作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ホグウッド/AAMのアレルヤ、ホルン信号

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今日はついにホグクッド盤。しかも全集第一弾としてリリースされた第4巻からの2曲。

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クリストファー・ホグウッド(Christpher Hogwood)指揮のアカデミー室内管弦楽団(The Academy of Ancient Music)の演奏でハイドンの交響曲30番「アレルヤ」、31番「ホルン信号」の2曲。この2曲はホグウッドのハイドン交響曲全集の第4巻から。収録は1988年11月、1989年4月、ロンドンののウォルサムストウ・アッセンブリー・ホールでのセッション録音。レーベルはL'OISEAU-LYRE。

ホグウッドはこれまで何回か取りあげていますが、ハイドンの交響曲は1度だけ取りあげたのみです。

2011/11/03 : コンサートレポート : 【サントリーホール25周年記念】ホグウッド/N響の第九
2011/06/08 : ハイドン–交響曲 : ホグウッド/AAMの校長先生
2011/04/02 : ハイドン–声楽曲 : 【新着】ホグウッドの伴奏による歌曲集、室内楽
2010/09/21 : ハイドン–協奏曲 : ホグウッドのトランペット協奏曲
2010/09/15 : ハイドン–協奏曲 : コワン/ホグウッドのチェロ協奏曲

これまで書いた通り、ホグウッドのハイドンはどちらかというと協奏曲の伴奏のほうが気に入ってます。ホグウッドの交響曲の演奏は、どちらかというと均衡と洗練を旨としたもの。最近評判のいいトーマス・フェイやマルク・ミンコフスキなどのダイナミックな演奏と比べるとスタティックなものですが、ハイドンの機知の表現としてはなかなか趣深いものです。今日取りあげる2曲はハイドンの交響曲でも、古楽器の音色の魅力を十分に表したもの。久しぶりに聴くホグウッドの交響曲はどう聴こえるでしょうか。

両曲ともハイドンがエステルハージ家の楽長ヴェルナーの死により楽長に昇進する前年の1765年の作曲。シュトルム・ウント・ドラング期前夜のハイドン充実の時代の曲です。

Hob.I:30 / Symphony No.30 "Alleluja" 「アレルヤ」 [C] (1765)
入りはホグウッドらしい非常に透明感高い洗練された響きと、キビキビとしたテンポが特徴。録音は引き締まった音像が素晴らしいタイトな響き。弦よりも木管の存在感を強めに録っています。きりりと引き締まった響きが痛快な演奏。
アンダンテはゆったりした楽章でも練らず、というホグウッドの特徴をはっきりと出してさっぱりと進めます。このさっぱり感がホグウッドの真骨頂でしょう。まさにアンダンテ。フルート・トラヴェルソの素朴な音色が沁みます。ヴァイオリン・パートが活き活きと弾み、フレーズの切れ目の間も絶妙。
リズムのキレの良さを保ちながら流れよくフィナーレに入ります。フィナーレは途中に短調の特徴的なメロディーがクザビのように入りますが、その部分のキレも絶妙。3楽章構成の短い曲ですが、鮮やかなリズム感と古楽器のタイトな響きで一気呵成に聴かせてしまいます。この曲はホグウッドのツボにはまってます。

Hob.I:31 / Symphony No.31 "Hornsignal" 「ホルン信号」 [D] (1765)
つづいて名曲ホルン信号。冒頭のホルンの炸裂、最高ですね。これほどの演奏だったとは記憶の中のホグウッドの演奏とは異なります。前曲同様、洗練された響きとキレのいいリズムが、まさに痛快。ホルンを中心に鋭いアクセントと弦楽器の流麗さが絶妙のコンビネーション。各メンバーのテクニックは素晴らしいものがあり、アンサンブルの精度は非常に高いです。なによりホルンが最高。ライナーノーツをみるとアンソニー・ホールステッドをはじめとする4人ですが、このホルンのテクニックはナチュラルホルンのしては超絶的なもの。完璧です。
アダージョはやはり、テンポ良く流麗に。穏やかな表情の曲を節度を保ちながら、古楽器のクッキリとした響きで淡々とこなしていきます。ここでもホルンのとろけるようなアンサンブルが最高。ヴァイオリンソロののびのびとした美しい音色も聴き所。ゆったりした楽章はテンポが重くなりがちですが、ホグウッドのコントロールはリズムの重さとは対極にあるようなキリッとしたキレのいいもの。後半ホルンのアンサンブル音程が少し不安定になる瞬間がありますが、ホルンの難しさにふと気づかされるような感じ。
メヌエットは最もホグウッドの良さが出た楽章でしょう。まさに自然な感興。ハイドンの書いた構成感溢れる曲を切れ味良く、しかも自然で、そして古楽器の絶妙の響きでまとまりよく聴かせる秀逸なコントロール。
フィナーレは、これまでの曲を振り返るようなフレーズをさっぱりしているのに、ちょっと深い印象を与えるように奏でていきます。ユーモラスでかつ素朴で美しいメロディーを弦楽器から、フルート、ホルン、ヴァイオリン、コントラバスなどに次々とつないでいきます。このあたりの折目正しいコントロールがホグウッドの魅力でしょう。最後はホルンの号砲で曲を閉じます。

久しぶりに取り出した、ホグウッドの美しい装丁の全集ボックス。記憶の中のイメージはもう少しスタティックなものでしたが、あらためて聴いた印象は記憶の中の印象がいい意味で裏切られました。特にアレルヤの方はホグウッドの美点が理想的に出た秀演。古楽器の美しい響きとキレが絶妙。ホルン信号の方もその勢いを汲んでなかなかの秀演。ということで評価はアレルヤが[+++++]、ホルン信号は[++++]とします。

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今日は久々に、LPを取り出してのんびり聴きました。アルバムはラヴィ・シャンカールのシタール協奏曲。やはりLP独特のダイレクトなサウンドと深い奥行きは絶妙。CDでは出せない音ですね。

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