グスタフ・クーン/コレギウム・アウレウムの天地創造ライヴ(ハイドン生誕250年)DVD

今日は以前取りあげたアルバムの映像を取りあげます。

KuhnCreationDVD.jpg

グスタフ・クーン(Gustav Kuhn)指揮のコレギウム・アウレウム合奏団(Collegium Aureum)、ウィーン・アーノルト・シェーンベルク合唱団の演奏によるハイドンのオラトリオ「天地創造」。この演奏はハイドン生誕250年を記念してオーストリア科学アカデミー、オーストリア放送、ヨーロッパ放送連盟の主催したコンサートの記録。ソロは下記の通り。

ガブリエル(ソプラノ):アーリーン・オジェー(Arleen Augér)
ウリエル(テノール):ペーター・シュライアー(Peter Schreier)
ラファエル(バス):ヴァルター・ベリー(Walter Berry)
イヴ(ソプラノ):ガブリエレ・ジーマ(Gabriele Sima)
アダム(バリトン):ローラント・ヘルマン(Roland Hermann)

演奏の内容はすでに取りあげた記事の方をご参照ください。

2011/12/13 : ハイドン–オラトリオ : グスタフ・クーン/コレギウム・アウレウムの天地創造ライヴ(ハイドン生誕250年)

ハイドン生誕250年記念のウィーンでの演奏会の模様を収めた貴重な映像。演奏の安定した素晴らしさはCDレビューで取りあげましたので、繰り返す必要はないでしょう。今日は映像を主体としたレビュー。

こののDVDはORFの映像をARTHAUS MUSIKがリリースしたもの。1982年の映像なのでもちろん今見るにはだいぶ古びて見える映像。画面は4:3で映像の品質自体も自体もちょっと時代を感じさせるもの。カットはアップが多く、コレギウム・アウレウムが古楽器によって演奏されているのがよくわかります。

会場のウィーンの大学ホールはかなり古い建物のなかの大空間のホール。室内はシェーンブルン宮殿の時代のような装飾された空間ですが、色あせたのかどうか、一見して燻された銀色のような色彩。伝統ある講堂であることが窺い知れます。

指揮のグスタフ・クーンは若さが印象的。いわゆるマッシュルームカット風ロンゲで、指揮ぶりも若さあふれるもの。しかしタクトから降り出される音楽は非常に落ち着いていて、この記念すべき演奏会の指揮をまかされた理由がわかるような気がします。非常に安定した演奏。ソロの最初はラファエルのヴァルター・ベリー。もう少しガタイのいい人だと想像してましたが、黒縁眼鏡の真面目なおじさん風。ベリーの歌唱は圧倒的。ずば抜けた声量と張り。CDでもすばらしい存在感と安定感であった印象ですが、映像ではさらに迫力が伝わります。
ウリエルのペーター・シュライアーはいつも通りの透き通るような歌唱。微妙にうわずり気味な音程が彼の特徴でしょう。ただ、声量があり、まだまだ若さを感じる歌唱です。
目玉はやはり、若さ漲るアーリーン・オジェーでしょう。慈愛に満ちた顔で歌うガブリエルのアリアはぐっときますね。オジェーは1993年に亡くなっていますので、貴重な映像でしょう。
アーノルト・シェーンベルク合唱団は男性陣が黒い蝶ネクタイでごく普通なんですが、女性陣はそろいのモダンな柄のワンピースで、ちょっと新鮮な感じ。合唱陣はこの長い天地創造を暗譜で歌っています。
第1部のクライマックスにかけての流れは映像ならでは迫力が味わえます。指揮、ソロ、コーラスともに気迫のこもった演奏。やはり聴覚だけで聴く音楽とは異なり、映像の魅力は捨て難いものがあります。ことにこういった記念碑的なコンサートではなおさらでしょう。

第3部に登場するエヴァのガブリエレ・ジーマとローラント・ヘルマンはイケメンと美女の組み合わせ。アダムとエヴァのデュエットは寄り添いあって歌うところが非常にいい感じです。ローラント・ヘルマンは揺るぎない響きのヴァルター・ベリーとは異なり高音域の伸びのある声でアクセントがキリッと決まってまた違った歌の魅力があります。
第3部の演奏はソロもオケもコーラスも渾身の演奏。音だけで聴く時よりもさらに迫力を感じます。第34曲の終曲は怒濤の大迫力。やはり映像ならではの迫力を味わえます。最後は感動のフィナーレで会場はブラヴォーの嵐に。

ハイドン自身が聴いた響きを再現するというコンセプトのこの演奏会、私もハイドンと同じ音楽を味わったような気分になりました。全く同じ演奏ながらCD版は[++++]でしたが、このDVDは[+++++]とします。映像の古さは気にならず、むしろこの記念コンサートの様子を同時代的に楽しめるような気になります。

昨日の飲み残しの蔵王スターワインを飲みながら、素晴らしいコンサートの演奏を楽しめました。月曜からいいスタートです。
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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

tag : 天地創造 ライヴ録音 古楽器 ハイドン入門者向け DVD

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Author:Daisy

ハイドン(Franz Joseph Haydn)の膨大な録音をコツコツ集めてレビューしております。好きなものはお酒全般(ワイン、日本酒、モルトなど)、美味しいものを食べること、料理、鄙びた温泉めぐり、歌舞伎見物、スポーツクラブで泳ぐこと(美味しいお酒を呑むため!)などなど。私はなぜハイドンにはまったのか?

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(2019年3月31日)
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