【新着】グリュミオー三重奏団のピアノソナタ編曲集
今日は珍盤。久しぶりに府中の山野楽器の店頭で手に入れた国内盤。アルテュール・グリュミオーの芸術と題されたシリーズの第2巻。最近最発売されたシリーズです。

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グリュミオー三重奏団(Grumiaux Trio)の演奏でハイドンのピアノソナタ3曲(Hob.XVI:40、XVI:41、XVI:42)をフランツ・アントン・ホフマイスター(Franz Anton Hoffmeister)が弦楽三重奏のために編曲したとされる曲とベートーヴェンの弦楽三重奏曲1番Op.3の4曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1969年2月、収録場所は記載がありません。レーベルはDECCAマークの国内盤。グリュミオーということで旧PHILIPS盤ではないでしょうか。
アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux)は良くご存知でしょう。以前にヴァイオリン協奏曲の記事で取りあげています。
2011/02/20 : ハイドン–協奏曲 : アルテュール・グリュミオーのヴァイオリン協奏曲
演奏者の情報はリンク先をご覧ください。もちろん、私の刷り込みは先の記事でもふれているようにハスキルとのモーツァルトのヴァイオリンソナタ集。グリュミオーのヴァイオリンの図太い美音とこちらも灰汁の抜けきったハスキルのピアノはもはや神憑ったような緻密さで、モーツァルトの素晴らしいメロディーを演奏していきます。図太い美音はグリュミオーならではの圧倒的な存在感を残しました。
今日取り上げるピアノソナタ3曲はもともと1783年頃の作曲で翌1784年にマリー・エステルハージ公爵夫人に献呈され出版されたもの。これが1788年に出版を盛んにしていたホフマイスターからヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏として出版されたもの。編曲はホフマイスターとする説もあるが、よくわからないとのこと。3曲ともピアノソナタとしては良く聴くものですが、この弦楽三重奏曲版もなかなか侮れない出来。まるで最初から弦楽三重奏曲のために書かれたような素晴らしい演奏です。
グリュミオー三重奏団のメンバーは以下のとおり。
ヴァイオリン:アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux)
ヴィオラ:ジョルジュ・ヤンツェル(Georges Janzer)
チェロ:エヴァ・ツァコ(Eva Czako)
Hob.XVI:40 / Piano Sonata No.54 [G] (c.1783)
驚くのが録音の鮮明さ。1969年の録音としては素晴らしいもの。グリュミオーの美音がいきなり炸裂です。張りのある素晴らしいヴァイオリンの音色に圧倒されます。明るく少し郷愁を感じさせる聴き慣れたピアノソナタのメロディーが、素晴らしいテンションで弾かれます。リズムとかキレとかではなく、耳に飛び込んでくる素晴らしい緊張感。ヴィオラとチェロはあまりのヴァイオリンのテンションにやはり伴奏に回らざるを得ないでしょう。耳を突き抜けて心に刺さる音楽。小細工のない正面突破の演奏の迫力は素晴らしいものがあります。3人のアンサンブルは完璧。今日取り上げる3曲はすべて速いテンポの2楽章構成。2楽章は鮮明かつ素晴らしいキレの演奏。速めのテンポですが、その彫りの深さは切れ味の良い斧でザクザク丸太を刻むような趣。ただ切れ味鋭いだけではありません。ちょっとツボにはまりました。1曲目からもの凄い迫力に圧倒されっぱなし。
Hob.XVI:41 / Piano Sonata No.55 [B] (c.1783)
2曲目もテンションは衰えず、蒸気機関車が爆音を轟かせて走り去るところを眼前に観るよう。目の前で本当にヴァイオリンを弾いているようなリアリティ。これほどの強く美しい音色のヴァイオリンは知りません。全音域ハイテンション。うっすらと自動車の走るような暗騒音が聴こえるのが、不気味な迫力を増しています。この曲は曲想が穏やかで、休符を長めにとった印象的な演奏なんですが、それでもヴァイオリンの圧倒的な存在感は微塵もゆらがないのが凄いところ。アンプのヴォリュームを少し揚げて、美爆音に身を委ねる快感。良く聴くとヴィオラとチェロも少しざらつくような迫力ある音色でグリュミオーと音色が良く合っています。2楽章に入って少し流すような雰囲気も加わりますが、手加減はなし。
Hob.XVI:42 / Piano Sonata No.56 [D] (c.1783)
原曲は非常に美しいメロディーで好きな曲。編曲ものにありがちな不自然さは一切なく、これが原曲といわれても疑問はまったくありません。ホフマイスターの編曲だとしたら、相当な腕前と言わざるを得ないでしょう。もちろんグリュミオーの美爆音による素晴らしい演奏が合ってそう聴こえているのだと思います。弦楽三重奏の演奏を聴きながら脳内でピアノの響きが鳴り響きます。脳の老化防止に絶妙な効果がありそう。この曲ではチェロのエヴァ・ツァコの素晴らしい音色も堪能できます。脇も手堅いですね。
2楽章の速いパッセージもドンピシャのリズムとアンサンブルで完璧な演奏。痺れます。弦楽器の浸透力にしびれる演奏。
グリュミオーの美音が聴けるだろうというような軽い期待で聴いたこのアルバムですが、あまりのテンションの高さと突き抜けるような迫力に圧倒されっぱなしでした。正直弦楽四重奏曲の最高の演奏よりも、弦楽器の音色の魅力がダイレクトに味わえる素晴らしい演奏。人類の至宝レベルの演奏です。ハイドンのオリジナルの作品ではない可能性が高いですが、編曲も見事故ハイドンの作品と同等以上に緊密かつ機知に富んだ曲と言える出来。通りがかりに手に取り偶然みつけたアルバムですが、この素晴らしさは圧倒的でした。評価はもちろん全曲[+++++]とします。

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グリュミオー三重奏団(Grumiaux Trio)の演奏でハイドンのピアノソナタ3曲(Hob.XVI:40、XVI:41、XVI:42)をフランツ・アントン・ホフマイスター(Franz Anton Hoffmeister)が弦楽三重奏のために編曲したとされる曲とベートーヴェンの弦楽三重奏曲1番Op.3の4曲を収めたアルバム。ハイドンの収録は1969年2月、収録場所は記載がありません。レーベルはDECCAマークの国内盤。グリュミオーということで旧PHILIPS盤ではないでしょうか。
アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux)は良くご存知でしょう。以前にヴァイオリン協奏曲の記事で取りあげています。
2011/02/20 : ハイドン–協奏曲 : アルテュール・グリュミオーのヴァイオリン協奏曲
演奏者の情報はリンク先をご覧ください。もちろん、私の刷り込みは先の記事でもふれているようにハスキルとのモーツァルトのヴァイオリンソナタ集。グリュミオーのヴァイオリンの図太い美音とこちらも灰汁の抜けきったハスキルのピアノはもはや神憑ったような緻密さで、モーツァルトの素晴らしいメロディーを演奏していきます。図太い美音はグリュミオーならではの圧倒的な存在感を残しました。
今日取り上げるピアノソナタ3曲はもともと1783年頃の作曲で翌1784年にマリー・エステルハージ公爵夫人に献呈され出版されたもの。これが1788年に出版を盛んにしていたホフマイスターからヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽三重奏として出版されたもの。編曲はホフマイスターとする説もあるが、よくわからないとのこと。3曲ともピアノソナタとしては良く聴くものですが、この弦楽三重奏曲版もなかなか侮れない出来。まるで最初から弦楽三重奏曲のために書かれたような素晴らしい演奏です。
グリュミオー三重奏団のメンバーは以下のとおり。
ヴァイオリン:アルテュール・グリュミオー(Arthur Grumiaux)
ヴィオラ:ジョルジュ・ヤンツェル(Georges Janzer)
チェロ:エヴァ・ツァコ(Eva Czako)
Hob.XVI:40 / Piano Sonata No.54 [G] (c.1783)
驚くのが録音の鮮明さ。1969年の録音としては素晴らしいもの。グリュミオーの美音がいきなり炸裂です。張りのある素晴らしいヴァイオリンの音色に圧倒されます。明るく少し郷愁を感じさせる聴き慣れたピアノソナタのメロディーが、素晴らしいテンションで弾かれます。リズムとかキレとかではなく、耳に飛び込んでくる素晴らしい緊張感。ヴィオラとチェロはあまりのヴァイオリンのテンションにやはり伴奏に回らざるを得ないでしょう。耳を突き抜けて心に刺さる音楽。小細工のない正面突破の演奏の迫力は素晴らしいものがあります。3人のアンサンブルは完璧。今日取り上げる3曲はすべて速いテンポの2楽章構成。2楽章は鮮明かつ素晴らしいキレの演奏。速めのテンポですが、その彫りの深さは切れ味の良い斧でザクザク丸太を刻むような趣。ただ切れ味鋭いだけではありません。ちょっとツボにはまりました。1曲目からもの凄い迫力に圧倒されっぱなし。
Hob.XVI:41 / Piano Sonata No.55 [B] (c.1783)
2曲目もテンションは衰えず、蒸気機関車が爆音を轟かせて走り去るところを眼前に観るよう。目の前で本当にヴァイオリンを弾いているようなリアリティ。これほどの強く美しい音色のヴァイオリンは知りません。全音域ハイテンション。うっすらと自動車の走るような暗騒音が聴こえるのが、不気味な迫力を増しています。この曲は曲想が穏やかで、休符を長めにとった印象的な演奏なんですが、それでもヴァイオリンの圧倒的な存在感は微塵もゆらがないのが凄いところ。アンプのヴォリュームを少し揚げて、美爆音に身を委ねる快感。良く聴くとヴィオラとチェロも少しざらつくような迫力ある音色でグリュミオーと音色が良く合っています。2楽章に入って少し流すような雰囲気も加わりますが、手加減はなし。
Hob.XVI:42 / Piano Sonata No.56 [D] (c.1783)
原曲は非常に美しいメロディーで好きな曲。編曲ものにありがちな不自然さは一切なく、これが原曲といわれても疑問はまったくありません。ホフマイスターの編曲だとしたら、相当な腕前と言わざるを得ないでしょう。もちろんグリュミオーの美爆音による素晴らしい演奏が合ってそう聴こえているのだと思います。弦楽三重奏の演奏を聴きながら脳内でピアノの響きが鳴り響きます。脳の老化防止に絶妙な効果がありそう。この曲ではチェロのエヴァ・ツァコの素晴らしい音色も堪能できます。脇も手堅いですね。
2楽章の速いパッセージもドンピシャのリズムとアンサンブルで完璧な演奏。痺れます。弦楽器の浸透力にしびれる演奏。
グリュミオーの美音が聴けるだろうというような軽い期待で聴いたこのアルバムですが、あまりのテンションの高さと突き抜けるような迫力に圧倒されっぱなしでした。正直弦楽四重奏曲の最高の演奏よりも、弦楽器の音色の魅力がダイレクトに味わえる素晴らしい演奏。人類の至宝レベルの演奏です。ハイドンのオリジナルの作品ではない可能性が高いですが、編曲も見事故ハイドンの作品と同等以上に緊密かつ機知に富んだ曲と言える出来。通りがかりに手に取り偶然みつけたアルバムですが、この素晴らしさは圧倒的でした。評価はもちろん全曲[+++++]とします。
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