレヒト大学で薬学を学んでいましたが、アムステルダム音楽院でチェロと作曲を学ぶことに転向しました。ユトレヒト市立管弦楽団のチェリストとして活動している間に、アムステルダム・コンセルトヘボウの作曲コンクールに組曲3番が入賞。1932年、その曲を演奏する指揮者としてコンセルトヘボウにデビューしました。その後ユトレヒト市立管弦楽団の指揮者を経て、1949年から1973年まで、このアルバムの演奏を担当するハーグ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者のポストにありました。また、オーストラリアとも縁があり1967年から70年までメルボルン交響楽団、1971年から78年までシドニー交響楽団の首席指揮者を務めました。亡くなったのは1978年になります。
オッテルローの名前は知っていたものの、その演奏を聴くのははじめてのこと。このアルバムは「PHILIPS秘蔵名盤」と題されたシリーズで、ディスクユニオンのハイドンの交響曲の棚に静かに鎮座していたものを発見して手に入れたもの。PHILIPSレーベルは1950年に発足したとの事で、この録音はまさにPHILIPSレーベル草創期の録音という事になります。レーベル草創期の息吹が感じられるアルバムです。
Hob.I:92 / Symphony No.92 "Oxford" 「オックスフォード」 [G] (1789)
録音はもちろんモノラル。もちろん年代なりの録音ですが、音に瑞々しさがあって悪くありません。ゆったりしながらも凛とした風情の序奏につづき、キレのいいオケが主題をザクザク刻んでいきます。音を切り刻みながら猛烈な推進力で突進していく感じ。この時代の演奏は引き締まったタイトな響きを軸にした演奏は少なくありませんが、推進力とバランスはなかなかのもの。オケもびしっと引き締まってたいとなオケの魅力を発散。古き良き時代の演奏という意味だけではなく、現代でも通じるタイトな魅力を発散しています。
素晴らしいのが続くアダージョ・カンタービレ。さっぱりしているのに深い情感をたたえた演奏。フレーズ一つ一つは特に練っているわけではなく、意外とさっぱりしているのに曲として聴くとじつに慈しみ深い演奏。オッテルローの音楽の芯を見た気がします。中間部の踏み込みはやはりタイトさが印象的。ぐさっとくる太い鉈のような力強さ。録音には厚みも実体感もあり、かなりのリアリティ。木管楽器の美しい響きも含めて、流石PHILIPSというところ。
メヌエットはビックリするほどの力強さ。非常に素直な演奏ですが、漲る力感で圧倒される感じ。いい演奏の特徴でもある弱音部の自然で表情豊かな表現も感じられ、それだけに強音がカッチリ浮かび上がります。オッテルローが指揮棒を振りかぶっておろす姿見えるような溜め。
フィナーレはヴァイオリンの音の粗さはあるものの、推進力で押し切ってしまいます。推進力はまったく衰えず、どんどん加速していきそうなエネルギーを感じさせます。各楽器のリズムにズレがあるような箇所もありますが、素晴らしい推進力でかき消されてしまうようです。豪腕正統派ピッチャーのような力でグイグイ推していく演奏と聴き受けました。
ウィレム・ファン・オッテルローの指揮するハーグ・フィルハーモニー管弦楽団による「オックスフォード」ですが、想像していたよりもタイトで力強い演奏でした。1950年という録音年代が信じられないような迫力ある音響。ヒストリカルなアルバムなんですが懐古的な耳で聴くのは間違い。現代にも通じる実にダイナミックな正統派の演奏。背筋のピンとはった老紳士のような清潔感と正義感のようなものを感じます。これはこれで一本筋がとおってます。評価は[++++]とします。
今日は、下取りキャンペーンが今月末までというかけ声に乗って、iPhoneを4Sから5に機種変更してきました。LTEは速いので利便性は上がりましたが、デザインとプロダクトの完成度という点では4Sに軍配でしょうか。物としての存在感は少し軽くなった感じです。下取りということで手元の4Sを返却しなくてはなりませんね。ジョブスの息のかかった最後のプロダクツだけに手元に残しておきたい気持ちもちょっとあります。
- 関連記事
-
-
ベルンハルト・クレー/プラハ室内管の哲学者
2012/12/23
-
ミヒャエル・ギーレン/バーデンバーデン・フライブルクSWR交響楽団の太鼓連打
2012/12/19
-
デュトワ/モントリオール・シンフォニエッタの87番
2012/12/17
-
クルト・マズア/イスラエル・フィルの88番ライヴ
2012/12/16
-
ウィレム・ファン・オッテルロー/ハーグフィルのオックスフォード
2012/11/29
-
【新着】トーマス・ファイ/ハイデルベルク交響楽団の交響曲1番他、爆速!
2012/11/20
-
【新着】クイケン/ラ・プティット・バンドの「朝」、「昼」、「晩」
2012/11/18
-
クルト・ザンデルリンク/ベルリン交響楽団の王妃、86番
2012/11/13
-
ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管の「悲しみ」
2012/10/26
-