モジリアニ四重奏団の日の出、騎士
今日は最近の録音の弦楽四重奏曲。

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モジリアニ四重奏団(Quatuor Modigliani)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.4「日の出」、Op.74のNo.3「騎士」、Op.54のNo.1の3曲を収めたアルバム。収録は2008年1月フランス中部リモージュ近郊のヴィルファヴァールのヴィルファヴァールファームでのセッション録音。レーベルはフランスのMIRARE。この収録場所はMIRAREレーベルが常用しているようですね。
La Ferme de Villefavard en Limousin(仏文・英文)
モジリアニ四重奏団は2003年に結成されたフランスのクァルテット。ジャケットを見る限りフランス人のイケメン4人組と言った感じ。2006年ニューヨークで開催された若手コンサートアーティストコンクールで優勝。その他数々の賞を受賞しています。デビュー盤は2006年メンデルスゾーンとシューマンのクァルテットを収めたアルバム。まだアルバムは数枚しかリリースされていません。メンバーは下記のとおり。
第1ヴァイオリン:フィリップ・ベルナール(Philippe Bernhard)
第2ヴァイオリン:ロイック・リオ(Loïc Rio)
ヴィオラ:ローラン・マルフェング(Laurent Margaing)
チェロ:フランソワ・キエフェル(François Kieffer)
若手のクァルテットを聴くのは楽しみですね。ハイドンの弦楽四重奏の歴史に風穴を開けるチャンスを与えられている訳ですから。今日はこのアルバムから日の出と騎士の2曲を取りあげます。
Hob.III:78 / String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
冒頭から木質系の柔らかな響きが心地よい録音。最新の録音だけあって自然さはピカイチ。自己主張の強い演奏ではなくキビキビとした自然な演奏。前記事で取りあげたウルブリヒ四重奏団が音色に対する鋭敏な感覚をもった演奏であったのに対し、モジリアニ四重奏団はむしろ素朴さを誇るような朴訥な音色。1楽章はすこし溜めがリズム感を悪くするような印象のある部分もありますが、リズムを変化させてまずまず無難に切り抜けます。眼前で実際に演奏しているようなリアリティを楽しむべき演奏でしょうか。
つづくアダージョに入り各楽器の恍惚感を交互に聴くような風情。ゆったりと、溜めを伴った各楽器のフレージングが独特の孤高な感じを醸し出しています。
メヌエットはオーソドックスにすすみますが中間部はフレーズに独自性を表そうとして少し変化を見せます。技術はなかなか上手いですが、音楽に一貫性がほしいところ。
フィナーレは冒頭からかなりの変化を見せます。ハイドンの楽譜に仕組まれた音楽を体現するというよりは、奏者の創意でのアドリブのような位置づけです。最後はきっちり盛り上げて締めます。リアルな音響のいい録音ですが、音楽性についてはもう一歩統一感が欲しいところ。
Hob.III:74 / String Quartet Op.74 No.3 "Reiterquartetett" 「騎士」 [g] (1793)
騎士の方は明るめの音色で冒頭の聴き慣れたメロディーをキビキビすすめて行きます。前曲よりもリズムの重さを感じさせない無難な入り。作為を抑えた分曲の良さを素直に楽しめる演奏。
この曲の聴き所は2楽章のラルゴ・アッサイ。1楽章よりもはっきりと力感と表現のメリハリを強めてじっくりと曲想を浮かび上がらせます。じっくりと描くフレーズに爆発するような強奏が素晴らしいコントラスト。前曲よりも明らかにキレが良くなり奏者も音楽にのっているよう。
メヌエットも前曲より覇気があっていい感じ。4人の息はピタリと合っているんですが、それぞれが朴訥な演奏なので、キレたメヌエットというより素朴なメヌエットになっているよう。
フィナーレは見事な一体感。リズムのキレ、速いパッセージのテクニックも万全。弾むように一気に弾き進めて、ハイドンの痛快なフィナーレを見事に表現しています。最後の抑えた部分と強奏部分の対比は素晴らしい効果。前曲より総じていい仕上がり。
フランスの若手クァルテットによるハイドンの傑作弦楽四重奏曲のアルバム。歴史に風穴をあけることはできなかったものの、最新の録音による自然な弦楽器の響きと、若手の創意を感じる事ができるアルバムでした。評価は日の出が[+++]、騎士が[++++]としました。

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モジリアニ四重奏団(Quatuor Modigliani)の演奏によるハイドンの弦楽四重奏曲Op.76のNo.4「日の出」、Op.74のNo.3「騎士」、Op.54のNo.1の3曲を収めたアルバム。収録は2008年1月フランス中部リモージュ近郊のヴィルファヴァールのヴィルファヴァールファームでのセッション録音。レーベルはフランスのMIRARE。この収録場所はMIRAREレーベルが常用しているようですね。
La Ferme de Villefavard en Limousin(仏文・英文)
モジリアニ四重奏団は2003年に結成されたフランスのクァルテット。ジャケットを見る限りフランス人のイケメン4人組と言った感じ。2006年ニューヨークで開催された若手コンサートアーティストコンクールで優勝。その他数々の賞を受賞しています。デビュー盤は2006年メンデルスゾーンとシューマンのクァルテットを収めたアルバム。まだアルバムは数枚しかリリースされていません。メンバーは下記のとおり。
第1ヴァイオリン:フィリップ・ベルナール(Philippe Bernhard)
第2ヴァイオリン:ロイック・リオ(Loïc Rio)
ヴィオラ:ローラン・マルフェング(Laurent Margaing)
チェロ:フランソワ・キエフェル(François Kieffer)
若手のクァルテットを聴くのは楽しみですね。ハイドンの弦楽四重奏の歴史に風穴を開けるチャンスを与えられている訳ですから。今日はこのアルバムから日の出と騎士の2曲を取りあげます。
Hob.III:78 / String Quartet Op.76 No.4 "Sonnenaufgang" 「日の出」 [B flat] (1797)
冒頭から木質系の柔らかな響きが心地よい録音。最新の録音だけあって自然さはピカイチ。自己主張の強い演奏ではなくキビキビとした自然な演奏。前記事で取りあげたウルブリヒ四重奏団が音色に対する鋭敏な感覚をもった演奏であったのに対し、モジリアニ四重奏団はむしろ素朴さを誇るような朴訥な音色。1楽章はすこし溜めがリズム感を悪くするような印象のある部分もありますが、リズムを変化させてまずまず無難に切り抜けます。眼前で実際に演奏しているようなリアリティを楽しむべき演奏でしょうか。
つづくアダージョに入り各楽器の恍惚感を交互に聴くような風情。ゆったりと、溜めを伴った各楽器のフレージングが独特の孤高な感じを醸し出しています。
メヌエットはオーソドックスにすすみますが中間部はフレーズに独自性を表そうとして少し変化を見せます。技術はなかなか上手いですが、音楽に一貫性がほしいところ。
フィナーレは冒頭からかなりの変化を見せます。ハイドンの楽譜に仕組まれた音楽を体現するというよりは、奏者の創意でのアドリブのような位置づけです。最後はきっちり盛り上げて締めます。リアルな音響のいい録音ですが、音楽性についてはもう一歩統一感が欲しいところ。
Hob.III:74 / String Quartet Op.74 No.3 "Reiterquartetett" 「騎士」 [g] (1793)
騎士の方は明るめの音色で冒頭の聴き慣れたメロディーをキビキビすすめて行きます。前曲よりもリズムの重さを感じさせない無難な入り。作為を抑えた分曲の良さを素直に楽しめる演奏。
この曲の聴き所は2楽章のラルゴ・アッサイ。1楽章よりもはっきりと力感と表現のメリハリを強めてじっくりと曲想を浮かび上がらせます。じっくりと描くフレーズに爆発するような強奏が素晴らしいコントラスト。前曲よりも明らかにキレが良くなり奏者も音楽にのっているよう。
メヌエットも前曲より覇気があっていい感じ。4人の息はピタリと合っているんですが、それぞれが朴訥な演奏なので、キレたメヌエットというより素朴なメヌエットになっているよう。
フィナーレは見事な一体感。リズムのキレ、速いパッセージのテクニックも万全。弾むように一気に弾き進めて、ハイドンの痛快なフィナーレを見事に表現しています。最後の抑えた部分と強奏部分の対比は素晴らしい効果。前曲より総じていい仕上がり。
フランスの若手クァルテットによるハイドンの傑作弦楽四重奏曲のアルバム。歴史に風穴をあけることはできなかったものの、最新の録音による自然な弦楽器の響きと、若手の創意を感じる事ができるアルバムでした。評価は日の出が[+++]、騎士が[++++]としました。
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