パウル・ファン・ケンペン/コンセルトヘボウのロンドン
今日はヒストリカルもの。

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パウル・ファン・ケンペンの芸術第2巻と題されたアルバム。パウル・ファン・ケンペン(Paul van Kempen)指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、シベリウスの交響曲5番、シューベルトの交響曲9番「グレイト」の3曲を収めた2枚組のアルバム。この3曲の演奏は1943年5月23日~29日のセッション録音されたもの。アルバム自体は針音がするのでSPから起こしたものでしょうか。レーベルはヒストリカルを地道に掘り出し続けている仏THARA。
ケンペンもほとんど聴いたことのない人。今月はあまり聴いたことのない人を取りあげている感じ。1893年オランダのズーテルヴァウデに生まれたドイツの指揮者。アムステルダム音楽院に学び、最初はアムステルダム・コンセルトヘボウ管の第2ヴァイオリン奏者としてスタート。1932年にドイツ国籍を取得、翌年指揮者としてデヴュー。1934年ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督。1942年から44年までカラヤンの後任としてアーヘン市立歌劇場の音楽監督をつとめた。大戦後ドイツ軍の慰問演奏会を行うなどといったナチス政権とのかかわりが問題視されるなど苦労した模様。1955年アムステルダムにて亡くなったとのこと。
1943年と戦時中の録音故良い音質は望めませんが、ケンペンという指揮者の音楽の原点はどこにあるのかを知りたくて、棚の奥からこのアルバムを選びました。もちろん以前聴いたことはあるんですが、あまり記憶がありません(笑)
Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
流石THARAの復刻。SP起こしとは思えない図太い音色。音は時代を考慮するとビックリするほどいい音。解像度は低いですがこの厚みと実体感は素晴らしいもの。今となってはもちろん時代がかった演奏に聴こえますが、ヴァイオリンの旋律にリズミカルなアクセントをつけ、立体感を演出。大きな構えでおおらかさも感じさせながらザクザク畳み掛けるように進め、ハイドンの最高傑作交響曲の彫刻的な姿を浮かび上がらせます。力感があるのにさっぱりした感じがあり、古典期の曲という大筋を踏まえた演奏。
アンダンテは古びた音色も手伝って非常にあっさりした入り。展開部からは流麗さも感じさせながら、穏やかなもりあがりを見せ、ふたたび侘び寂びを感じさせるような味わい深い流れに。最初のメロディーの再現部分ではフルートやヴァイオリンのフレージングの燻し具合が増して、非常に深い影を落とします。
メヌエットはメリハリよりも典雅さ、軽さを意識した演出。オケの音色の美しさがメヌエットの曲想を際立たせます。ちょうどクレメンス・クラウスのウィンナワルツを聴くような印象。華麗なウィーン風というより、すこし直裁なオランダ風ですが。最後はアクセントで締めます。
フィナーレも迫力より典雅さを求めているよう。全体にメロディーの流れが良い訳ではなく、少々無骨なところもあるんですが、それも味わいとみなすべきおおらかな雰囲気があります。力みは全くなく、曲を虚心坦懐に演奏しているようです。最後はそれでもすこし手綱を締めてムチを入れて盛り上げます。
ケンペンのハイドンは戦時中とは思えないような穏やかな表情が印象的な録音でした。典雅に過ぎず、無骨でもなく、音に執着せず、綺麗に聴かせようとも感じられずといった風情。ケンペンのイメージする素朴な音楽がそこにありました。評価は[++++]とします。ロンドンの後に置かれたシベリウスの5番もなかなか滋味深い演奏。自宅にケンペンのアルバムはおそらくこれ一組。TAHRAのこのシリーズのもう一組も聴いてみたくなりましたね。

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パウル・ファン・ケンペンの芸術第2巻と題されたアルバム。パウル・ファン・ケンペン(Paul van Kempen)指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ハイドンの交響曲104番「ロンドン」、シベリウスの交響曲5番、シューベルトの交響曲9番「グレイト」の3曲を収めた2枚組のアルバム。この3曲の演奏は1943年5月23日~29日のセッション録音されたもの。アルバム自体は針音がするのでSPから起こしたものでしょうか。レーベルはヒストリカルを地道に掘り出し続けている仏THARA。
ケンペンもほとんど聴いたことのない人。今月はあまり聴いたことのない人を取りあげている感じ。1893年オランダのズーテルヴァウデに生まれたドイツの指揮者。アムステルダム音楽院に学び、最初はアムステルダム・コンセルトヘボウ管の第2ヴァイオリン奏者としてスタート。1932年にドイツ国籍を取得、翌年指揮者としてデヴュー。1934年ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督。1942年から44年までカラヤンの後任としてアーヘン市立歌劇場の音楽監督をつとめた。大戦後ドイツ軍の慰問演奏会を行うなどといったナチス政権とのかかわりが問題視されるなど苦労した模様。1955年アムステルダムにて亡くなったとのこと。
1943年と戦時中の録音故良い音質は望めませんが、ケンペンという指揮者の音楽の原点はどこにあるのかを知りたくて、棚の奥からこのアルバムを選びました。もちろん以前聴いたことはあるんですが、あまり記憶がありません(笑)
Hob.I:104 / Symphony No.104 "London" 「ロンドン」 [D] (1795)
流石THARAの復刻。SP起こしとは思えない図太い音色。音は時代を考慮するとビックリするほどいい音。解像度は低いですがこの厚みと実体感は素晴らしいもの。今となってはもちろん時代がかった演奏に聴こえますが、ヴァイオリンの旋律にリズミカルなアクセントをつけ、立体感を演出。大きな構えでおおらかさも感じさせながらザクザク畳み掛けるように進め、ハイドンの最高傑作交響曲の彫刻的な姿を浮かび上がらせます。力感があるのにさっぱりした感じがあり、古典期の曲という大筋を踏まえた演奏。
アンダンテは古びた音色も手伝って非常にあっさりした入り。展開部からは流麗さも感じさせながら、穏やかなもりあがりを見せ、ふたたび侘び寂びを感じさせるような味わい深い流れに。最初のメロディーの再現部分ではフルートやヴァイオリンのフレージングの燻し具合が増して、非常に深い影を落とします。
メヌエットはメリハリよりも典雅さ、軽さを意識した演出。オケの音色の美しさがメヌエットの曲想を際立たせます。ちょうどクレメンス・クラウスのウィンナワルツを聴くような印象。華麗なウィーン風というより、すこし直裁なオランダ風ですが。最後はアクセントで締めます。
フィナーレも迫力より典雅さを求めているよう。全体にメロディーの流れが良い訳ではなく、少々無骨なところもあるんですが、それも味わいとみなすべきおおらかな雰囲気があります。力みは全くなく、曲を虚心坦懐に演奏しているようです。最後はそれでもすこし手綱を締めてムチを入れて盛り上げます。
ケンペンのハイドンは戦時中とは思えないような穏やかな表情が印象的な録音でした。典雅に過ぎず、無骨でもなく、音に執着せず、綺麗に聴かせようとも感じられずといった風情。ケンペンのイメージする素朴な音楽がそこにありました。評価は[++++]とします。ロンドンの後に置かれたシベリウスの5番もなかなか滋味深い演奏。自宅にケンペンのアルバムはおそらくこれ一組。TAHRAのこのシリーズのもう一組も聴いてみたくなりましたね。
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