ウィーン・ムジークフェライン四重奏団の「皇帝」
今日は最近好んで取りあげているウィーンものの弦楽四重奏曲。

TOWER RECORDS
ウィーン・ムジークフェライン四重奏団(Wiener Musikverein Quartett)の演奏によるモーツァルト、ハイドン、シューベルト、ブラームスの弦楽四重奏曲を集めたCD8枚組のアルバム。アルバムタイトルは「ウィーン・ムジークフェライン四重奏団の芸術No.2」となっています。これはTOWER RECORDSの企画による復刻盤。もともとは日本のPLATZレーベルの録音のようです。ハイドンの弦楽弦楽四重奏曲はOp.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」、Op.76のNo.4「日の出」、Op.76のNo.5の4曲が収められています。ひばりは1989年3月ウィーンのショッテン修道院での録音、その他のハイドンの3曲は1993年9月ザルツブルク大学の大ホールでの録音。
ウィーン・ムジークフェライン四重奏団はウィーンフィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒルが1973年にコンサートマスターに就任した年に設立されたクァルテット。当初はキュッヒル四重奏団と呼ばれていましたが、ウィーンやザルツブルクでの活動、特にウィーン楽友協会(ムジークフェライン)主催の一連のコンサートでの活躍から、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団との名を冠することを許され、現在の楽団名になっているとのこと。メンバーは下記のとおり。
第1ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル(Rainer K&uumul;chl)
第2ヴァイオリン:エクハルト・ザイフェルト(Eckhard Seifert)
ヴィオラ:ハインツ・コル(Heinz Koll)
チェロ:フランツ・バルトロメイ(Frantz Bartolomey)※ひばり
チェロ:ゲアハルト・イベラー(Gerhard Iberer)※その他3曲
前々記事で取りあげた同じくウィーンフィルのメンバーで構成されたウィーン弦楽四重奏団はウェルナー・ヒンクによって1964年に設立されたクァルテット。名前も存在も紛らわしいですが、奏でる音楽は結構傾向が異なることがわかりました。
今日はウィーン・ムジークフェライン四重奏団の演奏の中から、皇帝を取りあげましょう。
Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
ウィーン弦楽四重奏団と似たウィーンらしい傾向の演奏ながら、より激しさを感じる演奏。速めのテンポ、それぞれの楽器の木質系の美しい音色は共通。ただウィーン弦楽四重奏団が完璧に制御された几帳面なテンポと磨かれた音色の魅力で聴かせていたのに対し、こちらは音色もテンポも少々荒々しさを感じさせるような迫力を帯びた演奏。奏者はかなりの力感を表現しようと力が入っています。きっちりとしたテンポ感ではなく流れに乗って自在に弾き進める感じです。録音はある意味水準のもの。ウィーン弦楽四重奏団の録音が良すぎたというところでしょう。少し遠めに定位する音像。キュッヒルのヴァイオリンは艶は十分なものの、録音のせいか線がちょっと細くフレージングも繊細。ヒンクのクッキリ朗々とした演奏とはかなり趣を異にします。
2楽章のドイツ国歌のメロディーはかなり速め。淡々と弾き進めていく感じ。徐々に間をとりフレーズ感の対比を表現していきます。ディティールではなく流れで音楽を聴かせるような演奏。
3楽章のメヌエットも速めのテンポで、前楽章同様リズムよりもやはり流れで音楽を構成。メヌエットは構成感をカッチリ表現する演奏と、この演奏のように流麗にメロディーを奏でる演奏では表現がだいぶ異なりますが、曲の一体感を表現するのにはこのような演奏の方がいいのかもしれません。ディティールやフレーズごとの音色の変化といったものではなく流れ良さを追求しているよう。
フィナーレは1楽章同様、力感が漲ります。やはり速めのアクセントをかなり明確につけて迫力を追求しているようです。後半は音が歪まんばかりのアクセント。ハイドンのクァルテットの演奏としてはちょっと振りかぶりすぎて、ボール気味の豪速球のような印象もあるフィナーレです。
ウェルナー・ヒンクのウィーン弦楽四重奏団とライナー・キュッヒルのウィーン・ムジークフェライン四重奏団とどちらもウィーンフィルのコンサートマスターを第1ヴァイオリンに擁する一流のクァルテット。ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団以来のウィーンの伝統を守る存在でもあります。この2つのクァルテットは良く聴くと鮮明な違いがありました。ウィーン弦楽四重奏団は抜群のリズム感と朗々とした面、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団は音楽の流れに乗った自然な演奏ながら破綻せんばかりの迫力を聴かせる面と同じウィーン風でもかなり異なります。私の好みは、ハイドンの演奏ということではウィーン弦楽四重奏団の方ですね。今日取りあげたウィーン・ムジークフェライン四重奏団の方の評価は[++++]とします。
ウィーンにゆかりのクァルテットといえば、もう一つ避けて通れない有名どころがありますね。そろそろ取りあげるべきでしょうね。

ウィーン・ムジークフェライン四重奏団(Wiener Musikverein Quartett)の演奏によるモーツァルト、ハイドン、シューベルト、ブラームスの弦楽四重奏曲を集めたCD8枚組のアルバム。アルバムタイトルは「ウィーン・ムジークフェライン四重奏団の芸術No.2」となっています。これはTOWER RECORDSの企画による復刻盤。もともとは日本のPLATZレーベルの録音のようです。ハイドンの弦楽弦楽四重奏曲はOp.64のNo.5「ひばり」、Op.76のNo.3「皇帝」、Op.76のNo.4「日の出」、Op.76のNo.5の4曲が収められています。ひばりは1989年3月ウィーンのショッテン修道院での録音、その他のハイドンの3曲は1993年9月ザルツブルク大学の大ホールでの録音。
ウィーン・ムジークフェライン四重奏団はウィーンフィルのコンサートマスター、ライナー・キュッヒルが1973年にコンサートマスターに就任した年に設立されたクァルテット。当初はキュッヒル四重奏団と呼ばれていましたが、ウィーンやザルツブルクでの活動、特にウィーン楽友協会(ムジークフェライン)主催の一連のコンサートでの活躍から、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団との名を冠することを許され、現在の楽団名になっているとのこと。メンバーは下記のとおり。
第1ヴァイオリン:ライナー・キュッヒル(Rainer K&uumul;chl)
第2ヴァイオリン:エクハルト・ザイフェルト(Eckhard Seifert)
ヴィオラ:ハインツ・コル(Heinz Koll)
チェロ:フランツ・バルトロメイ(Frantz Bartolomey)※ひばり
チェロ:ゲアハルト・イベラー(Gerhard Iberer)※その他3曲
前々記事で取りあげた同じくウィーンフィルのメンバーで構成されたウィーン弦楽四重奏団はウェルナー・ヒンクによって1964年に設立されたクァルテット。名前も存在も紛らわしいですが、奏でる音楽は結構傾向が異なることがわかりました。
今日はウィーン・ムジークフェライン四重奏団の演奏の中から、皇帝を取りあげましょう。
Hob.III:77 / String Quartet Op.76 No.3 "Kaiserquartetett" 「皇帝」 [C] (1797)
ウィーン弦楽四重奏団と似たウィーンらしい傾向の演奏ながら、より激しさを感じる演奏。速めのテンポ、それぞれの楽器の木質系の美しい音色は共通。ただウィーン弦楽四重奏団が完璧に制御された几帳面なテンポと磨かれた音色の魅力で聴かせていたのに対し、こちらは音色もテンポも少々荒々しさを感じさせるような迫力を帯びた演奏。奏者はかなりの力感を表現しようと力が入っています。きっちりとしたテンポ感ではなく流れに乗って自在に弾き進める感じです。録音はある意味水準のもの。ウィーン弦楽四重奏団の録音が良すぎたというところでしょう。少し遠めに定位する音像。キュッヒルのヴァイオリンは艶は十分なものの、録音のせいか線がちょっと細くフレージングも繊細。ヒンクのクッキリ朗々とした演奏とはかなり趣を異にします。
2楽章のドイツ国歌のメロディーはかなり速め。淡々と弾き進めていく感じ。徐々に間をとりフレーズ感の対比を表現していきます。ディティールではなく流れで音楽を聴かせるような演奏。
3楽章のメヌエットも速めのテンポで、前楽章同様リズムよりもやはり流れで音楽を構成。メヌエットは構成感をカッチリ表現する演奏と、この演奏のように流麗にメロディーを奏でる演奏では表現がだいぶ異なりますが、曲の一体感を表現するのにはこのような演奏の方がいいのかもしれません。ディティールやフレーズごとの音色の変化といったものではなく流れ良さを追求しているよう。
フィナーレは1楽章同様、力感が漲ります。やはり速めのアクセントをかなり明確につけて迫力を追求しているようです。後半は音が歪まんばかりのアクセント。ハイドンのクァルテットの演奏としてはちょっと振りかぶりすぎて、ボール気味の豪速球のような印象もあるフィナーレです。
ウェルナー・ヒンクのウィーン弦楽四重奏団とライナー・キュッヒルのウィーン・ムジークフェライン四重奏団とどちらもウィーンフィルのコンサートマスターを第1ヴァイオリンに擁する一流のクァルテット。ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団以来のウィーンの伝統を守る存在でもあります。この2つのクァルテットは良く聴くと鮮明な違いがありました。ウィーン弦楽四重奏団は抜群のリズム感と朗々とした面、ウィーン・ムジークフェライン四重奏団は音楽の流れに乗った自然な演奏ながら破綻せんばかりの迫力を聴かせる面と同じウィーン風でもかなり異なります。私の好みは、ハイドンの演奏ということではウィーン弦楽四重奏団の方ですね。今日取りあげたウィーン・ムジークフェライン四重奏団の方の評価は[++++]とします。
ウィーンにゆかりのクァルテットといえば、もう一つ避けて通れない有名どころがありますね。そろそろ取りあげるべきでしょうね。
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