作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

クナッパーツブッシュ/ウィーンフィルの88番

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今日はヒストリカルな交響曲。

Knappertsbusch88ELM.jpg

ハンス・クナッパーツブッシュ(Hans Knappertsbusch)指揮のウィーンフィルの演奏でハイドンの交響曲88番、シューベルトの「未完成」の2曲を収めたCD-R。収録は1958年11月9日。レーベルはEn LarmesというCD-Rではよく見るレーベル。

このCD-Rのジャケットには演奏はベルリンフィルで収録は1950年代と表記してありますが、クナッパーツブッシュの膨大なディスコグラフィーを整理した下記のサイトによると表記は誤りで、ウィーンフィルとの演奏で収録も上記のとおり。ディスクユニオンの店頭で見かけた時にはクナとベルリンフィルとの88番ということで、お宝発見かと思って入手したんですが、そうではありませんでした。ただウィーンフィルとの88番も未入手でしたのよしとします(笑)

Hans Knappertsbusch Discography(英文)

ウィーンフィルとの演奏は調べてみるとDreamlifeから正規盤が出ているようですね。せっかくですからリンクを張っておきましょう。

Knappertsbush88DR.jpg
HMV ONLINEicon / amazon

先のHans Knappertsbusch Discographyによるとクナの指揮による88番は4種の録音があるようですが、これで3種が入手できた事になります。以前、当ブログでクナの88番を1度取りあげていますので、クナの略歴などはそちらをご覧ください。

2011/03/04 : ハイドン–交響曲 : 超弩演、ハンス・クナッパーツブッシュ/ヘッセン放送響の88番

ヘッセン放送響の88盤はクナッパーツブッシュの鬼才ぶりが遺憾なく発揮された素晴らしい演奏。録音も鮮明で余人には理解できない感興とビックリするようなギアチェンジが聴き所の素晴らしい演奏。音楽とは何であるか深く考えさせる演奏と言えばいいでしょうか。そのクナがウィーンフィルを振った88番はどのような演奏ではないでしょうか。

Hob.I:88 / Symphony No.88 "Letter V" 「V字」 [G] (1787?)
分厚いウィーンフィルの響きからはじまる1楽章。クナらしい覇気が漲ってますが、主題からいきなりスローダウン。ヘッセン放送響との演奏より表現が穏やかなのはオケがウィーンフィルということででしょうか。テンポの変化は大きくないもののクナッパーツブッシュらしいざっくりしたフレージングが特徴。録音もすこし鮮明さに欠けますが十分いい録音。会場ノイズのようなものはないので放送録音かセッション録音でしょう。
2楽章のラルゴは幽玄さを感じさせるような穏やかな展開。微妙なフレージングでもなくザクザク淡々とすすめているのに慈しみ深いというクナ独特の風情。オケの精度はあまり高くありません。ワーグナーの楽劇のような重厚さを伴ってこの楽章を盛り上げます。
一番クナらしいのがメヌエット。テンポは落ち着いてクナがその場で指示しているような緊張感につつまれ、荒々しく大胆なフレーズをジェントルなウィーンフィルが演奏。意外と起伏もきっちりつけて迫力も十分。がっつり決まります。
そして期待の終楽章。入りは意外とオーソドックス。重厚なテンポでザクザク刻みながら進みますがどこでギアが変わるのか手ぐすね引いて待つ感じがたまりません。意外とそのまま普通に終わってしまうのではないかとの思いもよぎります。流石ウィーンフィルだけに伝統の重みを感じさせる重厚さ。そう思った矢先、最後の部分でやはり突然ギアチェンジしてテンポを上げ、クナのこの曲の定番、崖から転がり落ちるようなテンポでフィニッシュ。やはり一筋縄では行きませんでしたね。

クナ3種目の88番。ヘッセン放送響とのクナらしさが存分に表現された爆演と比べると穏やかではありますが、逆にハイドンのオーソドックスな演奏に近い雰囲気ながらクナらしさが表現されたバランスのいい演奏でもあります。クナらしい演奏と言う意味ではヘッセン放送響との演奏を薦めますが、こちらも悪くありません。評価は[+++++]とします。クナの88番にはもう一種未聴のものがありますので、引き続き捕獲候補リストに入れて、出会いを待ちたいと思います。
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