作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管の「悲しみ」

0
0
今日はマリナーの交響曲集から。

Marriiner29.jpg
amazon

サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)指揮のアカデミー室内管(Academy of St Martin in the Fields)によるハイドンの名前つき交響曲集。今日はその中からマリナーの名演が聴けるCD3の「悲しみ」を取りあげます。収録は1975年10月で収録場所は明記されていません。レーベルはもちろんPHILIPSです。

ネヴィル・マリナーのハイドンはいろいろ取りあげていますが、交響曲はまだ多くありません。

2011/08/21 : ハイドン–交響曲 : マリナー/アカデミー室内管の86番
2011/08/10 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番1】マリナー/ドレスデン・シュターツカペレのネルソンミサ
2011/04/24 : ハイドン–協奏曲 : バリー・タックウェル/マリナーのホルン協奏曲
2011/03/03 : ハイドン–協奏曲 : ハーデンベルガー、マリナー/ASMFのトランペット協奏曲
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造-2
2011/02/27 : ハイドン–オラトリオ : フィッシャー=ディースカウフル登場、マリナー/ASMFの天地創造
2010/12/06 : ハイドン–声楽曲 : マリナー/ドレスデン・シュターツカペレの戦時のミサ
2010/10/14 : ハイドン以外のレビュー : ホリガーのモーツァルトのオーボエ協奏曲
2010/10/03 : ハイドン–協奏曲 : リン・ハレルのチェロ協奏曲集

マリナーの交響曲はこの8月にパリ・セットを収めた2枚組から86番を取りあげたのみ。86番は速めのテンポによるタイトな名演でした。今日取り上げる名前つき交響曲集の中で、26番ラメンタチオーネと47番の2曲だけがマリナーの演奏ではなくレイモン・レッパード(Laymond Leppard)指揮のイギリス室内管弦楽団(English Chamber Orchestra)の演奏で、この穴埋め的存在のレイモン・レッパードの演奏は以前にレビューしています。この交響曲集から1曲選べと言えば、やはり「悲しみ」でしょう。

Hob.I:44 / Symphony No.44 "Trauer" 「悲しみ」 [e] (before 1772)
冒頭から素晴らしい覇気が伝わります。劇的なまでの立体感とエネルギーに満ちた推進力。1楽章のヴァイオリンによる音階はキレキレ。素晴らしいテンション。そしてこれぞPHILIPSという実体感、定位感がキリッと決まりながらも美しい残響にうっとり。PHILIPS録音の頂点といってもいい素晴らしい響き。そこここに次のフレーズへの橋渡しとなるアクセントが効果的に置かれ、力感、立体感は驚くほど。マリナーの悲しみ、これほど素晴らしいものとは思いませんでした。まさに手に汗握る圧倒的な迫力。1楽章から腰がくだけそう。
2楽章のメヌエットはまさにシュトルム・ウント・ドラング期特有の憂いをたたえた曲。そそり立つような素晴らしい立体感。彫り込みも深く劇的でもありますが、古典の均衡は保っているところがマリナーならではのバランスでしょう。
そして弱音器つきのヴァイオリンによって奏でられるアダージョも表情の豊かさが印象的。弱音器つきとは思えない分厚い響き。糸を引くようにメロディーを描いてきます。波の高さも十分で素晴らしい迫力。何と美しい音楽でしょう。
フィナーレはオケの各パートのせめぎ合いのような掛け合いが見事。特に弦楽器が拍子をかなり速めに打って畳み掛けるように掛け合うようすは見事の一言。

ネヴィル・マリナーの名前つき交響曲集から1曲選んだ「悲しみ」は予想を遥かに上回る素晴らしい演奏でした。マリナーのハイドンはドレスデン・シュターツカペレとのミサ曲など素晴らしい演奏も多いんですが、この『悲しみ」は交響曲の中ででもマリナーのハイドンの交響曲を代表する名演奏と言っていいでしょう。演奏、録音、企画と3拍子そろった素晴らしいもの。オススメです。評価はもちろん[+++++]とします。

にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
関連記事

0 Comments

There are no comments yet.