オイゲン・ヨッフム/ロンドンフィルの93番
今日は先日聴いたヨッフム指揮のドレスデン・シュターツカペレの交響曲93番を受けて、比較のためロンドンフィル盤を取りあげましょう。

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オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)指揮のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲93番から104番までの12曲、いわゆるザロモン・セットを収めたアルバム。今日は先日と同一曲である交響曲93番を取り上げます。93番の録音は1972年4月の録音。収録は全曲ロンドン近郊バーキングの公会堂。写真は現役盤ですが、私の手元にあるのはロンドンの風景画のジャケットの輸入盤のレギュラー盤で4枚組、、、とここまで書いたところで気づいたんですが、現役盤は5枚組! 上のHMV ONLINEのリンクの収録曲目を見てみると、CD5に手元にない録音が収められているではありませんか! 61年ベルリンフィルとの88番、58年バイエルン放送響との91番
、そして62年ベルリンフィルとの98番。ん~、これは手に入れなくてはなりません。こう言うことってたまにあるので油断なりません。ちょっと脱線してしまいましたね。
先日取りあげたドレスデン・シュターツカペレとの93番のレビュー記事へのリンクを張っておきましょう。
2011/05/28 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ドレスデン・シュターツカペレの93番
Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlagk" 「驚愕」 [G] (1791)
落ち着いた響きの入り。録音年が近いだけに演奏は非常に似た傾向。速めのテンポでぐいぐい進めるところは流石ヨッフム、音楽の流れを切らさず流麗な迫力で聴かせきってしまいます。音響的にはドレスデン・シュターツカペレのほうがオケに力が漲っていて、響きも重厚な印象がありますが、残念なことに録音が平板な印象で聴き劣りします。こちらのロンドンフィルはオケ自体の充実度合いでは負けている印象があるものの、比較すると録音に瑞々しさと実体感があり、アルバムとしての聴きごたえはこちらの盤の方に軍配が上がります。タイミングをみると今日取り上げるロンドンフィル盤の方がどの楽章も若干速め。ところどころレガートを効かせて変化を付けていきます。速めのテンポで一気に仕上げる筆の勢いを楽しむような1楽章。
2楽章のラルゴ・カンタービレ。1楽章につづき流れに乗った、力の抜けた序奏からはじまり、途中でずしんと力漲るメロディーがはさまり、また力の抜けた流麗なフレーズに戻ります。ヨッフム老練のタクトで練りも滞りもなく適度なめりはりで、適度にさらっと弾いていきます。力を入れる部分の余裕加減がハイドンを振り慣れているヨッフムならではでしょう。音楽が切れ目なくつながっていく感じ。最後は適度にテンポをおとして情感を増します。
3楽章も必要十分な力感と言うか、音楽が続いている感じなので曲の一部という一体感は十分。ティンパニの抑えたトレモロが妙に効果的。後半少しザクザクした粗さを見せ変化を付けるあたりも効果的。
間を空けずにフィナーレに突入。いい意味で軽さが特徴。大オーケストラの迫力で聴かせるのではなくクイックなテンポ感とウィットに富んだフレージングで聴かせるところはヨッフムならでは。良く聴くとフレーズごとの演出はかなり変化を付けているんですが、通して聴くと非常に自然な流れに聴こえます。力みなど全くなく、音符を音楽にするのを楽しむような軽い演奏。クイックなインテンポが心地いい演奏。
全般にドレスデン・シュターツカペレ盤よりも旋律の流れとフレージングの流麗さの印象が残る演奏。ハイドンのザロモンセットの曲の演奏として広くおすすめできる演奏ということができるでしょう。評価はそれでも[++++]と、ドレスデン・シュターツカペレ盤と同じ評価としておきます。これといって欠点のない演奏ですし、流麗さはなかなかのものですが、逆に突き抜けたもの感じられないという面もあります。93番にはアンチェルの度肝を抜く名演などもあります。また、ヨッフムで言えばモーツァルトの交響曲の素晴らしい演奏もあり、このハイドンの演奏が、他の演奏で聴かれる最上のヨッフムの演奏を知るものとして、期待を満たすものとするにはちょっと抵抗があるというところ。
ここ数年、いろいろライヴ盤がリリースされているヨッフムのこと。晩年のライヴのハイドンの交響曲など未発掘の録音がまだ眠っているような予感がしますので、掘り起こしに期待したいと思います。

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オイゲン・ヨッフム(Eugen Jochum)指揮のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でハイドンの交響曲93番から104番までの12曲、いわゆるザロモン・セットを収めたアルバム。今日は先日と同一曲である交響曲93番を取り上げます。93番の録音は1972年4月の録音。収録は全曲ロンドン近郊バーキングの公会堂。写真は現役盤ですが、私の手元にあるのはロンドンの風景画のジャケットの輸入盤のレギュラー盤で4枚組、、、とここまで書いたところで気づいたんですが、現役盤は5枚組! 上のHMV ONLINEのリンクの収録曲目を見てみると、CD5に手元にない録音が収められているではありませんか! 61年ベルリンフィルとの88番、58年バイエルン放送響との91番
、そして62年ベルリンフィルとの98番。ん~、これは手に入れなくてはなりません。こう言うことってたまにあるので油断なりません。ちょっと脱線してしまいましたね。
先日取りあげたドレスデン・シュターツカペレとの93番のレビュー記事へのリンクを張っておきましょう。
2011/05/28 : ハイドン–交響曲 : オイゲン・ヨッフム/ドレスデン・シュターツカペレの93番
Hob.I:94 / Symphony No.94 "Mit dem Paukenschlagk" 「驚愕」 [G] (1791)
落ち着いた響きの入り。録音年が近いだけに演奏は非常に似た傾向。速めのテンポでぐいぐい進めるところは流石ヨッフム、音楽の流れを切らさず流麗な迫力で聴かせきってしまいます。音響的にはドレスデン・シュターツカペレのほうがオケに力が漲っていて、響きも重厚な印象がありますが、残念なことに録音が平板な印象で聴き劣りします。こちらのロンドンフィルはオケ自体の充実度合いでは負けている印象があるものの、比較すると録音に瑞々しさと実体感があり、アルバムとしての聴きごたえはこちらの盤の方に軍配が上がります。タイミングをみると今日取り上げるロンドンフィル盤の方がどの楽章も若干速め。ところどころレガートを効かせて変化を付けていきます。速めのテンポで一気に仕上げる筆の勢いを楽しむような1楽章。
2楽章のラルゴ・カンタービレ。1楽章につづき流れに乗った、力の抜けた序奏からはじまり、途中でずしんと力漲るメロディーがはさまり、また力の抜けた流麗なフレーズに戻ります。ヨッフム老練のタクトで練りも滞りもなく適度なめりはりで、適度にさらっと弾いていきます。力を入れる部分の余裕加減がハイドンを振り慣れているヨッフムならではでしょう。音楽が切れ目なくつながっていく感じ。最後は適度にテンポをおとして情感を増します。
3楽章も必要十分な力感と言うか、音楽が続いている感じなので曲の一部という一体感は十分。ティンパニの抑えたトレモロが妙に効果的。後半少しザクザクした粗さを見せ変化を付けるあたりも効果的。
間を空けずにフィナーレに突入。いい意味で軽さが特徴。大オーケストラの迫力で聴かせるのではなくクイックなテンポ感とウィットに富んだフレージングで聴かせるところはヨッフムならでは。良く聴くとフレーズごとの演出はかなり変化を付けているんですが、通して聴くと非常に自然な流れに聴こえます。力みなど全くなく、音符を音楽にするのを楽しむような軽い演奏。クイックなインテンポが心地いい演奏。
全般にドレスデン・シュターツカペレ盤よりも旋律の流れとフレージングの流麗さの印象が残る演奏。ハイドンのザロモンセットの曲の演奏として広くおすすめできる演奏ということができるでしょう。評価はそれでも[++++]と、ドレスデン・シュターツカペレ盤と同じ評価としておきます。これといって欠点のない演奏ですし、流麗さはなかなかのものですが、逆に突き抜けたもの感じられないという面もあります。93番にはアンチェルの度肝を抜く名演などもあります。また、ヨッフムで言えばモーツァルトの交響曲の素晴らしい演奏もあり、このハイドンの演奏が、他の演奏で聴かれる最上のヨッフムの演奏を知るものとして、期待を満たすものとするにはちょっと抵抗があるというところ。
ここ数年、いろいろライヴ盤がリリースされているヨッフムのこと。晩年のライヴのハイドンの交響曲など未発掘の録音がまだ眠っているような予感がしますので、掘り起こしに期待したいと思います。
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