ギュンター・ヴァント/ベルリン交響楽団の交響曲76番ライヴ
弦楽四重奏曲が続いているので、箸休めで交響曲です。最近オークションで手に入れました。

ギュンター・ヴァント(Gunter Wand)指揮のベルリン交響楽団の演奏でハイドンの交響曲76番、NDR交響楽団とニキタ・マガロフ(Nikita Magalof)のピアノでピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、その他シューベルトの交響曲「未完成」、ブルックナーの交響曲8番、9番を収めた4枚組のCD-R。ハイドンの演奏は交響曲76番が1997年10月、ピアノ協奏曲が1985年12月、何れもライヴのようです。レーベルはTREASURE OF THE EARTH、地球の至宝というレーベル。今日はこの中から交響曲76番を取りあげます。
ギュンター・ヴァントの交響曲76番は以前に1996年NDR交響楽団とのリューベックでのコンサートの模様を収めたDVDを取りあげています。
2010/12/27 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァントの交響曲76番DVD
このDVDの76番はまさに神憑ったようなヴァントのコントロールによる、ハイドンのマイナーな交響曲の完璧な演奏でした。今回のCD-RはこのDVDの1年後の演奏だけに期待が高まります。ヴァントはこの曲を得意としていたようで、手元にある9種の交響曲76番のうち3種がヴァントのもの。このほかに1973年ケルン放送交響楽団の演奏もあります。
Hob.I:76 / Symphony No.76 [E flat] (1782?)
Disk1のハイドンの交響曲をかけると、何とピアノ協奏曲ではありませんか。気を取り直してDisk3のピアノ協奏曲をかけると、聴き慣れた76番のメロディーが。曲を取り違えているということですね。CD-Rということでご愛嬌でしょう。
交響曲は冒頭から少し高音が詰まり気味、低音がボンつき気味の録音。鮮度自体が悪い訳ではありませんので慣れれば問題ありません。ヴァントの鋭い眼光が想像できるような推進力抜群で引き締まった筋肉質の演奏。ここでもヴァントの統制が行き渡っています。突き抜ける青空のようなハイドンの晴朗なメロディ魅力炸裂。そして引き締まったコントロールによる起伏。シンプルな曲想をきっちり仕上げて行くお手並みはこのアルバムでも健在。伴奏にまわる弦のキレも最高。繰り返し演奏してこの曲の真髄を極めたヴァントならではの完成度。陽光に輝くパルテノン神殿の完璧なプロポーションを思い起こさせます。古典の極み、音楽の悦び、ハイドンの真髄がつまった素晴らしい演奏。細かいフレージングのメリハリもこのアルバムの演奏が最もキレがあります。1楽章からアドレナリン大噴出。
楽章間の咳払いでライヴと気づくほど演奏中のノイズは気になりません。2楽章のアダージョは完璧なバランス。完璧なフレージング。ヴァントの統制が行き渡って究極の自然さ。大きな視点から曲の起伏を制御。半ばの盛り上がりと細かなフレーズのデュナーミクの巧みな組み合わせ。老練な指揮者がコントロールする異次元の自然さ。ごく普通の自然な演奏とは格の違う芸術性を感じます。
3楽章のメヌエット
も達人の楷書を見るような力感と間の織りなす表現が秀逸。力を抜いた部分と力を込めた部分のコントラスト、リズムの変化、そしてかわらぬ自然さ。この楽章も完璧な表現。
フィナーレは小曲ながら最後の盛り上がりへの期待にわくわくするようなはじまりから、徐々にオケに気合いが乗る様子が手に取るようにわかる演奏。展開部の転調と変奏の部分でも鬼気迫る迫力。最後は曲の魂を音に置き換えるだけのような澄み切った心境の演奏で終了。会場の拍手がホールの感動を伝えます。
ヴァントの未知の76番の演奏ということで入手しましたが、ボンつく録音など気にならない素晴らしい演奏。やはりヴァントが好んで演奏しただけあってその完成度は素晴らしいもの。マイナーなこの曲をヴァントが演奏するとハイドンの音楽の真髄が浮かび上がる名曲に仕上がってしまいます。以前取りあげたDVDもいいですが、この演奏も純粋に音楽を楽しめる素晴らしいものでした。評価はもちろん[+++++]。ハイドンの交響曲の好きな方には絶対のおすすめ盤です。

ギュンター・ヴァント(Gunter Wand)指揮のベルリン交響楽団の演奏でハイドンの交響曲76番、NDR交響楽団とニキタ・マガロフ(Nikita Magalof)のピアノでピアノ協奏曲(Hob.XVIII:11)、その他シューベルトの交響曲「未完成」、ブルックナーの交響曲8番、9番を収めた4枚組のCD-R。ハイドンの演奏は交響曲76番が1997年10月、ピアノ協奏曲が1985年12月、何れもライヴのようです。レーベルはTREASURE OF THE EARTH、地球の至宝というレーベル。今日はこの中から交響曲76番を取りあげます。
ギュンター・ヴァントの交響曲76番は以前に1996年NDR交響楽団とのリューベックでのコンサートの模様を収めたDVDを取りあげています。
2010/12/27 : ハイドン–交響曲 : ギュンター・ヴァントの交響曲76番DVD
このDVDの76番はまさに神憑ったようなヴァントのコントロールによる、ハイドンのマイナーな交響曲の完璧な演奏でした。今回のCD-RはこのDVDの1年後の演奏だけに期待が高まります。ヴァントはこの曲を得意としていたようで、手元にある9種の交響曲76番のうち3種がヴァントのもの。このほかに1973年ケルン放送交響楽団の演奏もあります。
Hob.I:76 / Symphony No.76 [E flat] (1782?)
Disk1のハイドンの交響曲をかけると、何とピアノ協奏曲ではありませんか。気を取り直してDisk3のピアノ協奏曲をかけると、聴き慣れた76番のメロディーが。曲を取り違えているということですね。CD-Rということでご愛嬌でしょう。
交響曲は冒頭から少し高音が詰まり気味、低音がボンつき気味の録音。鮮度自体が悪い訳ではありませんので慣れれば問題ありません。ヴァントの鋭い眼光が想像できるような推進力抜群で引き締まった筋肉質の演奏。ここでもヴァントの統制が行き渡っています。突き抜ける青空のようなハイドンの晴朗なメロディ魅力炸裂。そして引き締まったコントロールによる起伏。シンプルな曲想をきっちり仕上げて行くお手並みはこのアルバムでも健在。伴奏にまわる弦のキレも最高。繰り返し演奏してこの曲の真髄を極めたヴァントならではの完成度。陽光に輝くパルテノン神殿の完璧なプロポーションを思い起こさせます。古典の極み、音楽の悦び、ハイドンの真髄がつまった素晴らしい演奏。細かいフレージングのメリハリもこのアルバムの演奏が最もキレがあります。1楽章からアドレナリン大噴出。
楽章間の咳払いでライヴと気づくほど演奏中のノイズは気になりません。2楽章のアダージョは完璧なバランス。完璧なフレージング。ヴァントの統制が行き渡って究極の自然さ。大きな視点から曲の起伏を制御。半ばの盛り上がりと細かなフレーズのデュナーミクの巧みな組み合わせ。老練な指揮者がコントロールする異次元の自然さ。ごく普通の自然な演奏とは格の違う芸術性を感じます。
3楽章のメヌエット
も達人の楷書を見るような力感と間の織りなす表現が秀逸。力を抜いた部分と力を込めた部分のコントラスト、リズムの変化、そしてかわらぬ自然さ。この楽章も完璧な表現。
フィナーレは小曲ながら最後の盛り上がりへの期待にわくわくするようなはじまりから、徐々にオケに気合いが乗る様子が手に取るようにわかる演奏。展開部の転調と変奏の部分でも鬼気迫る迫力。最後は曲の魂を音に置き換えるだけのような澄み切った心境の演奏で終了。会場の拍手がホールの感動を伝えます。
ヴァントの未知の76番の演奏ということで入手しましたが、ボンつく録音など気にならない素晴らしい演奏。やはりヴァントが好んで演奏しただけあってその完成度は素晴らしいもの。マイナーなこの曲をヴァントが演奏するとハイドンの音楽の真髄が浮かび上がる名曲に仕上がってしまいます。以前取りあげたDVDもいいですが、この演奏も純粋に音楽を楽しめる素晴らしいものでした。評価はもちろん[+++++]。ハイドンの交響曲の好きな方には絶対のおすすめ盤です。
- 関連記事
-
-
ヒュー・ウルフ/セント・ポール室内管の86番
2011/12/19
-
クナッパーツブッシュ/ウィーンフィルの88番
2011/11/19
-
コリン・デイヴィス/バイエルン放送響の「ロンドン」ライヴ
2011/10/28
-
ライスキ/ポーランド室内管の王妃、雌鶏、狩
2011/10/17
-
ギュンター・ヴァント/ベルリン交響楽団の交響曲76番ライヴ
2011/10/15
-
ヘルムート・ミュラー=ブリュール/ケルン室内管弦楽団の交響曲72番等
2011/10/05
-
エイドリアン・シェファード/カンティレーナの悲しみ、受難、マーキュリー
2011/09/25
-
ディミトリ・ミトロプーロス/ニューヨークフィルの軍隊、80番
2011/09/16
-
ブルーノ・ワルター/フランス国立管弦楽団の「奇跡」
2011/09/07
-