作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【番外】だまてらさん宅訪問記

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今日は午前中に用事を片付けて、午後、当ブログにコメントを良くいただくだまてらさんのお宅にお招きいただき、音楽を聴きに行ってきました。

だまてらさんは本格的なオーディオマニアであり、しかもハイドンにも造詣が深いというニッチな方。オーディオ関係の雑誌にも何度か登場され、またオーディオ関係のブログにも登場されるなど、その道では有名な方のようです。
お宅はディズニーランドのすぐ近くという恵まれた立地。駅まで車で迎えにきていただきましたが、驚いたのがディズニーランドのまわりの道路も震災による液状化でかなり波打っているところがあるなど、まだまだ生々しい傷跡が残る状況。今回の震災の被害がいかに広範囲に渡るものだったか、あらためて痛感した次第。幸いだまてらさん宅は大きな被害もなかったようですが、水道、下水道の復旧にはかなり時間がかかったとのことでした。

あっという間にお宅について、すぐにリスニングルームへ。

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ソファーの前に鎮座する圧倒的な存在感の機器群。メインスピーカーはかつてのBBCモニターの象徴、RogersのStudio2A。機器などの型番など詳しい情報は約1月前に訪問されたmilionさんの訪問記に詳しいのでそちらをご覧ください。milionさん、ブログにリンクさせていただきました、はじめまして。

趣味のオーディオの行着いた先:damaterra 邸訪問記

このStudio2Aと言うスピーカー、遥か昔オーディオフェアの会場で同様の大きさでプロ用のLS5/8を見て大きさを知っているつもりでしたが、あらためて個人宅で見る姿は巨大そのもの。30cmのポリプロピレンコーンとハードドームツィーターの2ウェイとのこと。そしてその上にはFIDELIXのスーパーツィーターが乗ってます。おそらくこのスーパーツィーターが音に大きな影響があるのではないかと思います。写真で左隣に写っているのは現在お休み中のラウザーのユニットを載せたスピーカーの後ろ姿。そして手前がTHORENSのTD-520superというTD-520の特別仕様バージョンでしょうか、ターンテーブルが金色に輝いています。アームはSME3012R、カートリッジはSPUのヴィンテージものとのことです。

ここまで紹介しましたが、私が興味をもったのは、私の聴いてきたシステムと共通点が多いからに他なりません。以前に紹介したように、うちでもかつてRogersのLS5/9Classic、LS3/5aを使っており、アナログプレイヤーはTHORENSのTDTD320MkII、アームはSME Series 2 Improvedということで、機器の好みは似たものを感じます。ただし、その使いこなしと音は異次元でした。

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機器の紹介をつづけましょう。CDプレイヤーは先週着いたばかりと言う最新のPSAudioのPerfectWave TransportとPerfectWave DACがメインで、その他にSONYのSACDプレイヤー、それからSONYの原器たるSCD-1とカウンターポイントのDACとデジタル系は3系統。アンプはカウンターポイントの管球式プリとハイブリッドモノラルパワーアンプというシステムです。

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窓からの神々しい光を浴びる左チャネルのスピーカーなど。

早速聴かせていただいたのが最新のPSAudioでのCD。グリラー弦楽四重奏団のOp.74。機器のラインナップから想像した音とは全く異なる音でした。非常に個性的な音、しかもだまてらさんの好みを色濃く反映した入魂の音と言うべきでしょう。ダイレクト感にあふれる超鮮明な高音域。おそらくカウンターポイントのアンプの音色、ウェスタンのスピーカーケーブル、いろいろ施されたチューニングがすべて、超鮮明なクァルテットの演奏にフォーカスされているようです。家庭で聴くには十分なヴォリュームで、もう少しで耳に刺さりそうなタイトで鋼のようなヴァイオリンの高音域。ちょっと歪みっぽい音のちょっと寸前まで高音のキレが追求されてます。音像はスピーカーにぴったりくっつき、比較的大きな像を結びます。客席ではなくステージの目の前、相撲で言う砂かぶり席でクァルテットを聴くような大迫力。弦楽四重奏曲の再生を非常に意識されて音作りをされていることがよくわかります。グリラー弦楽四重奏団の一人一人の弦の張力までもが伝わる、圧倒的な迫力。耳にも心にも音が刺さります。

リスニングルームは横長づかいで、スピーカーの間隔はかなり広めで、内振りはなく壁面と平行配置。背後の壁とほとんど間を空けていないため、スピーカーの背後に音が広がる現代的なスピーカーとは音場感と定位感が全く異なります。スピーカーはキャビネットに余裕があるため高音に比べて低域はすこし柔らか目。バランスはかなりハイ上がりでこれもクァルテットに焦点を合わせたものでしょう。スピーカーの大きさの余裕が効いて高音の鮮明さにもかかわらず、ゆったり感も感じられるのが素晴らしいところ。

PSAudioのシステムは最新のものらしく、CDをメモリーに読み込み再生するので、ディスクを抜いても1分ぐらいは再生が続きます。トランスポートとDAC間は同軸接続とHDMI接続で微妙に音が異なり、またDACもアップサンプリングにすると空気感が上がりますが、ソースによって一概にどれがいいとは言えないのが面白いところ。新しいソースはHDMIのアップサンプリング、古い録音は同軸接続が相性がいいように聴こえました。

しばらく聴かせていただいた後、SONYのSCD-1とカウンターポイントのDACの組み合わせも聴かせていただきました。SCD-1はチューニングが施されているとのこと。こちらは古い機械ゆえCDの読み込みに時間がかかってしまうものの、その再生音は流石。アナログに近い味わいが感じられるのはカウンターポイントのDACによるものでしょう。そして圧巻はやはりアナログ。THORENSのプレイヤーとortfonのSPUのヴィンテージものが奏でる音は、安定感抜群、そして実体感抜群の素晴らしい響き、最後の方で、冒頭のグリラー弦楽四重奏団と同じ音源のVANGUARDのLPを聴かせていただくと、スクラッチノイズなど何も気にならない素晴らしい音楽を楽しむことが出来ました。便利さは明らかにCDですが、音楽は依然アナログ盤に分があるようですね。

だまてらさんはやはり相当な弦楽四重奏曲好きでいらっしゃります。ジュリアード、ヴェラー、ヤナーチェクなど様々なクァルテットのハイドンを聴かせていただきました。何れもだまてらさん入魂の装置の高音の鋼のような実体感溢れる音を通して聴くとクァルテットの真髄にせまるような迫真の音楽。いままでこのようなクァルテットの楽しみを味わったことはなかったので、新たな発見多数です。早速帰って、我が家の凡庸な装置でグリラー四重奏団のハイドンを聴いてだまてらさん宅の復習(笑) 耳に焼き付くタイトな響きを反芻しています。

今日は沢山のCD、LPを聴かせていただきました。珍しいアンセルメ/ロイヤルバレエのくるみ割り人形、小沢征爾のプロコフィエフ、ハイドンではヨッフム/LPOの国内リマスターの奇跡、トスカニーニの驚愕リマスターなど私の所有盤よりも明らかに鮮明さとニュアンスが豊か。なかでも今日のピカイチはカンテルリ/フィルハーモニア管のベートーヴェンの交響曲7番。さすがに大きなスピーカーの余裕ある響きで聴くカンテルリの覇気溢れるベートーヴェンの堂々たる響きには痺れました。

ハイドンのCDも数枚持ち込んだんですが、最近のヒット盤、ユーリ・エゴロフのハイドンのピアノソナタは、冒頭の拍手の厚みとピアノの胴鳴りの迫力が増して素晴らしい迫力でした。

あれこれ聴くうちにほぼ3時間半。楽しいひと時をすごさせていただきました。だまてらさんの愛機たちの素晴らしい存在感はリビングオーディオレベルの我が家と異次元の迫力。いまもグリラー弦楽四重奏団のOp.71が控えめな音量で鳴り響き、余韻を楽しんでいます。

だまてらさん、今日はいろいろありがとうございました!
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2 Comments

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だまてら

No title

Daisyさん、昨日は遠路はるばる(でも無いかな?)のご訪問と、早々の訪問記アップありがとうございました。
今回Daisyさんをお迎えするにあたっては、余所行きでは無くごく普段聴きのレパートリーを再生しましたので、最初からリラックスして臨めました。(これがオーディオ主体だと、こちらもそろそろと始めてゲストもお手並み拝見という感じだったりしますが・・・)また当家の再生音についても過分のお褒めを頂き光栄至極です。
ハイドンの音盤は、2009年が没後200周年のメモリアル・イヤーだったこともあり、近年のリリース量やレパートリーの拡大は20年いや10年前よりも格段に充実しています。その分取りこぼしも多いと感じているなか、Daisyさんのあくなき探究心と的確なレビューはハイドン鑑賞者への良き道標および福音です。と、いささか肩に力が入ってしまいましたが、今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2011/07/24 (Sun) 22:37
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Daisy

Re: No title

だまてらさん、こちらこそ昨日は長時間にわたりありがとうございました。
オーディオも音楽あってこそですね。昨日感じたのは音楽の感じ方は音によってずいぶん変わるということですね。自分の装置で聴く音楽と、だまてらさんの装置で聴く音楽は全く違う印象でした。
ブログではハイドン演奏の素晴らしさを多くの人に知っていただきたいとの思いで書いていますので、音は出来るだけ色づけのないよう意図しています。適度にやわらかく、刺激なく、自然な定位でと。音は自然で作為なくというのが最近の心情です。古楽器も現代楽器も新しいものも古いものも演奏者の創意と息吹は少なからず感じられるものです。これらをニュートラルに感じて音楽に触れたいというところです。
昨日聴かせていただいた音はオーディオの素晴らしい側面でした。ぴしっとフォーカスの合った方向性、刺激に溢れた音、鮮明な音。松ヤニが眼前で飛び散る様を見るような音。聴く人一人一人にも音楽の好みがあり、違う背景で音楽が成り立っていることにあらためて気づかされたひと時でした。
最近日本もクラシック音楽環境が成熟したせいか、10年20年前よりもハイドンの人気は高まっているように感じます。古典派の中でも音楽を作る立場、弾く立場の人からは評価が高いようですが、聴く立場からはまだまだ地味な存在かもしれませんので、当ブログの存在意義はまだまだありそうです。ハイドンの音楽の素晴らしさはまだまだ広めなくてはなりませんね。
今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2011/07/24 (Sun) 23:39
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