作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管の「朝」

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今日は実ははじめて手に入れた高音質CD。

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HMV ONLINEicon / amazon / TOWER RECORDS

ヘスス・ロペス=コボス(Jesús López-Cobos)指揮のローザンヌ室内管弦楽団(Orchestre de Chambre de Lausanne)の演奏で、ハイドンの交響曲6番「朝」、7番「昼」、8番「晩」の3曲を収めたアルバム。収録は1991年2月15日から17日、スイスのラ・ショード・フォンのムジカ・テアトルでのセッション録音。手に入れたアルバムはDENONのHi Quality CDというシリーズのもの。

自宅のCDプレーヤーはただのCDプレーヤーでSACDにも対応していないので、普段は高音質のアルバムを意識して探している訳ではありませんが、ちょうどこのCDの現役盤が高音質CDだったということで、音質目当てではなく入手した次第。どちらかと言うと国内盤はあまり好きではなく、輸入盤の方が面白いものが多いので、国内盤であるという点でも所有盤としては珍しいもの。まあ、DENONなので輸入盤も何もありませんが(笑)

CDの帯には「ONE POINT EDITION」とか「2本のメイン・マイクロフォンのみによるピュアな高音質録音を高音質CDで聴く」とか、気になる人には気になるコピーが踊ります。国内市場ではこういった魅力の打ち出し方をしないとCDが売れないのかもしれませんね。

今日は視点を変えて、ヘスス・ロペス=コボスのこのアルバムを録音という視点を中心にレビューしてみましょう。

ヘスス・ロペス=コボスの演奏はこれまで2枚取りあげています。演奏者についてはそちらをご参照ください。

2012/02/01 : ハイドン–交響曲 : ヘスス・ロペス=コボス/ローザンヌ室内管のアレルヤ、ラメンタチオーネ、ホルン信号
2011/01/10 : ハイドン–協奏曲 : ナカリャコフのトランペット協奏曲

上の交響曲のアルバムは、堅実なヘスス・ロペス=コボスの指揮と、こちらもラ・ショー・ド・フォンでの名録音が相俟って素晴らしい演奏だったもの。ハイドンの交響曲の演奏の模範的名演と言える出来でした。今回もラ・ショー・ド・フォンでの録音ゆえ、音質は期待通りだと思いますが、最近流行の高音質CDということで、音質、ことさら音楽のリアリティ、キレがさらに良く聴こえるのかどうなのかがポイントになるかと思います。

今日は時間の都合から交響曲6番「朝」のみ取りあげようと思います。

Hob.I:6 / Symphony No.6 "Le matin" 「朝」 [D] (1761?)
気のせいか、はたまた本当に音が良いのか、聴き慣れた朝のメロディー、立体感と粒立ちがかなり良く聴こえます。オケが前にせり出して演奏している感じ。ヘスス・ロペス=コボスの指揮は、先日のホルン信号同様キリッとした秩序あるコントロール。速めのテンポでくいくい攻めて行きます。以前の記事でも触れましたが、デニス・ラッセル・デイヴィスの演奏に生気を吹き込んだような演奏。なんとなく奥行きや定位感がよく、音楽が活き活きししたように聴こえます。
意外でしたが録音の良さが際立つのは静かな2楽章。広い音場に響き渡る、そっと奏でられるメロディー。これはいいですね。少ない楽器が絡み合う様子が手に取るようにわかり、しみじみと音楽を楽しめます。迫力やダイナミックレンジを聴くというより、静かな音楽が本当に静かに落ち着いて聴こえるというのはいいものですね。オーディオ的な仕組みや理論にはあまり入り込みたくはないのですが、この肌合いの違いは確かなもの。CDのポリカーボネート素材などの違いは確かに音質の違いを生むようですね。
3楽章のメヌエットは、彫刻的なオーケストラの存在感と各楽器の音色の色彩感の鮮度が聴き所。溶け合う弦楽器、フルートの膨らんだ音色、オーボエやファゴットの柔らかな響き。まさに家の中にオーケストラがやってきたような絶妙の響きが聴かれます。律儀な演奏だけに音色の解け合いと立体感に聴神経が集中します。
フィナーレも破綻なく、速めのテンポによる安定した演奏。ラテン系のスペイン人ながらスワロフスキーに教わっただけに、誠実堅実な音楽を奏でます。まさに教科書的な誠実な演奏。フィナーレも力みすぎず、本当に誠実な演奏ですね。

続く昼も、音響的なソノリティーを存分に楽しめる演奏と録音ですが、紹介はまたの機会に。

ヘスス・ロペス=コボスの誠実な演奏を、極上の響きのラ・ショー・ド・フォンのホールで、最上のワンポイント録音、そしてそれを高音質CDに焼いたもの。演奏自体は生真面目さを感じるくらい誠実、律儀な演奏で、これもハイドンの一面を表すもの。そしてその演奏が、極上の響きで部屋に再現される素晴らしいプロダクションといえるでしょう。演奏自体の評価は[++++]とします。ただしこのアルバムには素晴らしい録音という付加価値があり、オーディオ的な面や、演奏する方が見本として聴くなどの聴き方には非常にいいアルバムだと思います。やはりこの静けさと立体感は普通のCDとは違う魅力をもっていますね。今までは食わず嫌いでしたが、レーベルごとにいろいろ高音質のものが出ているようですので、すこしかじってみたいと思います。

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