カラヤンの天地創造比較2

ザルツブルク音楽祭1977年8月15日のコンサート記録
ソリストは、マティス、シュライアー、ファン・ダムにウィーン国立歌劇場合唱団、ウィーンフィルという顔合わせ。
基本的にはアライザとシュライアーの違いだけです。
録音は観客席のざわめき、咳などが入っていたり、ピークがちょっと歪んでたり、ノイズがわずかに入るなどの傷はあるものの、音楽を楽しむにはこちらの方がリアリティがあっていいです。ソリストの声も明瞭です。ライヴ盤は客席のノイズなどを除去しないほうがいいですね。
これは、カラヤンも見事。ソリストをしっかり支えながら、オケのダイナミックさで聴かせるところもポイントをおさえてます。第一部のフィナーレの頂点への持っていき方もすばらしい統率で盛り上がります。低音弦を中心に弦の厚みを感じさせるところともカラヤン風です。同じザルツブルク音楽祭ライヴの5年間の隔たりは大きなものと言わざるを得ません。
ソリストは、シュライアーの規律を感じさせる透明感のあるテナー、ファンダムの深みのあるバリトン。マティスが若干控えめながら、安定感のある歌唱。
ライヴの魅力も存分に感じさせるいい録音だと思います。
そして、さらにさかのぼること12年。同じくザルツブルク音楽祭、1965年のライヴ盤。

HMV ONLINE
ザルツブルク音楽祭1965年8月29日のコンサート記録
これはグラモフォンの正規盤。ヴンダーリッヒ急逝直前のライヴです。
これはカラヤン全盛期のライヴ。カラヤンがオーケストラを緻密に指示しようとしていながら、ライヴだけにオケが最初から少々混乱している感じもあります。特にオケを押さえる部分をかなり押さえて、コントラストをきっちり表現したいというところに力点がおかれているように聴こえます。進むにつれてオケの調子も上がり、統率を取り戻していきます。第一部のフィナーレの盛り上がりは振り切れてすばらしいフィニッシュ。カラヤンの演奏にも帝王の風格を感じます。
この盤はジャケットに写真が載っていることからわかる通り、ヴンダーリッヒを聴くべき盤なんだと思いますが、ところがどっこい、ヴンダーリッヒ以上にプライとヤノヴィッツも激演です。特にヤノヴィッツにはノックアウトです。声質が好きなこともありますが、なんと可憐な歌声。ホールにピンと緊張感が張りつめるなか、ヤノヴィッツのソロが響き渡り、美しさに昇天です。
トラック5のガブリエルのソロが入った瞬間の清々しさ。トラック9のガブリエルのアリア、このような美しい音楽をここまで美しい声で歌われたら、、、この世のものとは思えないひと時です。
録音は65年ゆえ、流石に古さを感じさせ、オーケストラの音に厚みがたりず、その後の録音とくらべると若干聴きおとりするのは否めませんが、この盤はこの盤で、カラヤンの溢れんばかりの覇気と歌を来くべきすばらしい価値があると思います。
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