作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ジャネット・ベイカーの「ナクソスのアリアンナ」オールドバラ音楽祭ライヴ

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ちょっと間が空いてしまいました。忘年会やら仕事やらで大忙し。今日もお休みなのに仕事に出かけ夕方戻ってひと泳ぎ。サウナと水風呂で疲れをリセットして、さあレビューです(笑)

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HMV ONLINEicon / amazon /TOWER RECORDS

ジャネット・ベイカー(Janet Baker)のメゾ・ソプラノによる歌曲のオールドバラ音楽祭のライヴ音源を集めたアルバム。この冒頭におかれたハイドンの「ナクソスのアリアンナ」が今日取り上げる曲です。収録は1970年6月11日、イギリスのオールドバラからちょっと内陸に入ったスネイプという街のモールティングスというコンサートホールでのライヴ。ピアノ伴奏はジョン・コンスタブル(John Constable)という人。レーベルはご存知BBC LEGENDS。

このモールティングスと言うホールは以前はビールの醸造に使われていた建物をコンサートホールやショッピングモールに改修したものとのことで、オールドバラ音楽祭のメイン会場の一つという事です。

ジャネット・ベイカーはクラシックを聴く人は知らない人はいないでしょう。1933年生まれのイギリスのメゾ・ソプラノ。バロック音楽から初期イタリアオペラ、そしてベンジャミン・ブリテンの作品を得意としているとのこと。私はむしろマーラーの大地の歌で記憶に残っているひと。クーベリック盤やケンペ盤での落ち着いた歌唱が印象的でした。

Hob.XXVIb:2 / Cantata "Arianna a Naxos" 「ナクソスのアリアンナ」 [E flat] (c.1789)
落ち着き払ってじっくり入るピアノの伴奏が非常にいい感じ。コンスタブルのピアノは宝石のようにきらめきながらも抜群の安定感です。ライヴらしい暗騒音の中に浮かび上がるピアノの存在感が際立ちます。1970年のライヴ録音としてはなかなかいい方でしょう。ベイカーは控えめに究極的にリラックスしてゆったり入ります。のベイカーの声はピアノより奥にいるのではないかと思えるほど控えめ感じで少し遠めに定位。しっかりと芯を感じる筋の通った歌唱。冷徹な色気とでもいうような気配が漂います。どこか懐かしさがただようような曲想をゆったり歌い上げていきます。
つづくアリアでもピアノの存在感は素晴らしいものがあります。ベイカーの声はしっかりした芯がキリッとした印象を与え、歌の強さを誇示せんばかり。メロディーラインがはっきりしてくると、主旋律をクッキリ浮かび上がらせるようにはっきりと歌います。
続くレチタチィーヴォは激しい曲調が特徴ですが、やはりピアノが表情豊かにリード。この伴奏の雄弁さはこの演奏の聴き所でしょう。ベイカーの声は張りと突き抜けるような上昇感が感じられ、まさに全盛期のものでしょう。この楽章は素晴らしい覇気が伝わります。ピアノの表情づけに合わせながらベイカーが合わせている感じです。
そして最後のアリアは、ベイカーが渾身の力で熱唱。聴き慣れた落ち着いた曲を伴奏が奏で、そしてベイカーが入ります。ベイカーはこの曲中でもっとも声量を振り絞った歌唱。いつもながら最後に明るい音調に転調して終わる絶妙な曲。最後は嵐のような拍手に迎えられています。

ジャネット・ベイカーの歌うハイドンの名歌曲「ナクソスのアリアンナ」。正直に言うとこのアルバムでの聴き所はピアノです。ベイカーの歌唱も決して悪くありませんが、この演奏でのピアノの雄弁さ、存在感、きらめき、そして落ち着きは素晴らしいものがあります。演奏を良く聴くとやなり主導権の握るのはピアノに間違いありません。優秀なピアノ伴奏によるナクソスのアリアンナといっても過言ではないでしょう。それゆえ歌曲としてお薦めであるかと問われると他にもいいアルバムが沢山あるため、評価は[++++]としておきます。

先週、オーディオラックを買い替えました。これまではイタリア製のSolid Steelの3段のものでしたが、実家でラックが欲しいというのでそれを譲り、最近発売されたADKのラックに。ラックを変えると結構音が変わりますね。今までは明るく伸びやかな音でしたが、ラックを変えると、少しデッドながらも音が彫刻的に立ち上がるように。前の音の方が気楽な感じでしたが、今日のベイカーのアルバム等、ライヴの定位とざわめきがより臨場感溢れる感じに変わりました。変えたばかりのラックの勇姿を最後に。

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2 Comments

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MK

良いですね。

レコードを聴く場合、ラックにお金を掛けないと駄目なことは重々承知しているのですが、仲々そこまで・・・・・(笑)。
御年37歳を迎えた愛機、マイクロのソリッド5もインシュレーターが相当ヘタリ込み、洗濯機用のインシュレーターをギプス替わりに使う有様。
大昔のテレビ台にレコードをギッシリ詰め込み、重量だけでハウリングを誤魔化す貧乏性。
尤も、ハウリングが心配になるほどの音量では、家族から非難轟々。
連中お笑いばかりのテレビの音は大きくする癖に・・・・ね。

Daisy

Re: 良いですね。

MKさん、コメントありがとうございます。
そうなんですね、CDよりもLPの方がラックに敏感なんですね。37年目のプレイヤーとはさぞかし愛着が深いでしょうね。やはりレコードはいいですからね。こちらも新しいラックの音にようやく慣れてきました。
山梨にお住まいとの事で、昨夜いろいろブログを見ていたら甲府のサンリンレコードが閉店されるとのこと。かなり前に北岳登山の帰りに登山姿でCD買った覚えがあります。なじみのお店が閉じてしまうのは寂しいものですね。
甲府は昔は南アルプス登山、最近は温泉巡りで時々行きます。登山帰りにはタクシーの運転手さんに聞いてよかった甲府市内の銭湯の草津温泉(笑)に必ず立ち寄り汗を流したものです。最近は登山はしてませんが、山梨はいい温泉が多いのでよく立ち寄ってます。お湯どばどばの玉川温泉、ぬるめの山口温泉などいい温泉が多くてうらやましいものです。

  • 2011/12/24 (Sat) 10:31
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