【新着】ジュリーニ/ベルリンフィルの驚愕ライヴ

HMV ONLINE
カルロ・マリア・ジュリーニ(Carlo Maria Giulini)指揮のベルリンフィルの演奏によるハイドンの交響曲94番「驚愕」とマーラーの交響曲1番「巨人」の2曲を収めた2枚組のアルバム。1976年2月29日、3月1日にベルリンフィルハーモニー大ホールで行われたコンサートのライヴ。レーベルはヒストリカル復刻の雄TESTAMENT。昨日同様ベルリンフィルの公式サイトのコンサート・アーカイヴで調べたら、そのとおりの日程に記録が残ってました。
ジュリーニのハイドンの交響曲の演奏は、以前、このアルバムの演奏の3年後、1976年1月26日のバイエルン放送交響楽団のライヴを取りあげています。
2010/09/20 : ハイドン–交響曲 : ジュリーニの驚愕
近い時期の録音ゆえ、オケの違いと演奏のテンションの違いが聴き所でしょうか。
Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlagk" 「驚愕」 [G] (1791)
昨日のハイティンクと同じオケ、ホールとは思えないのびのびと優雅な入り。冒頭の一音からレガートが効いた伸びのある音。流石イタリア人指揮者と思わせるものです。くっきりと浮かび上がる旋律。フレーズが糸を引くようにつながり、ハイドンの交響曲のメロディーラインの線の美しさが際立つ演奏。ベルリンフィルのタイトな鋼のような響きは影を潜め、優雅、典雅、均衡を感じさせるジュリーニならではのコントロール。録音はそこそこ鮮明ながら響きはちょっと薄め。残響はベルリンフィルハーモニーにしては長めですが、要は厚みが少し足りないため、迫力よりも線の美しさを強調したもの。あくまで優雅なテンポに徹して、畳み掛けるような部分はなく一貫して紳士的。
2楽章のアンダンテはゆったりしたテンポで1フレーズ目と2フレーズ目のコントラストをかなりハッキリつけ、そして爆発。その後の変奏はレガートを効かせるなどかなり凝った演出。やはり典雅なテンポの範囲で表情を変えていく大人な演奏。この辺りがジュリーニの魅力でしょう。昨日のハイティンクはベルリンフィルの音色を生かしたコントロールでしたが、ジュリーニはベルリンフィルの個性を逆に封じ込めて、ジュリーニ風にまとめているよう。ベルリンフィルは牙を剥きません。終盤は静寂の美しさがたまりません。
メヌエットも予想通りレガートを効かせた演奏。流線型のメヌエット。ピニンファリーナデザインのクラシックなスポーツカーを見るような趣。フルスロットルになるようなところはなく、完全にコントロールされた演奏。
フィナーレの入りは完璧な落ち着き。冴え渡るジュリーニのコントロール。くっきり鮮明なフレーズの積み重ねが徐々に迫力を帯びてきますが、熱くなることはなく、最後は弦楽器の弓を一杯につかったキレのある音階の魅力を聴かせてフィニッシュ。やはりジュリーニのハイドンは独特の美学が徹底的に追及されてました。盛大な拍手がホールの興奮を伝えます。
この演奏はジュリーニの至芸を伝える素晴らしい演奏です。ジュリーニのハイドンは一言で言えばエレガントなハイドン。昨日のハイティンクとは全く異なる魅力をもった演奏です。もちろん評価は[+++++]とします。ここ連日いい演奏がつづいていますね。
- 関連記事
-
-
【新着】ニコラス・マギーガンのロンドン、88番、時計
2011/09/03
-
コリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の熊、雌鶏
2011/08/19
-
ウラジミール・フェドセーエフ/ウィーン響の校長先生、太鼓連打ライヴ!
2011/08/07
-
パウル・ファン・ケンペン/コンセルトヘボウのロンドン
2011/08/04
-
【新着】ジュリーニ/ベルリンフィルの驚愕ライヴ
2011/07/22
-
ベルナルド・ハイティンク/ベルリンフィルの95番ライヴ
2011/07/21
-
ジャパン・ホルン・クァルテットのホルン信号(ホルン四重奏版)
2011/07/18
-
ロリン・マゼール/ウィーンフィルの85年オックスフォードライヴ
2011/07/12
-
ガーディナー/ウィーンフィルの90番、97番ライヴ
2011/07/10
-