作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

スクロヴァチェフスキ、オペラシティでのブルックナー爆演

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今日は東京オペラシティでコンサート。

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東京オペラシティ文化財団:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団

スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ指揮のザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニーの東京公演。プログラムはモーツァルトの交響曲41番「ジュピター」とブルックナーの交響曲4番「ロマンティック」。

スクロヴァチェフスキのコンサートは昨年3月に読売日本交響楽団の音楽監督最後の公演でブルックナーの8番を聴き、生のオーケストラの大伽藍を満喫しました。今度はおなじみのオケとの組み合わせでの公演と知り、チケットをとってあったもの。スクロヴァチェフスキの年齢を考えると、もう何度も聴けないとの思いもあります。以前のコンサートレポートはこちら。

2010/03/25 : コンサートレポート : 読響最後のスクロヴァチェフスキ



久々のオペラシティ。今日は仕事が予定通り終わったので、オペラシティには開場間もなくの時間に到着。

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いつも通り、オペラシティのカフェでサンドウィッチと白ワイン、嫁さんはコーヒーで腹ごしらえ。入口でもらったチラシ等をちらちら見ながらワインでいい気分。オペラシティは規模が大きすぎず、落ち着いた雰囲気がいいですね。

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今日の席は右側前から数列のいい席。いつものように開演前のざわめきを楽しみながらのんびりと待ちます。開演前のステージをこっそりパチリ。今日は指揮台の周囲に4本のマイクが立てられていましたので、ライヴ収録があるようですね。終演後ドイツの放送局が録音していたとの張り紙がしてありました。

お客さんの入りは前の方が少し空いていましたが、程よく埋まってちょうどいい感じ。

定刻を少し過ぎたころにオケがステージに上がります。最初はジュピターなので編成は大きくありません。オケがそろって2段階のチューニングが終わったところで、割れんばかりの拍手のなかスクロバチェフスキが登場。1923年生まれということで88歳! お元気そうではありますが、指揮台に登るときに手すりに頼らないと登れなさそうなところに年齢を感じます。

独特の短い指揮棒を振り上げた途端、引き締まったジュピターの1楽章がはじまります。音楽がはじまるととても88歳という年齢が信じられない機敏な動き。ジュピターは速めのテンポでドイツの重厚さを感じさせながらも非常に引き締まったタイトな響き。下手な若手の指揮よりもよほど若々しい響きに驚きます。ノンヴィブラートだったりするようなことはなく、新しいスタイルではありませんが、キビキビとしたフレージングと独特のメリハリ、アクセントが音楽を活き活きとさせています。3楽章までは、それでもエンジン全開前のならし運転のような風情もありましたが、終楽章に入ると、異次元の迫力。テンポは一層速まり、アクセントのキレも最高。そしてオケから放たれる凄まじいエネルギー。アポロン神殿のような均整のとれた古典的姿ではなく、畳み掛けるエクスタシーのような終楽章。モーツァルトの天才的は音楽がスクロヴァチェフスキの魔術で古典的均整を越えたデフォルメすら感じさせるエネルギーの塊のようなフィナーレとなりました。前半のプログラムから嵐のような拍手とブラヴォー。恐ろしいエネルギーにしばし放心。

休憩にはいると早速ステージ一杯にオケの座席を拡張。後半のブルックナーは私の聴いたコンサートでは間違いなく一番の出来。号砲と静寂、祈りにも似た深い弦の響き。ブルックナーの交響曲の録音では伝わなない殺気のようなものまで感じさせる素晴らしい体験でした。

1楽章はステージ全体から発せられる抑えこんださざ波のようなトレモロにホルンの聞き慣れたフレーズ。会場の霧のような静寂からほのかに光が射すようなブルックナー特有の開始。録音で聴くのとは明らかに異なる気配。冒頭からフルオーケストラが振り切れるような号砲とスクロヴァチェフスキ特有のドイツ風ながら伸びのある弦のメロディーが繰り返され、いきなりブルックナーの大伽藍が眼前に出現。ジュピターとは逆にゆったりしたテンポとスクロヴァチェフスキ流の間を挟んだ流れのよいフレージングでブルックナーの名旋律をたどって行きます。長大な1楽章だけでも壮大な建築物を眺めるような緊密な構築感。今日はオーケストラのノリもよく、ヴァイオリンパートは素晴らしく深いフレージング。そしてブルックナーのメロディを奏でるのに最も特徴的なのがヴィオラ。今日はヴィオラもキレていました。ホルンは非常に安定した演奏。右サイドだったのでコントラバスも素晴らしいメリハリを表現しているのが良く聴こえました。
2楽章はピチカートを多用して朴訥なメロディーを浮かび上がらせます。終盤の盛り上がりは素晴らしい効果。フルオーケストラの号砲とその消え入る余韻までのタケミツメモリアルの空間に響き渡る余韻。オーケストラの醍醐味を満喫。3楽章は何度もオーケストラが爆発。3楽章が終わるとスクロヴァチェフスキは眼鏡をはずして汗を拭くほど。
そしてフィナーレは宇宙との交信のごとき超絶的な音楽。最後の一音がなり終わった後はしばしの静寂。スクロヴァチェフスキが手をおろしてようやく拍手とブラヴォーの嵐。オケのメンバーの快心の笑顔が今日の出来を物語っていましたね。スクロヴァチェフスキはやはりオーケストラコントロールの達人ですね。

今日はオペラシティのホールが吹き飛ばんばかりの素晴らしい迫力でした。何度もステージに呼び戻されブラヴォーの嵐。最後はオケが出払った後も、今日大活躍の首席ホルン奏者やコンサートマスターと一緒に拍手に応じていました。今日は心に残るいいコンサートでした。



コンサート前のサンドウィッチももう消化済み。それゆえオペラシティの地下鉄からの入口の横にあるインドカレーで嫁さんと反省会。

食べログ:ガンジス 初台オペラシティ店

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もちろん、生ビール。嫁さんはマンゴビール(笑)

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カレーのセットを頼んだら出てきた野菜スープ(ニンニク風味)。なかなか旨い。

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ナンとご飯にカレー2種、タンドリーチキンのようなものにサラダまでついています。カレーはマイルド系ながら生姜が効いていました。なかなかのお味でしたね。



今日は十分いいコンサートを堪能できました。明日からまた仕事ですね。ふぅ。
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2 Comments

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ライムンド

No title

Daisyさん、こんばんは。スクロバチェフスキのブルックナーはCDで持っていますが長らく聴いていません。クールなイメージが残っていますが、かなり盛り上がったようですね。CD録音の頃からもう10年以上経過しているので変わっていても不思議ではありません。それにしても88歳だったとは。

  • 2011/10/20 (Thu) 22:34
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Daisy

Re: No title

ライムンドさん、コメントありがとうございます。
私もブルックナーの交響曲全集もってますが、同様、長らく聴いていません(笑)。全集で買うとなかなか全部聴くということになりませんね。スクロヴァチェフスキは昔、テレビでN響との第九をみて、あまりの迫力に興味をもって以来、結構注目していろいろ聴いています。昨日のコンサートも88歳の人の奏でる音楽とは信じられないエネルギーの塊のような音楽でした。できれば生きているうちに天地創造でも録音してもらいたいものです。

  • 2011/10/20 (Thu) 23:23
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