ジュリアン・ロイド・ウェバーのチェロ協奏曲1番
今日は未聴盤ボックスからとりだした、チェロ協奏曲のアルバム。

ジュリアン・ロイド・ウェバー(Julian Lloyd Webber)のチェロ、イギリス室内管弦楽団の演奏でハイドンのチェロ協奏曲1番(Hob.VIIb:1)と4番(Hob.VIIb:4)とされる曲を収めたアルバム。収録は1983年1月、イギリスとだけ記載があります。
手元のアルバムはPHILPSの国内盤でしばらく前にディスクユニオンで手に入れたもの。PHILIPSは好きなレーベル故、そのチェロ協奏曲のアルバムということで手に入れたものですが、不思議な模様の木製の壁だかドアの前で妖気を放つ奏者のインパクトあるジャケット写真もなかなかのもの。ここまで挑戦的な造りでは手に入れない訳にはいきませんね(笑)
CDの解説やWikipediaなどの情報によると、ジュリアン・ロイド・ウェバーは、「キャッツ」、「オペラ座の怪人」などのミュージカルの音楽の作曲で知られるアンドルー・ロイド・ウェバーの弟。父は作曲家でロンドン王立音楽院の院長ウィリアム・ロイド・ウェバー、母もピアノ教師と音楽一家に育った。1951年生まれで13歳のときロストロポーヴィチの演奏を聴いてチェリストになる決心をしたとのこと。1971年にデビューし73年にはピエール・フルニエに教えを受けるなどして国際的は活動をするように。レパートリーは広く、本人のサイトには40以上の曲の世界初録音の記録が書かれており、新しい曲の演奏や録音にも意欲的なようですね。このアルバムに収められたハイドン作とされる4番のチェロ協奏曲もこのアルバムが世界初録音とのことです。
本人のサイトのリンクを張っておきましょう。
Julian Lloyd Webber - Official Website
この4番というのはハイドンの作品番号をつけた人として知られるホーボーケンのカタログには掲載されていましたが、ハイドンの作品とは認められておらず、ハイドン学の権威ロビンス・ランドンは、弟のミヒャエル・ハイドンの作の可能性があるとのこと。他に最近の演奏が1枚手元にありますが、あまり曲の記憶がありません。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
PHILIPSらしい響きの美しさと繊細さの両立したオーケストラの音色。ウェバーのチェロがオーケストラの少し前に小さめに定位。テンポはオーソドックス、演奏も非常にオーソドックス。ジャケット写真のインパクトからはもう少し角が立った演奏を想像していましたが、非常に常識的なチェロとオケの音色の美しさで聴かせる演奏。チェロはあわてず鈍くもなくすすめますが、ほんの少しリズムのキレが悪く、速いパッセージの爽快感で損をしているよう。逆に鳴きの部分は高音の伸びがよく音色も美しいチェロ。指揮者を置いていないためウェバーがコントロールしているんだと思いますが、オケも同様の傾向。メロディーを聴かせるところの滑らかな響きの美しさにポイントを置いたものです。
アダージョはかなりテンポを落として、最初からじっくり入ります。1楽章同様、弦楽器の響きの美しさを狙ったもの。チェロは唯我独尊。これ以上テンポを遅くすると曲の構造を見失ってしまう寸前までゆったりとそして劇的にメロディーを弾いていきます。途中の盛り上がりはかなり大きなうねり。ちょっと古典派の曲の範疇を越えてしまっているような設計ですね。チェロの高音の響きは非常に美しいもの。特に音量を抑えた部分は非常に効果的。2楽章だけで大曲を聴いたような印象。
3楽章は普通のテンポに戻って、躍動感と推進力を取り戻します。すこし軽さも聴かせるようになり、流すような演奏。メリハリも適度で表現は抑えめ。やはり2楽章に焦点を合わせた演奏ということでしょう。
Hob.VIIb:4 / Cello Concerto [D] (previously attributed to Haydn)
ハイドンのチェロ協奏曲2曲をまとめたアルバムならば、2番を取りあげれば良いものの、ハイドンの作ではない4番を入れてくるところがこの人のこだわりなんでしょうか。穏やかな曲調。ハイドンの曲ではないと知らされて聴くと、そりゃそうだと感じるような曲です。大きな意味でメリハリが弱く、ハイドン独特のカッチリした構成感とかメロディーの閃きが弱く聴こえます。美しいメロディーの曲なんですが、その繰り返しという感じ。すこし前の時代の優雅な音楽でしょう。
ハイドンのチェロ協奏曲としては異例のロマンティックな演奏。それも2楽章に焦点をあわせた独特の演奏。オケの弦楽器の美しい響きとチェロの鳴きが聴き所な演奏です。じっくりした演奏が好きな方にはおすすめです。私の評価は[++++]としておきます。
ブログを書きながらニュースを見ていたら新潟では集中豪雨で凄い被害。東北大震災もそうですが自然の猛威を見せつけられますね。今年泊まりにって大変お世話になった新潟県三条市の嵐渓荘もブログを見ると吊り橋が流されかねないほどの激流で大きな被害を受けている模様。自然の中の文化財のような建物でお湯も料理もすばらしい宿でしたが、川沿いゆえ大変ですね。ただ、何十年かに一度は川が暴れるらしく宿の人の落ち着いた対処は流石なものですね。過去の記事と嵐渓荘のブログへのリンクを張っておきましょう。
2011/06/06 : 旅行・温泉巡り : 【番外】新潟温泉紀行-3
2011/06/06 : 旅行・温泉巡り : 【番外】新潟温泉紀行-2
妙泉和楽 癒しの隠れ湯 嵐渓荘
ひめさゆりの可憐な花を思い出します。あののどかな風景が一変、被害が大きくならないようお祈りしています。

ジュリアン・ロイド・ウェバー(Julian Lloyd Webber)のチェロ、イギリス室内管弦楽団の演奏でハイドンのチェロ協奏曲1番(Hob.VIIb:1)と4番(Hob.VIIb:4)とされる曲を収めたアルバム。収録は1983年1月、イギリスとだけ記載があります。
手元のアルバムはPHILPSの国内盤でしばらく前にディスクユニオンで手に入れたもの。PHILIPSは好きなレーベル故、そのチェロ協奏曲のアルバムということで手に入れたものですが、不思議な模様の木製の壁だかドアの前で妖気を放つ奏者のインパクトあるジャケット写真もなかなかのもの。ここまで挑戦的な造りでは手に入れない訳にはいきませんね(笑)
CDの解説やWikipediaなどの情報によると、ジュリアン・ロイド・ウェバーは、「キャッツ」、「オペラ座の怪人」などのミュージカルの音楽の作曲で知られるアンドルー・ロイド・ウェバーの弟。父は作曲家でロンドン王立音楽院の院長ウィリアム・ロイド・ウェバー、母もピアノ教師と音楽一家に育った。1951年生まれで13歳のときロストロポーヴィチの演奏を聴いてチェリストになる決心をしたとのこと。1971年にデビューし73年にはピエール・フルニエに教えを受けるなどして国際的は活動をするように。レパートリーは広く、本人のサイトには40以上の曲の世界初録音の記録が書かれており、新しい曲の演奏や録音にも意欲的なようですね。このアルバムに収められたハイドン作とされる4番のチェロ協奏曲もこのアルバムが世界初録音とのことです。
本人のサイトのリンクを張っておきましょう。
Julian Lloyd Webber - Official Website
この4番というのはハイドンの作品番号をつけた人として知られるホーボーケンのカタログには掲載されていましたが、ハイドンの作品とは認められておらず、ハイドン学の権威ロビンス・ランドンは、弟のミヒャエル・ハイドンの作の可能性があるとのこと。他に最近の演奏が1枚手元にありますが、あまり曲の記憶がありません。
Hob.VIIb:1 / Cello Concerto No.1 [C] (1765-7)
PHILIPSらしい響きの美しさと繊細さの両立したオーケストラの音色。ウェバーのチェロがオーケストラの少し前に小さめに定位。テンポはオーソドックス、演奏も非常にオーソドックス。ジャケット写真のインパクトからはもう少し角が立った演奏を想像していましたが、非常に常識的なチェロとオケの音色の美しさで聴かせる演奏。チェロはあわてず鈍くもなくすすめますが、ほんの少しリズムのキレが悪く、速いパッセージの爽快感で損をしているよう。逆に鳴きの部分は高音の伸びがよく音色も美しいチェロ。指揮者を置いていないためウェバーがコントロールしているんだと思いますが、オケも同様の傾向。メロディーを聴かせるところの滑らかな響きの美しさにポイントを置いたものです。
アダージョはかなりテンポを落として、最初からじっくり入ります。1楽章同様、弦楽器の響きの美しさを狙ったもの。チェロは唯我独尊。これ以上テンポを遅くすると曲の構造を見失ってしまう寸前までゆったりとそして劇的にメロディーを弾いていきます。途中の盛り上がりはかなり大きなうねり。ちょっと古典派の曲の範疇を越えてしまっているような設計ですね。チェロの高音の響きは非常に美しいもの。特に音量を抑えた部分は非常に効果的。2楽章だけで大曲を聴いたような印象。
3楽章は普通のテンポに戻って、躍動感と推進力を取り戻します。すこし軽さも聴かせるようになり、流すような演奏。メリハリも適度で表現は抑えめ。やはり2楽章に焦点を合わせた演奏ということでしょう。
Hob.VIIb:4 / Cello Concerto [D] (previously attributed to Haydn)
ハイドンのチェロ協奏曲2曲をまとめたアルバムならば、2番を取りあげれば良いものの、ハイドンの作ではない4番を入れてくるところがこの人のこだわりなんでしょうか。穏やかな曲調。ハイドンの曲ではないと知らされて聴くと、そりゃそうだと感じるような曲です。大きな意味でメリハリが弱く、ハイドン独特のカッチリした構成感とかメロディーの閃きが弱く聴こえます。美しいメロディーの曲なんですが、その繰り返しという感じ。すこし前の時代の優雅な音楽でしょう。
ハイドンのチェロ協奏曲としては異例のロマンティックな演奏。それも2楽章に焦点をあわせた独特の演奏。オケの弦楽器の美しい響きとチェロの鳴きが聴き所な演奏です。じっくりした演奏が好きな方にはおすすめです。私の評価は[++++]としておきます。
ブログを書きながらニュースを見ていたら新潟では集中豪雨で凄い被害。東北大震災もそうですが自然の猛威を見せつけられますね。今年泊まりにって大変お世話になった新潟県三条市の嵐渓荘もブログを見ると吊り橋が流されかねないほどの激流で大きな被害を受けている模様。自然の中の文化財のような建物でお湯も料理もすばらしい宿でしたが、川沿いゆえ大変ですね。ただ、何十年かに一度は川が暴れるらしく宿の人の落ち着いた対処は流石なものですね。過去の記事と嵐渓荘のブログへのリンクを張っておきましょう。
2011/06/06 : 旅行・温泉巡り : 【番外】新潟温泉紀行-3
2011/06/06 : 旅行・温泉巡り : 【番外】新潟温泉紀行-2
妙泉和楽 癒しの隠れ湯 嵐渓荘
ひめさゆりの可憐な花を思い出します。あののどかな風景が一変、被害が大きくならないようお祈りしています。
- 関連記事
-
-
サグレスターノ/ムジチ・デ・プラハのトランペット、ホルン協奏曲、ハープシコードとヴァイオリンのための協奏曲
2011/11/12
-
ライナー・クスマウル/アムステルダム・バッハ・ソロイスツのヴァイオリン協奏曲集
2011/09/17
-
【新着】ウォルフガング・シュルツによるリラ・オルガニザータ協奏曲
2011/09/02
-
アンヌ・ガスティネルのチェロ協奏曲集
2011/08/05
-
ジュリアン・ロイド・ウェバーのチェロ協奏曲1番
2011/07/30
-
ジョルジュ・アタナシデのオルガン協奏曲
2011/07/28
-
ハンス・ガンシュのトランペット協奏曲
2011/07/24
-
マリー=エリザベート・へッカー/クレメラータ・バルティカのチェロ協奏曲1番
2011/07/18
-
ドミニク・ドゥ・ヴィリアンクールのチェロ協奏曲集
2011/07/13
-