ブルーノ・ワルター/フランス国立管弦楽団の「奇跡」
今日は巨匠ブルーノ・ワルターのハイドン。

ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)指揮のフランス国立管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲96番「奇跡」。奇跡の前にはベルリンフィルとのブラームスの交響曲2番、後にはストックホルムフィルとのモーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークが置かれています。奇跡の演奏について、ライナーノーツには収録は1955年とだけ記載されていますが、ワルターのディスコグラフィーをネットで調べると1955年5月12日、パリのシャンゼリゼ劇場でのライヴとのこと。レーベルは懐かしいイタリアのASdisc。なぜか郷愁を感じるASdiscの定番ジャケットデザインですね。
ワルターのハイドンの交響曲は以前に一度取りあげています。同じASdiscのアルバムでした。
2011/04/17 : ハイドン–交響曲 : 爆演、ブルーノ・ワルターの86番、88番
ワルターほどになると、ディスコグラフィーも大変充実しています。下記のサイトにはワルターのハイドンの演奏がいろいろあることがわかりますが、まだ未入手のものもあります。
Recorded Performances of Bruno Walter(英文)
かなり決まった曲を繰り返し取りあげるようなイメージがありますが、今回取りあげた96番奇跡はワルターが得意としていた曲のようです。上記のディスコグラフィーによると4種の演奏があることがわかります。
1937年5月5日:ウィーンフィル
1954年11月29日、12月6日:ニューヨークフィル
1954年11月21日:ニューヨークフィル(カーネギーホールライヴ)
1955年5月12日:フランス国立管弦楽団(シャンゼリゼ劇場ライヴ)
最後の演奏が今回のアルバム。3番目の演奏のみ未入手でどうやら同じくASdiscからアルバムがリリースされているようですので、気長に中古やオークションを探してみようと思います。
ワルターは1876年生まれで1962年に亡くなっていますので、この演奏はワルター78歳のライヴということになりますが、我々の世代になじみのあるコロンビア交響楽団との最晩年のスタジオ録音で聴かれる慈しみ深い演奏とはかなり印象が異なり、抜群の生気とエネルギー。カザルスの演奏のときも驚きましたが、今更ながらこの年齢でこのエネルギー感は見事という他ありません。かくありたいものです、私も(笑)
Hob.I:96 / Symphony No.96 "The Miracle" 「奇跡」 [D] (1791)
冒頭の序奏から素晴らしい覇気。オケはちょっと荒々しい感じはしますが、主題に入るとテンポが上がり、粗いながらも生気が漲る演奏。ワルターらしいちょっと早足ですすむ、というか一筆書きで描くような浮き足立った表現が印象的。1楽章のコミカルな旋律がワルター流の即興的な演出で描かれます。録音は年代なりで潤いには欠けますが、迫力は十分あり、ヒストリカルな録音が好きな方には全く問題ない仕上がり。
2楽章のアンダンテはワルターらしい慈しみ深さはほどほど。シャンゼリゼ劇場のコンクリートを主にした独特の残響の雰囲気でオケの音色も古風に聞こえます。途中のヴァイオリンのソロがくっきりと浮かび上がり、オーボエなどにメロディーを引き継ぎアンダンテを閉じます。
楽章間の会場のざわめきが引く間もなくメヌエットがはじまります。メヌエットは力感溢れる演奏ですが、冷静にコントロールしている印象もあり、テンポは一定な感じでダイナミクスの幅もほどほど。徐々に音量が上がり迫力もましますが、それだけではないのがワルターたる所以。徐々に大胆さが増し、メヌエットの最後は迫力とキレが聴き所とはっきりわかる演奏。
フィナーレはデッドなシャンゼリゼ劇場のダイレクト感のある音色。奇跡といえばアバド/ヨーロッパ室内管の火を噴くような俊敏な演奏の記憶が残ってますが、ワルターの奇跡はキレはほどほどながら意外と迫力が素晴らしいもの。終盤の畳み掛けるような盛り上がりはまさに生気溢れるもの。会場の万来の拍手で終えます。奇跡のユニークな曲想が十分表現されています。
久々に聴いたワルターのハイドン。流石ワルターと言うべき個性的な演奏でもあります。ワルターの演奏としての盤石さという意味ではまだ上がありますので評価は[++++]ということにしたいと思います。

ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)指揮のフランス国立管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲96番「奇跡」。奇跡の前にはベルリンフィルとのブラームスの交響曲2番、後にはストックホルムフィルとのモーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークが置かれています。奇跡の演奏について、ライナーノーツには収録は1955年とだけ記載されていますが、ワルターのディスコグラフィーをネットで調べると1955年5月12日、パリのシャンゼリゼ劇場でのライヴとのこと。レーベルは懐かしいイタリアのASdisc。なぜか郷愁を感じるASdiscの定番ジャケットデザインですね。
ワルターのハイドンの交響曲は以前に一度取りあげています。同じASdiscのアルバムでした。
2011/04/17 : ハイドン–交響曲 : 爆演、ブルーノ・ワルターの86番、88番
ワルターほどになると、ディスコグラフィーも大変充実しています。下記のサイトにはワルターのハイドンの演奏がいろいろあることがわかりますが、まだ未入手のものもあります。
Recorded Performances of Bruno Walter(英文)
かなり決まった曲を繰り返し取りあげるようなイメージがありますが、今回取りあげた96番奇跡はワルターが得意としていた曲のようです。上記のディスコグラフィーによると4種の演奏があることがわかります。
1937年5月5日:ウィーンフィル
1954年11月29日、12月6日:ニューヨークフィル
1954年11月21日:ニューヨークフィル(カーネギーホールライヴ)
1955年5月12日:フランス国立管弦楽団(シャンゼリゼ劇場ライヴ)
最後の演奏が今回のアルバム。3番目の演奏のみ未入手でどうやら同じくASdiscからアルバムがリリースされているようですので、気長に中古やオークションを探してみようと思います。
ワルターは1876年生まれで1962年に亡くなっていますので、この演奏はワルター78歳のライヴということになりますが、我々の世代になじみのあるコロンビア交響楽団との最晩年のスタジオ録音で聴かれる慈しみ深い演奏とはかなり印象が異なり、抜群の生気とエネルギー。カザルスの演奏のときも驚きましたが、今更ながらこの年齢でこのエネルギー感は見事という他ありません。かくありたいものです、私も(笑)
Hob.I:96 / Symphony No.96 "The Miracle" 「奇跡」 [D] (1791)
冒頭の序奏から素晴らしい覇気。オケはちょっと荒々しい感じはしますが、主題に入るとテンポが上がり、粗いながらも生気が漲る演奏。ワルターらしいちょっと早足ですすむ、というか一筆書きで描くような浮き足立った表現が印象的。1楽章のコミカルな旋律がワルター流の即興的な演出で描かれます。録音は年代なりで潤いには欠けますが、迫力は十分あり、ヒストリカルな録音が好きな方には全く問題ない仕上がり。
2楽章のアンダンテはワルターらしい慈しみ深さはほどほど。シャンゼリゼ劇場のコンクリートを主にした独特の残響の雰囲気でオケの音色も古風に聞こえます。途中のヴァイオリンのソロがくっきりと浮かび上がり、オーボエなどにメロディーを引き継ぎアンダンテを閉じます。
楽章間の会場のざわめきが引く間もなくメヌエットがはじまります。メヌエットは力感溢れる演奏ですが、冷静にコントロールしている印象もあり、テンポは一定な感じでダイナミクスの幅もほどほど。徐々に音量が上がり迫力もましますが、それだけではないのがワルターたる所以。徐々に大胆さが増し、メヌエットの最後は迫力とキレが聴き所とはっきりわかる演奏。
フィナーレはデッドなシャンゼリゼ劇場のダイレクト感のある音色。奇跡といえばアバド/ヨーロッパ室内管の火を噴くような俊敏な演奏の記憶が残ってますが、ワルターの奇跡はキレはほどほどながら意外と迫力が素晴らしいもの。終盤の畳み掛けるような盛り上がりはまさに生気溢れるもの。会場の万来の拍手で終えます。奇跡のユニークな曲想が十分表現されています。
久々に聴いたワルターのハイドン。流石ワルターと言うべき個性的な演奏でもあります。ワルターの演奏としての盤石さという意味ではまだ上がありますので評価は[++++]ということにしたいと思います。
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