作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

古雅な魅力、クリスティの天地創造

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引き続き、古楽器の天地創造。マクリーシュにつづき、大御所ウィリアム・クリスティとレザール・フローリアン盤です。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

こちらは2007年7月、パリの教会での録音。ライヴではありません。
歌手は、次のとおり。

ガブリエル:キューマイヤー
ウリエル:スペンス
ラファエル:ヘンシェル
エバ:カルトホイザー
アダム:ウェルバ

マクリーシュとは異なり、古楽器の雅な音色とノンヴィブラートの歌唱を特徴とした古楽器のオーソドックスなスタイル。クリスティと聴けばだいたい想像はできたんですが、この安心感は得難いものですね。
楽器と合唱の余韻が教会に響くのを楽しむかのように、美しい響きが特徴の演奏。音量を抑えたところも、抑制ではなく小さな音量の響きを楽しむかのような余裕があります。テンポは早くもなく、遅くもなく、変化の幅も適度な範囲。ちょっとテンポを落とすところにゆったりとしたタメがあって、非常にいいです。とくにアリアの伴奏の何でもない部分の美しさが際立ちます。歌ものを楽しむ勘所が押さえられてますね。

特に美しいのがコーラス。透明感あふれるハーモニー。
ソロは総じて非常にいいです。ラファエルのヘンシェルは若々しいながら安定感があっていいです。声質がフィッシャー・ディースカウに似ていてなかなかのものです。
それからキューマイヤーのガブリエル。トラック9のガブリエルのアリア、聞き惚れますね。いいです。
ウリエルのスペンスも良く通る声とやさしさを感じるレシタティーボの語り口。高音と低音の響きがすこし変わるのが特徴でしょうか。
エバのカルトホイザー、アダムのウェルバの掛け合いとなる第3部のデュエットの時の流れを惜しむような進行。天地創造の中でも特に好きな部分ですが、古楽器ながら最上のオペラの美しいアリアのようなすばらしい演奏です。CD2のトラック9、絶品です。

こうして見ると、基本的に歌とコーラスの扱いが非常に丁寧な演奏であることがわかります。
マクリーシュが曲のダイナミクスに焦点を合わせていたのとは方向性が異なりますね。非常にオーソドックスな古楽器の演奏ながら、オケ、歌手、コーラスのどれもすばらしく、何よりクリスティのいつもの肩に力の入らない、完璧なコントロールでまとめられた見事な演奏です。

古楽器の演奏で天地創造を楽しむには絶好の一枚ですね。皆さんにお勧めしたい名盤だと思います。

もちろん評価は最高評価です。

Christie, Gabriel:Kühmeier(sop), Eva:Karthäuser(sop), Uriel:Spence(ten), Raphael:Henschel(bas), Adam:Werba(bar), Les Arts Florissants a.i. (July 2007) Virgin CLASSICS 0946 3 95235 2 8 [+++++]
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