作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クングスバッカピアノ三重奏団のXV:30(ハイドン)

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月曜火曜と飲み会続きで更新がままなりませんでした。今日はHMV ONLINEに注文していたもの。

KungsbackaPT30.jpg
HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

クングスバッカピアノ三重奏団(Kungsbacka Piano Trio)の演奏による、ハイドンのピアノ三重奏曲4曲(Hob.XV:30、XV:27、XV:28、XV:29)を収めたアルバム。収録は2008年10月6日から9日、イギリス、ロンドンの北東、音楽祭で有名なオールドバラ近くのウェストルトンにあるポットン・ホールでのセッション録音。レーベルはご覧のようにNAXOS。

このアルバムはNAXOSからリリースされているハイドンのピアノ三重奏曲集の第2巻にあたるもの。このシリーズがリリースされているのをつい最近知り、第1巻と第2巻を注文しておいたもので、収録曲目から今日は第2巻を選びました。NAXOSは複数人の指揮者による交響曲全集、コダーイ四重奏団による弦楽四重奏曲全集、ヤンドーによるピアノソナタ全集など、着々とハイドンの曲のカタログを充実させていっています。そのNAXOSがピアノ三重奏曲に挑んでいるこのシリーズ、出来は如何なるものか気になる訳です。

演奏者のクングスバッカピアノ三重奏団は1997年に結成された団体。クングスバッカはスウェーデン西部のヨーテボリ近くの街の名前のようです。メンバーは以下のとおり。

ヴァイオリン:マリン・ブローマン(Malin Broman)
チェロ:イェスパー・スヴェドベルグ(Jesper Svedberg)
ピアノ:サイモン・クローフォード=フィリップス(Simon Crawford-Phillips)

ヴァイオリンのマリン・ブローマンはクングスバッカ出身。メルボルン国際室内楽コンクールで1等になってからヨーロッパ、北米南米、オーストラリア、ニュジーランドなどのコンクール等に顔を出し、この世代では代表的なトリオとみなされているようです。彼らのウェブサイトがありましたので紹介しておきましょう。

Kungsbacka Piano Trio

今日は時間の関係で、ハイドン最晩年のピアノ三重奏曲XV:30のみ取りあげます。

Hob.XV:30 / Piano Trio (Nr.42/op.79-1) [E flat] (1796)
流石に最近の録音だけあって、鮮明さ、自然さ、音の柔らかさは素晴らしい録音。若干デッド気味なのが鮮明な印象につながっています。クングスバッカピアノ三重奏団の演奏はさらっと弾いていく自然体の演奏。肩に力が入らないのが特徴。演奏はピアノが主導権をにぎって、軽いタッチで演奏を進めていきます。ヴァイオリンは完全に伴奏に徹するような演奏。チェロも表情が豊かというわけではなく、やはり伴奏に徹するようなスタンス。ハイドンのピアノ三重奏曲は各楽器のスリリングな掛け合いが聴き所ですが、このアルバムの演奏は、掛け合いの妙というよりは、曲の美しさを落ち着いて一体感を主体に表現しているよう。これはこれでまとまりある演奏でしょう。
2楽章も表現はあまり変えずに、曲をさらりと、少ししっとりと聴かせるような姿勢。アンサンブルの精度自体は悪くありませんが、先日聴いたビルスマ盤の素晴らしいアンサンブルとはちょっと差がついてしまいます。
フィナーレはピアノの表現が一歩踏み込んで、ピアノのタイトでダイナミックな魅力を聴かせます。もうすこしヴァイオリンとチェロが踏み込んでくればと思わせますが、むしろ合わせに行くの楽しむような演奏。踏み込んでは来ません。ピアノが一人覇気を聴かせるという演奏でした。

NAXOSレーベルのハイドンカタログの次なる全集を担うクングスバッカピアノ三重奏団によるハイドン最晩年のピアノ三重奏曲の傑作XV:30ですが、最近の録音らしい鮮明な音響のなかに浮かび上がる非常に堅実な演奏。眼前で弾いているようなリアリティを感じる演奏。確かに全集を担当するのには相応しい演奏かもしれませんが、正直数多の名演がひしめくこの曲の演奏としては、もう一歩踏み込んだ表現を期待したいというのが正直なところです。評価は[+++]としたいと思います。

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