作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

モーシェ・アツモン/ワールド・シンフォニー・オーケストラの天地創造アッシジライヴ-2

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昨夜は途中までですみません。天地創造は平日取りあげるには大物すぎるんですね(笑)

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Hob.XXI:2 / "Die Schöpfung" 「天地創造」 (1796-1798)
今日はCD-2の第二部冒頭から。長い残響の音に慣れたせいか普通に演奏を楽しめるようになりました。最初はガブリエルのレチタチーヴォとアリア。厚い響きにくっきり隈取りを描くようにマティスの高音の声が突き抜けます。ラファエルのレチタティーヴォをはさんで第18曲の三重唱。アツモンのテンポ感のよい快活な演奏で通常のアルバムでCD-1の終わりにくる第19曲の第二部の前半のクライマックスのコーラスと三重唱。非常に楽天的な幸福感に満ちたクライマックス。コーラスがオーロラのような輝きで全体の色彩感を増して素晴らしい盛り上がり。

第二部後半はラファエルのレチタティーヴォとアリアから。このアリアはいつものように神々しいメロディーの高揚感に包まれる瞬間ですが、先程から気になり始めたのが、少々楽天的に過ぎるようなアツモンのコントロール。音楽自体のキレはあるものの、険しさというか峻厳さというか、この曲で感じられる厳かな雰囲気が少し弱いでしょうか。つづいて、ウリエルのレチタティーヴォとアリア。シュライアー盤のDVDの時もテノールの神様の前で聴かせた見事な伸びのプレガルディエンのテノール。このアルバムでもくっきりしたテノールの魅力に溢れた歌唱。第26曲のコーラスをはさんで第27曲の三重唱に至って先程までの明るさが消え、しっとりとそして深い響きに変化。ソロ主体でオケが静まる第二部後半の聴かせどころに入ります。そして意外に素晴らしかったのが第二部の終曲、第28曲。コーラスによって次から次へと襲ってくる波のようなフーガの調べ。バシリカ内に響き渡る大迫力の音響。この曲がこれほどの迫力と滑らかさと感興をとも鳴って聴こえるとは思いませんでした。

そして第三部に入りますが、これまでの楽天的な雰囲気が一変して、非常にしっとりした序奏。呼吸も深くデリカシーも十分。出だしのプレガルディエンのレチタティーヴォは遠くから響くホルンとテノールの溶け合うような素晴らしい響き。そして第三部のハイライトのアダムとエヴァのデュエットはちょっと速めのテンポで、可憐さより朗々とした感じの歌唱が特徴的。前半のデュエットよりも後半の合唱の迫力で聴かせる演奏。レチタティーヴォを経て、2番目のアダムとエヴァのデュエットも歌の掛け合いよりも後半のオケの盛り上がりが聴き所となってます。特徴的なメロディーを小気味良く表現。そして最後の第34曲は期待通り素晴らしい迫力。この演奏では盛り上がる部分の力感ではなく快感に近いすかっとした盛り上がりと残響によるものと思われる非常になめらかな感触の響きの魅力が抜きん出てます。この終曲が今ひとつ消化不良で終わる演奏も多い中、この曲が終曲にされた意味がよくわかる非常に盛り上がるフィニッシュ。最後はじわりと拍手に包まれて終わります。

アッシジの聖フランチェスコ大聖堂で行われたモーシェ・アツモン指揮のワールド・シンフォニー・オーケストラによる天地創造のライヴ。大聖堂の長い残響が非常に印象的な演奏。アツモンの指揮は総じて上手く曲をまとめておりなかなかの出来で、魅力的なコントロール。聴き所はやはり各部の最後のクライマックスの盛り上がり。歌手も粒ぞろい、合唱も非常に上手いです。ただ深みという意味ではもう一超え欲しいところ。評価はこの曲の峻厳さを表すという意味ではまだ上があるということで[++++]としたいと思います。アッシジの大聖堂でのライヴという意味で他に聴くことが出来ない貴重な演奏の記録でもあります。
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