モザイク四重奏団のOp.20のNo.5
今日も古楽器による弦楽四重奏。

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モザイク四重奏団(Quatuor Mosaïques)の演奏でハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.1、No.5、No.6の3曲を収めたアルバム。収録は1992年5月、ウィーンのCasino Zögernitzというところでのセッション録音。レーベルはASTRÉE。
すでにこの単体アルバムは廃盤で、モザイク四重奏団のハイドンの弦楽四重奏曲全10枚を5枚ずつにまとめたボックスになっていますので今手に入れるならこちらでしょう。私も一部持っていないアルバムがあるので、地道に単体盤をさがすか全集を買うか悩ましいところです。

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モザイク四重奏団は1987年の設立。メンバーはアーノンクールのウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの団員ということでオーストリアの古楽器クァルテットです。メンバーは下記のとおり。クリストフ・コワンはフランス人ですが、他の3人はオーストリア人とのこと。
第1ヴァイオリン:エーリヒ・ヘーバルト(Erich Höbarth)
第2ヴァイオリン:アンドレア・ビショフ(Andrea Bischof)
ヴィオラ:アニタ・ミッテラー(Anita Mitterer)
チェロ:クリストフ・コワン(Christophe Coin)
前記事で取りあげたザロモン四重奏団同様、古楽器のクァルテットとしては代表的な団体でしょう。そのモザイク四重奏団のハイドンはザロモン四重奏団とはまた異なる古楽器の魅力をもつ演奏でした。
Hob.III:35 / String Quartet Op.20 No.5 [f] (1772)
楽器の違いでしょうか。ザロモン四重奏団のキツい音とは異なり、豊かな胴鳴りで柔らかめの音。録音は眼前にクァルテットがリアルに定位するもの。直接重視ながら残響も適度にあり聴きやすい音。
1楽章は短調の曲ながらほんのりと明るい響き。一音一音非常に丁寧なデュナーミクをつけて、緻密なコントロール。ヴァイオリンのヘーバルトは軽々としたリズムと伸びのよい響きが特徴。比較的あっさりとメロディーラインを奏でて行きます。逆に雄弁なのはチェロのコワンとヴィオラのミッテラー。後半になるに従って起伏も大きくなりフレーズのキレも良くなってきます。
2楽章のメヌエットは、1楽章との連続性を感じる入り。楽章間の対比というより曲全体の流れを重視した解釈でしょう。古楽器の雅な音色を生かした自然な演奏。所々つぶやくような表現を織り交ぜながら曲の素朴な面に光を当てた演奏。流れがすっと切れてはまた流れるような蝶が花を巡ってさまようような趣。この曲の短調の険しさよりも、短調のほの暗い雰囲気の中で朴訥な美しさを感じさせるメヌエット。
3楽章のアダージョは素朴な美しさが極まります。ゆったりと刻まれるチェロとヴィオラなどによる伴奏にのってヴァイオリンが自在にメロディーを奏でます。ハイドンの弦楽四重奏曲の素朴なメロディーの真髄を捉えたような演奏。この楽章は絶品。のびのびとしたフレーズに音楽が宿ります。
フィナーレもまたゆったりとしたテンポで、フーガをじっくり表現していきます。途中からチェロが楔を打つように入り、起伏を増して大胆さを加えますが、じっくりとした素朴さは保ち、盛り上がるというよりは自然に終わりを迎えるようなフィニッシュ。
ハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の傑作四重奏曲ですが、起伏や光と影といった表情よりも素朴な肌触りと自然なフレージングを楽しむような演奏。まさに音を楽しめと言われているような演奏でした。前記事のザロモン四重奏団がクッキリとハイドンの機知と構成を描ききっているのとは異なるアプローチ。おそらく根底にあるのはウィーンの伝統なんでしょうか。評価は[++++]としておきます。
10月は弦楽四重奏曲を集中的に聴いてきましたが、聴けば聴くほどその魅力にハマりますね。今月のレビューはこの記事で終わりにして、明日は恒例のHaydn Disk of the Monthです。
ちなみに、11月は今月に続いて弦楽四重奏曲とピアノトリオやバリトントリオなど室内楽全般に守備範囲を広げて、芸術の秋を楽しみたいと思っています。

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モザイク四重奏団(Quatuor Mosaïques)の演奏でハイドンの弦楽四重奏曲Op.20のNo.1、No.5、No.6の3曲を収めたアルバム。収録は1992年5月、ウィーンのCasino Zögernitzというところでのセッション録音。レーベルはASTRÉE。
すでにこの単体アルバムは廃盤で、モザイク四重奏団のハイドンの弦楽四重奏曲全10枚を5枚ずつにまとめたボックスになっていますので今手に入れるならこちらでしょう。私も一部持っていないアルバムがあるので、地道に単体盤をさがすか全集を買うか悩ましいところです。

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モザイク四重奏団は1987年の設立。メンバーはアーノンクールのウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの団員ということでオーストリアの古楽器クァルテットです。メンバーは下記のとおり。クリストフ・コワンはフランス人ですが、他の3人はオーストリア人とのこと。
第1ヴァイオリン:エーリヒ・ヘーバルト(Erich Höbarth)
第2ヴァイオリン:アンドレア・ビショフ(Andrea Bischof)
ヴィオラ:アニタ・ミッテラー(Anita Mitterer)
チェロ:クリストフ・コワン(Christophe Coin)
前記事で取りあげたザロモン四重奏団同様、古楽器のクァルテットとしては代表的な団体でしょう。そのモザイク四重奏団のハイドンはザロモン四重奏団とはまた異なる古楽器の魅力をもつ演奏でした。
Hob.III:35 / String Quartet Op.20 No.5 [f] (1772)
楽器の違いでしょうか。ザロモン四重奏団のキツい音とは異なり、豊かな胴鳴りで柔らかめの音。録音は眼前にクァルテットがリアルに定位するもの。直接重視ながら残響も適度にあり聴きやすい音。
1楽章は短調の曲ながらほんのりと明るい響き。一音一音非常に丁寧なデュナーミクをつけて、緻密なコントロール。ヴァイオリンのヘーバルトは軽々としたリズムと伸びのよい響きが特徴。比較的あっさりとメロディーラインを奏でて行きます。逆に雄弁なのはチェロのコワンとヴィオラのミッテラー。後半になるに従って起伏も大きくなりフレーズのキレも良くなってきます。
2楽章のメヌエットは、1楽章との連続性を感じる入り。楽章間の対比というより曲全体の流れを重視した解釈でしょう。古楽器の雅な音色を生かした自然な演奏。所々つぶやくような表現を織り交ぜながら曲の素朴な面に光を当てた演奏。流れがすっと切れてはまた流れるような蝶が花を巡ってさまようような趣。この曲の短調の険しさよりも、短調のほの暗い雰囲気の中で朴訥な美しさを感じさせるメヌエット。
3楽章のアダージョは素朴な美しさが極まります。ゆったりと刻まれるチェロとヴィオラなどによる伴奏にのってヴァイオリンが自在にメロディーを奏でます。ハイドンの弦楽四重奏曲の素朴なメロディーの真髄を捉えたような演奏。この楽章は絶品。のびのびとしたフレーズに音楽が宿ります。
フィナーレもまたゆったりとしたテンポで、フーガをじっくり表現していきます。途中からチェロが楔を打つように入り、起伏を増して大胆さを加えますが、じっくりとした素朴さは保ち、盛り上がるというよりは自然に終わりを迎えるようなフィニッシュ。
ハイドンのシュトルム・ウント・ドラング期の傑作四重奏曲ですが、起伏や光と影といった表情よりも素朴な肌触りと自然なフレージングを楽しむような演奏。まさに音を楽しめと言われているような演奏でした。前記事のザロモン四重奏団がクッキリとハイドンの機知と構成を描ききっているのとは異なるアプローチ。おそらく根底にあるのはウィーンの伝統なんでしょうか。評価は[++++]としておきます。
10月は弦楽四重奏曲を集中的に聴いてきましたが、聴けば聴くほどその魅力にハマりますね。今月のレビューはこの記事で終わりにして、明日は恒例のHaydn Disk of the Monthです。
ちなみに、11月は今月に続いて弦楽四重奏曲とピアノトリオやバリトントリオなど室内楽全般に守備範囲を広げて、芸術の秋を楽しみたいと思っています。
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