ギュンター・ヴァント/ベルリン・ドイツ交響楽団の76番
ラックの奥にしまってあるアルバムシリーズが続いていたので、最近手に入れたアルバムを取りあげましょう。

ギュンター・ヴァント(Güter Wand)指揮のベルリン・ドイツ交響楽団(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin)の演奏で、ハイドンの交響曲76番、モーツァルトの「セレナータ・ノットゥルナ」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」の3曲を収めたアルバム。ハイドンの演奏は1995年4月30日、5月1日、ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ。レーベルはProfil。
ギュンター・ヴァントといえば76番、76番といえばヴァントでしょう。このアルバムはヴァントの76番の4種目になります。レビューではこれまでに2種取りあげており、何れも素晴らしい出来でした。
2011/10/15 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァント/ベルリン交響楽団の交響曲76番ライヴ
2010/12/27 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァントの交響曲76番DVD
前者は1997年10月のベルリン・ドイツ交響楽団とのライヴCD-R、後者は1996年7月NDR交響楽団とのライヴ映像DVDですが、今日取り上げるのはその1年前にベルリン・フィルハーモニーでのベルリン・ドイツ交響楽団とのコンサートを収めたもの。一聴して音質が良く、76番の決定盤の予感もします。
Hob.I:76 / Symphony No.76 [E flat] (1782?)
広々とした空間に鳴り響くリズミカルな導入部。ヴァントの76番は何度も聴いていて慣れてるとはいえ、違うアルバムでもかなり似た演奏。同じ録音かと思うような完成度。DVDでの険しい眼光でオケをコントロールするヴァントの姿が脳裏に蘇ります。リズム感と沸き立つような推進力、陽光の下に輝く神殿のごとき彫刻的なヴォリュームはまさにヴァントならでは。天に昇らんかとおもうような上昇感。非の打ち所なし。
2楽章は、そよ風のような優しいタッチ。前記事で取りあげたマクシミウクが無骨な表情の面白さで聴かせたのに対し、ヴァントのアダージョはビロードのようなタッチで、羽毛のような優しい肌触り。磨き抜かれた流線型の演奏。オーケストラの響きは各奏者がヴァントの棒に完全に掌握されて、完全に一体化した演奏。力強い展開部に入ると低音弦の迫力が増し、オケの力感を見せつけます。めくるめく音階の交錯。一瞬の間をおいて主題が再現され、幸福感に満ちた時間が戻ります。ライヴの緊張感とセッション録音の完成度が両立したような素晴らしい演奏。
メヌエットもこれまで聴いたヴァントの演奏と全く同じ響き。タイミングを見ると明らかに違う演奏。ヴァントのコントロール力を見せつけられた形です。完璧にリラックスした演奏。弦に重なるホルンと木管の響きはとろけそうなほど。
フィナーレに至り、ようやくこれまで聴いた演奏とは少し異なる表情。導入部のヴァイオリンの旋律がこれまでの演奏よりも表情が豊かで変化もついています。テンポを揺らす幅もすこし広がり、また活き活きとした感じが増しています。最後にテンポを上げるところでオケがほんの少し乱れますが、気になるほどではありません。最後は拍手はカットされています。おそらくライヴ音源に音響処理を施したものでしょう。
ヴァント4種めの76番。聴き終わってこれがベスト盤かと言われると、正直、どれもベスト盤といいたいところ。DVDには映像の良さがあり、CDRにはライヴ感の良さがあります。このアルバムも落ち着いた演奏で完成度は高く、オケの音色の豊かさは一番でしょうか。ただ、ライヴの良さは他のアルバムに譲る面もあるというところでしょう。要はみんないい訳です。基本的なヴァントの演奏設計は驚くほどそろっており、そういった意味でヴァントのコントロールは確かなもの。好んで取りあげていた76番だけあって、どれも素晴らしいというのが正直なところでしょう。評価はもちろん[+++++]です。
あと取りあげていないのは、ケルン放送交響楽団との1973年盤のみとなりました。こちらもそのうち取りあげる事になりましょうか。

ギュンター・ヴァント(Güter Wand)指揮のベルリン・ドイツ交響楽団(Deutsches Symphonie-Orchester Berlin)の演奏で、ハイドンの交響曲76番、モーツァルトの「セレナータ・ノットゥルナ」、ムソルグスキーの「展覧会の絵」の3曲を収めたアルバム。ハイドンの演奏は1995年4月30日、5月1日、ベルリン・フィルハーモニーでのライヴ。レーベルはProfil。
ギュンター・ヴァントといえば76番、76番といえばヴァントでしょう。このアルバムはヴァントの76番の4種目になります。レビューではこれまでに2種取りあげており、何れも素晴らしい出来でした。
2011/10/15 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァント/ベルリン交響楽団の交響曲76番ライヴ
2010/12/27 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァントの交響曲76番DVD
前者は1997年10月のベルリン・ドイツ交響楽団とのライヴCD-R、後者は1996年7月NDR交響楽団とのライヴ映像DVDですが、今日取り上げるのはその1年前にベルリン・フィルハーモニーでのベルリン・ドイツ交響楽団とのコンサートを収めたもの。一聴して音質が良く、76番の決定盤の予感もします。
Hob.I:76 / Symphony No.76 [E flat] (1782?)
広々とした空間に鳴り響くリズミカルな導入部。ヴァントの76番は何度も聴いていて慣れてるとはいえ、違うアルバムでもかなり似た演奏。同じ録音かと思うような完成度。DVDでの険しい眼光でオケをコントロールするヴァントの姿が脳裏に蘇ります。リズム感と沸き立つような推進力、陽光の下に輝く神殿のごとき彫刻的なヴォリュームはまさにヴァントならでは。天に昇らんかとおもうような上昇感。非の打ち所なし。
2楽章は、そよ風のような優しいタッチ。前記事で取りあげたマクシミウクが無骨な表情の面白さで聴かせたのに対し、ヴァントのアダージョはビロードのようなタッチで、羽毛のような優しい肌触り。磨き抜かれた流線型の演奏。オーケストラの響きは各奏者がヴァントの棒に完全に掌握されて、完全に一体化した演奏。力強い展開部に入ると低音弦の迫力が増し、オケの力感を見せつけます。めくるめく音階の交錯。一瞬の間をおいて主題が再現され、幸福感に満ちた時間が戻ります。ライヴの緊張感とセッション録音の完成度が両立したような素晴らしい演奏。
メヌエットもこれまで聴いたヴァントの演奏と全く同じ響き。タイミングを見ると明らかに違う演奏。ヴァントのコントロール力を見せつけられた形です。完璧にリラックスした演奏。弦に重なるホルンと木管の響きはとろけそうなほど。
フィナーレに至り、ようやくこれまで聴いた演奏とは少し異なる表情。導入部のヴァイオリンの旋律がこれまでの演奏よりも表情が豊かで変化もついています。テンポを揺らす幅もすこし広がり、また活き活きとした感じが増しています。最後にテンポを上げるところでオケがほんの少し乱れますが、気になるほどではありません。最後は拍手はカットされています。おそらくライヴ音源に音響処理を施したものでしょう。
ヴァント4種めの76番。聴き終わってこれがベスト盤かと言われると、正直、どれもベスト盤といいたいところ。DVDには映像の良さがあり、CDRにはライヴ感の良さがあります。このアルバムも落ち着いた演奏で完成度は高く、オケの音色の豊かさは一番でしょうか。ただ、ライヴの良さは他のアルバムに譲る面もあるというところでしょう。要はみんないい訳です。基本的なヴァントの演奏設計は驚くほどそろっており、そういった意味でヴァントのコントロールは確かなもの。好んで取りあげていた76番だけあって、どれも素晴らしいというのが正直なところでしょう。評価はもちろん[+++++]です。
あと取りあげていないのは、ケルン放送交響楽団との1973年盤のみとなりました。こちらもそのうち取りあげる事になりましょうか。
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