作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

コリン・デイヴィス/バイエルン放送響の「ロンドン」ライヴ

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だんだん寒さが身にしみる季節になってきましたね。このところ仕事やら飲みやら帰宅が遅く更新が途絶えがちです。今日は心機一転交響曲のライヴ。

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サー・コリン・デイヴィス(Sir Colin Davis)指揮のバイエルン放送交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」とエルガーのエニグマ変奏曲の2曲を収めたCD-R。収録は1990年代としか記載されていませんのでロケーションも不明です。レーベルはLIVE SUPREMEというCD-Rでは良く見かけるレーベル。

このアルバムは最近オークションで手に入れたもの。コリン・デイヴィスのハイドンはこれまで5回取りあげていますがセッション録音の交響曲は今ひとつリズムのキレが悪いところがあり、素直におすすめできないのですが、ライヴの方は流石に古典的な均整のとれた素晴らしい盛り上がりが聴かれ、セッション録音とは次元の異なる仕上がりを感じさせます。私の印象はライヴの人。過去の記事はこちら。

2011/08/19 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の熊、雌鶏
2011/08/13 : ハイドン–声楽曲 : 【お盆特番3】コリン・デイヴィス/バイエルン放送交響楽団のネルソンミサ
2011/06/16 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-2
2011/06/14 : ハイドン–オラトリオ : コリン・デイヴィスの天地創造ライヴ-1
2010/07/17 : ハイドン–交響曲 : コリン・デイヴィスの時計ライブ

そのデイヴィスの「ロンドン」のライヴということで手に入れた次第。このアルバムは期待通り、コリン・デイヴィスのジェントルなスタイルの中での程よい盛り上がりが聴かれるなかなかの演奏。名盤「春の祭典」を振ったデイヴィスに再会した気持ちになります。

Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
聴き慣れたメロディーですが、冒頭から気合い漲る渾身の序奏。デイヴィスらしい古典的均整のとれた素晴らしい立体感ある音響。デイヴィスの演奏に期待される響きが姿を現します。中庸なテンポながら軽快なリズム感とちょっと跳ねるような弾力のある進行。徐々に表現の幅が広がって行き、知らぬ間にオケもフルスロットルに。威風堂々とした主題と変奏。一貫して自然なテンポと流麗なフレージングで1楽章の終結に向けて起伏を大きくしていきます。録音は若干安定感に欠けるような印象の部分もありますが、基本的に聴きやすいもの。
アンダンテは抑制を効かせた表現ながら、間のとり方がうまく燻し銀のような玄人好みの演奏。やはりデイヴィスならではのしっかりとした芯のある音響。ヴァイオリンをはじめとした弦楽器の艶やかな響きの美しさが印象的。
メヌエットもテンポ感のよい流麗なもの。このほとんど溜めのないすっきりとしたフレージングがコリン・デイヴィスの特徴。テンポの自然さ、揺るぎない構成感に流麗なメロディー。言う事ありません。
そして、それに力感が加わったフィナーレ。少しざっくりした荒々しさを加えて、オケに迫力を宿します。均整のとれたギリシャ彫刻のような美しい力感。ヴァイオリンのフレーズは流麗さを極め、異次元の美しさ。最後はデイヴィスがオケを煽ってテンポを上げ、素晴らしいクライマックス。拍手はなく会場ノイズなどもないことから放送用の録音でしょうか。

サー・コリン・デイヴィス渾身のロンドンです。これまでのデイヴィスの交響曲の録音の中では一押しの出来。流石に録音はCD-Rだけあって同時代のセッション録音よりは少し落ちますが、演奏の迫力を聴くには十分なものです。まさに大理石の透明感まで味わえる大神殿のようなロンドンでした。評価はもちろん[+++++]とします。

10月も残り数日となってきましたので、そろそろ今月の一枚をどうするか考えながら週末にレビューするアルバムを選びたいと思います。
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