作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

今更キーシンにびっくり

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昨日取り上げたカラヤンの天地創造と同時にHMV ONLINEから届いたキーシンのピアノソナタ。

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HMV ONLINEicon / amazon / amazon

キーシンといえば、ムターなどとともにカラヤンが若い頃にコンチェルトなどで共演し、天才音楽家としてデビューしたのは遥か昔のこと。個人的にこうゆうアイドル系の人のアルバムには手が伸びないのですが、YouTubeでたまたまキーシンのハイドンの演奏を見て、なかなかの腕前との印象をもちHMV ONLINEに注文した次第です。

YouTube:Evgeny Kissin plays Haydn's Sonata XVI:52 in E-flat

童顔のせいか、キーシンは若いとのイメージがありますが、1971年10月10日生まれとのことで、もうすぐ40歳。演奏家としては脂の乗った時期になるんでしょうね。

Wikipedia:キーシン

曲目はXVI:30とXVI:52の2曲にシューベルトのソナタ。元々2枚のアルバムを1箱にまとめたアルバムなので、これにショパンのバラード集がセットになってます。

さて、肝心のハイドンの演奏ですが、これが超絶の名演。94年の録音なので23才の時の録音。
YouTubeの演奏はテクニックを誇示するようなノリのライヴ演奏でしたが、アルバムの方は、テクニックの冴えがすばらしいのに加え、抑制もきき、音楽性の部分も一級品です。23歳でこの音楽性とは文字通り天才なんでしょう。

一音一音が完璧にコントロールされ、ダイナミクスの変化が巧み。おそらく実際のテンポの倍や3倍のテンポでも軽々と弾きこなせるのではと思わせる余裕があります。主旋律を鮮やかに浮き立たせて変化に富んだハイドンの曲の構造を解き明かします。またふっと力を抜いたところを旨く使ってメロディーにメリハリをつけるのが非常に巧みです。
凄いのはアダージョの部分の音楽性。凄いテクニックの持ち主なのに、それに頼るというか媚びることもないのが流石。

私がハイドンのピアノソナタの演奏の一つの理想像と感じるリヒテルの演奏が、巨大な岩のような力感の表現を土台とした演奏に対して、キーシンはハイドンの曲想の根底にある機知や変化を楽しむ部分、諧謔性なんかを踏まえたアプローチなんだと思います。

残念ながら、今カタログ上にはキーシンのハイドンはこの2曲とコンチェルトの1枚のみ。
脂ののった今だからこそ、ハイドンのソナタの録音を期待したいところです。

今日はこれから新橋演舞場に歌舞伎見物へ。
帰ったらまた、レポートいたしましょう。
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