作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

ジョシュア・リフキン指揮カペラ・コロニエンシスのホルン信号、72番

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今日は交響曲のマイナー盤。

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ジョシュア・リフキン(Joshua Rifkin)指揮のカペラ・コロニエンシスの演奏でハイドンの交響曲31番「ホルン信号」と72番の2曲を収めたもの。収録は1993年2月21日から28日、ドイツ北西部、ドルトムントの近郊の街ハムのマクシミリアン公園の祝祭ホールでのセッション録音。

ジョシュア・リフキンは、日本ではバッハの声楽曲の演奏で知られているのではないでしょうか。私は名前は知っていたものの、このアルバムではじめてしっかり聴いた方です。1944年ニューヨーク生まれのアメリカの指揮者で、ピアニストでもあり、音楽学者でもあるそうです。このように紹介すると堅物そうですが、さにあらず。映画「スティング」の音楽と言えば皆さんすぐに思い浮かぶと思いますが、その音楽「ラグタイム音楽」が世界中に広がるきっかけをつくった人でもあるようです。このあたりのことは下記のブログで触れられてますので、是非ご覧ください。

myラグタイム散歩:スコット・ジョプリンとジョシュア・リフキン

オケのカペラ・コロニエンシスは1954年にWDR(西ドイツラジオ)によって設立されたオーケストラ。現在はWDRからは独立しているようですが、支援は継続されているようです。あんまりそう聴こえませんでしたが古楽器オケとのこと。レパートリーはバロック音楽からロマン派まで含まれ、古楽器にも関わらずワーグナーまで取りあげています。現在はハイドンを得意にするブルーノ・ヴァイルが音楽監督を務めています。歴代の指揮者はフェルディナント・ライトナー、ウィリアム・クリスティー、ジョン・エリオット・ガーディナー、そしてこのアルバムの指揮を務めるジョシュア・リフキン、そして1997年からは現監督のブルーノ・ヴァイルに。オーケストラのホームページをいつものように紹介しておきましょう。

Cappella Coloniensis(英文)

さて、レビューに入ることに致しましょう。

交響曲31番「ホルン信号」(Hob.I:31)1765年作曲
いきなりかなり速めのスピード。爽快な入りです。テンポの変化はそれほどではありませんが、一貫して爽快感漂う速めのリズム。演奏の生気もなかなかのもの。解釈としては斬新な感じはあまりありませんが、それを補ってあまりある活き活きとした活気。ホルン信号の1楽章は活気勝負でしょう。ホルンは炸裂感はほどほどながら音色の美しさは見事なもの。
2楽章は瑞々しいヴァイオリンソロが印象的。もちろんホルンの柔らかい響きも絶品。素朴さが非常にいい感じ。オケの技術は正確そのもの。溜めはほとんどなくミネラルウォーターの爽やかさのような感じ。特段素晴らしいフレージングという印象ではないんですが、聴いているうちに味わい深さが沁みてくる感じといえばいいでしょうか。
3楽章も軽やかなテンポが素晴らしい楽章。一貫して練らない爽やかさが効いてます。バッハのスペシャリストゆえ小細工無用との達観があってのこの素晴らしさなんでしょうか。前記事のアッカルドのヴァイオリン協奏曲がまるでパガニーニのようだったのに対し、この曲はまるでバッハの曲のような淡々とした進行。指揮者や独奏者のコントロールの影響の大きさを思い知らされます。
そしてフィナーレは諦観のような心境すら感じさせる力の抜けたメロディーからこれまでのおさらいのような曲調のメロディーを経て、7つの変奏を順に奏でていきます。録音は時代を考慮すると十分自然ないい録音。入れ替わり立ち替わり現れる楽器がどれも素晴らしいリズム感。素朴な演奏ながら飽きさせない魅力ももっており、純粋にハイドンの書いた音楽にどっぷり浸かることができます。なかなかの出来。

交響曲72番(Hob.I:72)1763年~65年作曲
番号は後半ですが、おそらくホルン信号よりも前に作曲された曲。落ち着いたメロディーから入る序奏。この曲もホルンが活躍。こちらの曲も表現は穏やかなものと聴こえますが、ホルンの轟きとオケの覇気はなかなかなもの。1楽章は名演ですね。じっくり語りかけてくるような魅力に溢れた演奏。最後はホルンの号砲で閉じます。
2楽章のアンダンテは非常に変わった曲想。楽器の間をメロディーをバトンにして引き継いでいくような素朴な曲。フルートの美しい響きを堪能できる楽章。ヴァイオリンとフルートの穏やかな掛け合いが聴き所。
3楽章のメヌエットは素晴らしい活気。非常に動的な演奏。これまでの穏やかさが嘘のようによく弾む曲想。どうしたことでしょう。ホルンがこだまするような部分は非常にいい響き。
終楽章はホルン信号同様変奏曲。この曲はじっくり変奏を重ねていく名演奏。面白いストーリーの物語をゆったり読んでいくような変化に富んだおもしろい曲。めったに聴かない曲ですがなかなかの展開です。地味ながら終楽章の面白さはかなりのもの。最後に渾身の力で曲を閉じるあたりもなかなかの迫力。この演奏は気に入りました。

このアルバム、演奏は派手なところは皆無ですがハイドンの交響曲の面白さの演出が抜群で、非常に楽しめました。評価は両曲とも[+++++]としました。ハイドンの交響曲が好きな方必聴のアルバムです。こうゆうアルバムこそハイドン好きな方に聴いていただきたいですね。

さて、今日も帰るのが遅かったのですが、ハイドンの真髄を良く知る通なブログの読者の方から、メールをいただき、CDを貸し出したものが帰ってきました。送った時と同じ箱をあけると、、、

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佃煮などが入ってました! ありがとうございます。
こんなニッチなブログの読者の方は大切にしなくてはなりません。CDの貸し出しくらいでお土産までいただいて恐縮でございます。こちらはハイドンの良さを多くの人に知っていただければよいくらいのノリでやってますのでこんなお気遣いをいただいてビックリです。今後ともよろしくお願いいたします。明日メールします!(私信モードですいません)
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