オイゲン・ヨッフム/ウィーン響の驚愕、95番ライヴ
今日はライヴのCD-R。

オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)指揮のウィーン交響楽団(Wienna Symphony Orchestra)の演奏でハイドンの交響曲94番「驚愕」と交響曲95番の2曲を収めたCD-R。収録は1982年5月20日のライヴ。収録場所等の情報は記載がありません。レーベルはCD-Rではおなじみのアメリカのsardana records。
ヨッフムのハイドンは当ブログでも何度か取りあげています。
2011/12/30 : ハイドン–交響曲 : 【600記事記念】オイゲン・ヨッフム/ロンドンフィルの「ロンドン」
2011/06/07 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ロンドンフィルの93番
2011/05/28 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ドレスデン・シュターツカペレの93番
2010/12/29 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ロンドン・フィルの軍隊、時計ライヴ
ヨッフムにはロンドン・フィルとのDeutsche Grammophonへの録音の他に、ドレスデン・シュターツカペレへの録音やいくつかのライヴ盤がありますが、このCD-Rはその中でも最も最近の1982年5月の録音。ヨッフムが亡くなったのは1987年ですので、晩年の録音ということになります。
ヨッフムの晩年のモーツァルトやブルックナーの素晴らしい録音に近い達観と透明感が聴かれるでしょうか。
Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlagk" 「驚愕」 [G] (1791)
出だしはゆったりとした響き。ムジークフェラインでしょうか、ゆったりしてはいても覇気は失われていません。録音はリアリティがあり十分。ヴァイオリンの音がちょっと乾き気味な感じがするものの十分以上な鮮明さ。低音弦の迫力はかなりのもの。オケはライヴらしく気合いのこもった響き。リズムがヨッフムにしては重めですがじっくり噛み締めるようで逆に鬼気迫るようなな1楽章の展開。いやいや、これはヨッフムのベストな演奏な予感。流麗なロンドンフィルとの演奏とは異なり、渾身の迫力のライヴ。コンディションもかなりのものです。堂々たる1楽章。
2楽章のビックリはじわりとこころに響く強音。オーソドックスな演奏の中に、長年ハイドンを演奏をし続けた巨匠のこだわりが聴こえてくるよう。ビックリのメロディーを発展させた変奏ではそこここにメリハリをつけて聴衆の期待に応えようとするヨッフムの鋭い眼光が見えるよう。後半の激しい部分もゆったりとしたテンポながら迫力は素晴らしいものがあります。
メヌエットはざっくりしたオケの感触が最高。リズムの刻みの深さが音楽の深さに直結。流石ウィーン交響楽団といえるまろやかなオケの響きがあってのゆったりしながらも迫力を感じる演奏。
フィナーレはテンポが上がって入りから畳み掛けるような素晴らしい感興が見事。ハイドン演奏のツボを押さえたヨッフムの素晴らしいコントロール。極上のコンサートを聴いているような素晴らしい録音。オケの息吹がスピーカーをつたって部屋に噴出するようです。最後にテンポを落として粋な演出。そのご荒れ狂うティンパ二とオケを聴かせて終了。会場の割れんばかりの拍手とブラヴォーに包まれます。
Hob.I:95 / Symphony No.95 [c] (1791)
短調の険しいメロディーからはじまるこの曲。レガートを効かせてフレーズに変化をつけて入ります。録音は変わらずリアリティの高いライヴとしては十分なクオリティ。この曲でもヨッフムのスタンスは変わらず、ハイドンのザロモンセット演奏の王道を行くような堂々としたもの。墨をたっぷりと含んだ極太の筆、流れるように濃淡をつけて各達筆の書の様な演奏。短調のこの曲での険しい表情はヨッフム渾身のコントロールでしょう。
2楽章のアンダンテ・カンタービレはこんどはやさしい素朴な表情。弦楽器の奏でるメロディーラインは素朴そのもの。あえて楽器の音が溶け合わないようにさらりとした演奏を意図しているよう。後半の展開部に至り、ザクザクと各パートが鬩ぎあって盛り上げます。
メヌエットも渾身の演奏。気合い入りまくってます。奏者が一つになってハイドンの名旋律を演奏している姿が目に浮かびます。響きのひとつひとつに宿るエネルギーが伝わります。間奏部は逆にチェロが訥々とピチカートに乗って逆に火照りを鎮めるような演奏。再びエネルギーが勃興。
フィナーレは吹き上がるオーケストラの魅力炸裂。この曲のフィナーレはハイドンの交響曲のフィナーレの中でも最も盛り上がりの見事なもの。ヨッフムはやはり勘所を押さえて素晴らしい吹き上がりを演出。ライヴだけあって素晴らしい感興。最後はあまりの迫力にフライング気味で拍手が降り注ぎます。
ようやく出会えたヨッフム渾身のハイドン。以前から何度か取りあげている記事で触れているように、ヨッフムののハイドンの交響曲の演奏は、晩年のブルックナーやモーツァルトの澄み切った心境と比べると一歩及ばないものが多かったんですが、このライヴは素晴らしい。ハイドンを知り尽くしたヨッフムが大胆に振ったハイドンのライヴをそのまま記録した理想的なライヴ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。

オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)指揮のウィーン交響楽団(Wienna Symphony Orchestra)の演奏でハイドンの交響曲94番「驚愕」と交響曲95番の2曲を収めたCD-R。収録は1982年5月20日のライヴ。収録場所等の情報は記載がありません。レーベルはCD-Rではおなじみのアメリカのsardana records。
ヨッフムのハイドンは当ブログでも何度か取りあげています。
2011/12/30 : ハイドン–交響曲 : 【600記事記念】オイゲン・ヨッフム/ロンドンフィルの「ロンドン」
2011/06/07 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ロンドンフィルの93番
2011/05/28 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ドレスデン・シュターツカペレの93番
2010/12/29 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ロンドン・フィルの軍隊、時計ライヴ
ヨッフムにはロンドン・フィルとのDeutsche Grammophonへの録音の他に、ドレスデン・シュターツカペレへの録音やいくつかのライヴ盤がありますが、このCD-Rはその中でも最も最近の1982年5月の録音。ヨッフムが亡くなったのは1987年ですので、晩年の録音ということになります。
ヨッフムの晩年のモーツァルトやブルックナーの素晴らしい録音に近い達観と透明感が聴かれるでしょうか。
Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlagk" 「驚愕」 [G] (1791)
出だしはゆったりとした響き。ムジークフェラインでしょうか、ゆったりしてはいても覇気は失われていません。録音はリアリティがあり十分。ヴァイオリンの音がちょっと乾き気味な感じがするものの十分以上な鮮明さ。低音弦の迫力はかなりのもの。オケはライヴらしく気合いのこもった響き。リズムがヨッフムにしては重めですがじっくり噛み締めるようで逆に鬼気迫るようなな1楽章の展開。いやいや、これはヨッフムのベストな演奏な予感。流麗なロンドンフィルとの演奏とは異なり、渾身の迫力のライヴ。コンディションもかなりのものです。堂々たる1楽章。
2楽章のビックリはじわりとこころに響く強音。オーソドックスな演奏の中に、長年ハイドンを演奏をし続けた巨匠のこだわりが聴こえてくるよう。ビックリのメロディーを発展させた変奏ではそこここにメリハリをつけて聴衆の期待に応えようとするヨッフムの鋭い眼光が見えるよう。後半の激しい部分もゆったりとしたテンポながら迫力は素晴らしいものがあります。
メヌエットはざっくりしたオケの感触が最高。リズムの刻みの深さが音楽の深さに直結。流石ウィーン交響楽団といえるまろやかなオケの響きがあってのゆったりしながらも迫力を感じる演奏。
フィナーレはテンポが上がって入りから畳み掛けるような素晴らしい感興が見事。ハイドン演奏のツボを押さえたヨッフムの素晴らしいコントロール。極上のコンサートを聴いているような素晴らしい録音。オケの息吹がスピーカーをつたって部屋に噴出するようです。最後にテンポを落として粋な演出。そのご荒れ狂うティンパ二とオケを聴かせて終了。会場の割れんばかりの拍手とブラヴォーに包まれます。
Hob.I:95 / Symphony No.95 [c] (1791)
短調の険しいメロディーからはじまるこの曲。レガートを効かせてフレーズに変化をつけて入ります。録音は変わらずリアリティの高いライヴとしては十分なクオリティ。この曲でもヨッフムのスタンスは変わらず、ハイドンのザロモンセット演奏の王道を行くような堂々としたもの。墨をたっぷりと含んだ極太の筆、流れるように濃淡をつけて各達筆の書の様な演奏。短調のこの曲での険しい表情はヨッフム渾身のコントロールでしょう。
2楽章のアンダンテ・カンタービレはこんどはやさしい素朴な表情。弦楽器の奏でるメロディーラインは素朴そのもの。あえて楽器の音が溶け合わないようにさらりとした演奏を意図しているよう。後半の展開部に至り、ザクザクと各パートが鬩ぎあって盛り上げます。
メヌエットも渾身の演奏。気合い入りまくってます。奏者が一つになってハイドンの名旋律を演奏している姿が目に浮かびます。響きのひとつひとつに宿るエネルギーが伝わります。間奏部は逆にチェロが訥々とピチカートに乗って逆に火照りを鎮めるような演奏。再びエネルギーが勃興。
フィナーレは吹き上がるオーケストラの魅力炸裂。この曲のフィナーレはハイドンの交響曲のフィナーレの中でも最も盛り上がりの見事なもの。ヨッフムはやはり勘所を押さえて素晴らしい吹き上がりを演出。ライヴだけあって素晴らしい感興。最後はあまりの迫力にフライング気味で拍手が降り注ぎます。
ようやく出会えたヨッフム渾身のハイドン。以前から何度か取りあげている記事で触れているように、ヨッフムののハイドンの交響曲の演奏は、晩年のブルックナーやモーツァルトの澄み切った心境と比べると一歩及ばないものが多かったんですが、このライヴは素晴らしい。ハイドンを知り尽くしたヨッフムが大胆に振ったハイドンのライヴをそのまま記録した理想的なライヴ盤です。評価は両曲とも[+++++]とします。
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