マンフレート・フス/ハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンのカッサシオン、ホルン4本!

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マンフレート・フス(Manfred Huss)指揮のハイドン・シンフォニエッタ・ウィーン(Haydn Sinfonietta Wien)によるハイドンのディヴェルティメントなど3曲(Hob.II:1、II:D22、II:9)を収めたアルバム。今日はこの中からホルン4本が活躍するカッサシオンII:D22を取りあげます。収録は1993年6月26日から27日、ウィーンのCasino Zögernitzでのセッション録音。手元のアルバムはKOCH SCHWANNレーベルですが、KOCH SCHWANNの廃業にともない、スウェーデンのBISに移り、現在はBISからまとめてアルバムがリリースされています。
前々記事のホルン三重奏曲(Hob.IV:5)が1767年、ホルン四重奏曲(Hob.II:14)が1761年、そして前記事で取りあげた交響曲31番「ホルン信号」(Hob.I:31)が1765年、そして今日取り上げるカッサシオン(Hob.II:D22)が1761年から63年とホルンが特に活躍する曲が1761年から1767年と短期間の間に作曲されている事がわかります。ちなみにホルン協奏曲(Hob.VIId:3)は1762年と、これも同時期の作曲です。この時期はハイドンがエステルハージ家の副楽長に就任してから楽長となるまでの頃。このころエステルハージ家のオーケストラには4人のホルン奏者がいた時期があり、こうしたホルンの活躍する曲が多いとのことです。他には先日ザンデルリンクの演奏を取りあげた交響曲39番、そして交響曲13番、交響曲72番などがホルンが活躍するこの頃の作品です。
マンフレート・フス(以前はマンフレッド・フスと表記しておりましたが、巷の表記のあわせてマンフレートと修正しました)はウィーン生まれの指揮者。私は好きな指揮者の一人で、ハイドンのディヴェルティメント集やオペラ、交響曲などいろいろな録音があり、これまでも何度か取りあげています。
2011/01/01 : ハイドン–交響曲 : 【新着】マンフレート・フスの交響曲集
2010/10/19 : ハイドン–オペラ : マンフレート・フスのオペラ序曲集2
2010/10/18 : ハイドン–オペラ : マンフレート・フスのオペラ序曲集
2010/05/09 : ハイドン–声楽曲 : アリアの洪水!
略歴はオペラ序曲集の記事をご覧ください。フスの演奏の特徴は、古楽器の演奏にしてば抜群のライヴっぽさ。ゾクゾクするようなスリリングな演奏。特にオペラ序曲集は、まさにオペラの幕が開く前のざわめきまでつたわる秀演で、愛聴盤となっています。
このフスが取りあげたハイドンのディヴェルティメント集ですが、もともとKOCH SCHWANNレーベルから5枚リリースされていますが手元にあるのは最初の3枚。その後スウェーデンのBISレーベルに音源が買い取られて5枚組でリリースされていますが、そちらは未入手です。このアルバムはKOCH SCHWANNのディヴェルティメント集の第2巻にあたります。このあとBISの全集を手に入れて完結させるのベキなんでしょうが、今は亡きKOCH SCHWANN盤を地道に探したくもあります。
今日取り上げるHob.II:D22は、ディベルティメント集のなかでは異色のホルンが大活躍する曲として印象に残っているもの。今日はホルンつながりということで取りあげた次第です。
Hob.II:D22 / Cassatio [D] (1761/63)
フスの振るハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンの瑞々しいオーケストラの響きではじまります。いきなり速めのテンポでホルンが絶妙のアンサンブル。副楽長に就任したてのハイドンがエステルハージ家のために書いた祝典音楽でしょうか、宮殿の広間にこの音楽が鳴り響くところを聴いてみたいものです。5楽章構成でアレグロ・モデラート、メヌエット、アダージョ、メヌエット、フィナーレという構成。この曲には同じく古楽器によるアプ・コスターとラルキブデッリ盤がありますが、フス盤のほうがテンポが速く、リズムのキレも良く聴こえます。やはり聴き所はホルンが遠近感を持って重なりあう妙を楽しめるアダージョでしょうか。前後のメヌエットは弦楽器とホルンの掛け合いと、意外とコントラバスのメロディーが印象的なもの。フィナーレはホルンが大活躍。おそらく演奏はかなりの難易度かと思います。ホルン独特の「キッ」という響きを多用して、ホルンの響きの美しさと迫力を両方味わえる曲になっています。これは生で聴いたらホルンのリアリティに鳥肌ものの演奏でしょう。
マンフレート・フスとハイドン・シンフォニエッタ・ウィーンによるカッサシオン。程よく速いテンポと祝典音楽としての祝祭感、そして古楽器の美しい響きが味わえる秀演でしょう。ホルンセクションのテクニックも素晴らしいものがあります。ハイドンが副楽長時代のエステルハージ家にタイムスリップしたようなフス独特のリアリティ溢れる演奏でした。評価はやはり[+++++]をつけない訳にはまいりません。
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