ヨス・ファン・インマゼールの「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」
東京のお寺は7月にお盆なんですね。今年4月に父が亡くなったので、新盆です。昨日に迎え火を焚いて今日はお坊さんに来ていただき仏壇でお経をあげてもらいました。東京はここ数日雨の予想でしたが、幸い雨にならず、いいお盆を迎えられました。近い親戚が集まってにぎやかなひと時でした。
ブログの方は嫁さんの入院とお盆のやりとりやりとりに加えて仕事もバタバタで、なかなか更新がままなりませんでした。
今日は「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」ですが、フォルテピアノ版です。

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TOWER RECORDS
ヨス・ファン・インマゼール(Jos van Immerseel)のフォルテピアノによるハイドンのフォルテピアノ版の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」。収録は1994年5月17日から18日、フェルメールの絵画で有名なオランダ、デルフトのウードカトリック教会でのセッション録音。レーベルはCHANNEL CLASSICS。
ヨス・ファン・インマゼールは1945年はベルギーのアントウェルペン生まれのフォルテピアノ奏者、指揮者。インマゼールの紹介は下のソナタ集の記事をご参照ください。そのソナタ集はフォルテピアノの響きのすべてを知り尽くした者だけがコントロールできる千変万化する響きの魅力に溢れたものでした。
2012/02/18 : ハイドン–ピアノソナタ : ヨス・ファン・インマゼールのソナタ集
2011/04/03 : ハイドン–声楽曲 : インマゼールの聖チェチーリアミサ
そのインマゼールによる、名曲「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は、最近お気に入りの弦楽四重奏版でのフィルハーモニア・クァルテット・ベルリンなどの淡々とした演奏から情感がにじみ出るタイプと同様の魅力があったとの記憶をたどり、今日取りあげた次第。
Hob.XX:1C / XX:1C-"Die sieben letzten Worte unseres Erlösers am Kreuze " 「十字架上のキリストの最後の七語」 (1787)
序奏はクッキリ鮮明な入りです。かなりゆったりとしたテンポによる入り。フォルテピアノの音色はアニマ・エテルナとのモーツァルトのピアノ協奏曲全集と同質の、鮮明ながら柔らかい音色。楽器に格別のこだわりをもつインマゼールらしく、音域によってムラや音色の違いがなく、非常に粒立ちのよい美しい響き。冒頭からかなりじっくりと曲を料理していくスタンスが鮮明に感じられます。フレーズのひとつひとつを慈しむように、非常に丁寧に音をおいていきます。
続く7つのソナタに入ると、すこし穏やかさを加えて、聴き慣れたメロディーをじっくりと浮かびかがらせながら奏でていきます。変わらず丁寧な演奏なんですが、音楽の造りが大きく、まるで滔々と流れる大河を眺めるような趣があります。タッチの繊細さと見事に強弱をつけた演奏は、音量差の大きくないフォルテピアノでの演奏であっても素晴らしい立体感を生み出しています。特に静けさの表現が秀逸。
流石なのはソナタごとに微妙にに音色を変えて弾いていくところ。以前聴いてよかったブラウティハムの演奏は、フォルテピアノをまるでグランドピアノように鳴らしきったダイナミックな演奏でしたが、インマゼールの演奏はフォルテピアノらしい繊細さを存分に生かして、曲調ごとに音色を巧みにコントロールしたもの。響きの繊細な変化に鳥肌がたつような緊張感が漲ります。特に抑えた表情の表現が秀逸ですね。第3ソナタや第6ソナタの美しさは筆舌に尽くし難いほど。ゾクゾクします。ソナタの最後の第7ソナタの最初の和音の優しい響きは、デリケートなタッチのコントロールの賜物。曲全体に穏やかな心情な満ちあふれています。
そして最後の地震。フォルテピアノの響きの余韻の波に打たれるような演奏。楽器の鳴らし方を存分に心得たインマゼールならではの表現でしょう。鮮烈な響きと、音響ではなく心情で大地を揺るがすような音楽。左手の低音のタッチの迫力はかなりもの。曲の最後をフォルテピアノならではの迫力で締めくくります。
フォルテピアノの響きの魔術師、ヨス・ファン・インマゼールによる、ハイドンの名曲「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」。フォルテピアノでの演奏の極致のような絶妙の響きを味わえる名演です。やはり、大曲を俯瞰するように淡々と音楽を進める構築力とフォルテピアノの響きをコントロールし尽くすテクニックの成果でしょう。柔らかな音色で演奏されているのに、ちょうど空気の澄んだ高原で眺める天の川のような凛とした美しさも感じる演奏。天の川はきらめく星と、星雲のようなうっすらとした明るい部分が暗黒の宇宙からそっと浮かび上がっているのと同様、フォルテピアノの響きとその余韻が静寂から浮かび上がるようすが克明にわかる演奏。これは絶品ですね。評価はもちろん[+++++]です。
月曜日は送り火を焚いて新盆を終えようと思っています。お盆の間はビールは父が好きだったエビスにしています。
ブログの方は嫁さんの入院とお盆のやりとりやりとりに加えて仕事もバタバタで、なかなか更新がままなりませんでした。
今日は「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」ですが、フォルテピアノ版です。

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ヨス・ファン・インマゼール(Jos van Immerseel)のフォルテピアノによるハイドンのフォルテピアノ版の「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」。収録は1994年5月17日から18日、フェルメールの絵画で有名なオランダ、デルフトのウードカトリック教会でのセッション録音。レーベルはCHANNEL CLASSICS。
ヨス・ファン・インマゼールは1945年はベルギーのアントウェルペン生まれのフォルテピアノ奏者、指揮者。インマゼールの紹介は下のソナタ集の記事をご参照ください。そのソナタ集はフォルテピアノの響きのすべてを知り尽くした者だけがコントロールできる千変万化する響きの魅力に溢れたものでした。
2012/02/18 : ハイドン–ピアノソナタ : ヨス・ファン・インマゼールのソナタ集
2011/04/03 : ハイドン–声楽曲 : インマゼールの聖チェチーリアミサ
そのインマゼールによる、名曲「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」は、最近お気に入りの弦楽四重奏版でのフィルハーモニア・クァルテット・ベルリンなどの淡々とした演奏から情感がにじみ出るタイプと同様の魅力があったとの記憶をたどり、今日取りあげた次第。
Hob.XX:1C / XX:1C-"Die sieben letzten Worte unseres Erlösers am Kreuze " 「十字架上のキリストの最後の七語」 (1787)
序奏はクッキリ鮮明な入りです。かなりゆったりとしたテンポによる入り。フォルテピアノの音色はアニマ・エテルナとのモーツァルトのピアノ協奏曲全集と同質の、鮮明ながら柔らかい音色。楽器に格別のこだわりをもつインマゼールらしく、音域によってムラや音色の違いがなく、非常に粒立ちのよい美しい響き。冒頭からかなりじっくりと曲を料理していくスタンスが鮮明に感じられます。フレーズのひとつひとつを慈しむように、非常に丁寧に音をおいていきます。
続く7つのソナタに入ると、すこし穏やかさを加えて、聴き慣れたメロディーをじっくりと浮かびかがらせながら奏でていきます。変わらず丁寧な演奏なんですが、音楽の造りが大きく、まるで滔々と流れる大河を眺めるような趣があります。タッチの繊細さと見事に強弱をつけた演奏は、音量差の大きくないフォルテピアノでの演奏であっても素晴らしい立体感を生み出しています。特に静けさの表現が秀逸。
流石なのはソナタごとに微妙にに音色を変えて弾いていくところ。以前聴いてよかったブラウティハムの演奏は、フォルテピアノをまるでグランドピアノように鳴らしきったダイナミックな演奏でしたが、インマゼールの演奏はフォルテピアノらしい繊細さを存分に生かして、曲調ごとに音色を巧みにコントロールしたもの。響きの繊細な変化に鳥肌がたつような緊張感が漲ります。特に抑えた表情の表現が秀逸ですね。第3ソナタや第6ソナタの美しさは筆舌に尽くし難いほど。ゾクゾクします。ソナタの最後の第7ソナタの最初の和音の優しい響きは、デリケートなタッチのコントロールの賜物。曲全体に穏やかな心情な満ちあふれています。
そして最後の地震。フォルテピアノの響きの余韻の波に打たれるような演奏。楽器の鳴らし方を存分に心得たインマゼールならではの表現でしょう。鮮烈な響きと、音響ではなく心情で大地を揺るがすような音楽。左手の低音のタッチの迫力はかなりもの。曲の最後をフォルテピアノならではの迫力で締めくくります。
フォルテピアノの響きの魔術師、ヨス・ファン・インマゼールによる、ハイドンの名曲「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」。フォルテピアノでの演奏の極致のような絶妙の響きを味わえる名演です。やはり、大曲を俯瞰するように淡々と音楽を進める構築力とフォルテピアノの響きをコントロールし尽くすテクニックの成果でしょう。柔らかな音色で演奏されているのに、ちょうど空気の澄んだ高原で眺める天の川のような凛とした美しさも感じる演奏。天の川はきらめく星と、星雲のようなうっすらとした明るい部分が暗黒の宇宙からそっと浮かび上がっているのと同様、フォルテピアノの響きとその余韻が静寂から浮かび上がるようすが克明にわかる演奏。これは絶品ですね。評価はもちろん[+++++]です。
月曜日は送り火を焚いて新盆を終えようと思っています。お盆の間はビールは父が好きだったエビスにしています。
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