作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

カール・ミュンヒンガー/ウィーンフィルの小オルガンミサ

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今日は久しぶりのミサ曲。

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HMV ONLINEicon / amazon

カール・ミュンヒンガー(Karl Münchinger)指揮のウィーン国立劇場合唱団、ウィーンフィルの演奏でハイドンの小オルガンミサ、天地創造の2曲を収めた2枚組のアルバム。今日は平日故小オルガンミサの方を取りあげます。小オルガンミサは1974年12月、ウィーンのソフィエンザールでのセッション録音。ソロはエリー・アメリング(Elly Ameling)!、オルガンはペーター・プラニアフスキー(Planyavsky)という組み合わせ。レーベルはオーストラリアのユニバーサルによるDECCA ELOQUENCEシリーズ。

カール・ミュンヒンガーは有名ですが、私はあまり集中して聴いたことがありません。HMV ONLINEの情報をもとに紹介しておきましょう。1915年シュトゥットガルト生まれ。シュトゥットガルト高等音楽学校、ライプツィヒ音楽院などで学び、アーベントロートに指揮を師事、フルトヴェングラーからも影響を受けたのこと。1941年、ハノーファーのニーダーザクセン州立管弦楽団の指揮者に就任、戦後は楽員16名から成るシュトゥットガルト室内管弦楽団を結成し1945年にデビュー公演を開催。1951年に録音したヴィヴァルディの『四季』のLPがベストセラーとなりバロック・ブームの火付け役に。当初はバロック専門だったようですが1966年、45名編成のシュトゥットガルト・クラシック・フィルハーモニーを結成してレパトリーを拡大、またウィーン・フィルやパリ管弦楽団など、通常のオーケストラへ客演するように。1988年、73歳で引退するまで積極的な活動を展開し、2年後の1990年シュトゥットガルトで亡くなります。この録音は1974年ということでミュンヒンガー59歳の年の録音。

このアルバムの聴き所はもちろん天地創造ですが、まずは小オルガンミサでミュンヒンガーの音楽を把握しようという狙いです。この演奏、オケがウィーンフィルということと、ソロが名花、エリー・アメリングと万全の布陣。

Hob.XXII:7 / Missa brevis Sancti Joannis de Deo "Klein Orgelmesse" 「小オルガンミサ」 [B flat] (c.1775)
冒頭のキリエ、年代相応の録音。若干の混濁感がともない、ちょっと古びた感じもしますが、実体感のあるコーラスと厚みを感じるオケ。残響はそこそこあります。弦楽器の音色がちょっと乾き気味。テンポを揺らさずゆったりとした演奏。グロリア、クレドと続きますがテンポは揺るぎなく堂々としたもの。オケもコーラスも圧倒的な存在感。普通の演奏なのに神々しさを感じる迫力。ここにきて高音域がテープの劣化を感じさせるのが少々残念なところ。サンクトゥスはコーラスの波が次々と襲ってくる感じがなみなみならぬ迫力。もう少し軽い演奏を想像してましたが、岩のような厳格さも感じさせるもの。続くベネディクトゥスでオルガンとアメリングのソロ登場。想像どうりアメリングは絶品これ以上磨きようがないほど輝くソプラノ。ちょっと古めの録音を通してでも心にぐさりと刺さります。プラニアフスキーのオルガンは落ち着いた演奏ですがオルガン独特の陶酔感を伴うもの。ファンタジックなニュアンス醸し出されていい感じ。最後のアニュス・デイはテンポを落として威厳に満ちた、天から降り注ぐ光の中に神の姿が浮かび上がるような演奏。最後は本当に消え入るような感動的な終わり方。

私にはあまりなじみのなかったミュンヒンガーのミサ曲の演奏。ちょっと予想した演奏とは違いました。もうすこしキリッと几帳面な型にはまった演奏と想像してましたが、良い意味で期待を裏切る、堂々とした威厳に満ちた演奏。録音の粗が少々残念ですが十分現代に通用する価値のある演奏でした。評価はテープの劣化と思わせる揺らぎの分をちょいと減点して[++++]としたいと思います。

ミュンヒンガーも歴史に名を残す有名な指揮者故その演奏にも時代を超えた魅力があることがわかりました。これは天地創造もちゃんと聴かなくてはなりませんね。今月どこかで取りあげたいと思います。
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