作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【新着】シャルル・ミュンシュ/ボストン響の98番ライヴDVD

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今日は昨日HMV ONLINEから到着したばかりのDVD。

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HMV ONLINEicon

シャルル・ミュンシュ(Charles Munch)指揮のボストン交響楽団の演奏で、ハイドンの交響曲98番とブルックナーの交響曲7番の2曲を収めたDVD。収録は1960年10月18日、マサチューセッツ州ケンブリッジのハーヴァード大学サンダース劇場でのライヴ。もちろん映像は白黒です。レーベルはica CLASSICSというはじめて買うレーベル。

ミュンシュといえば爆演を期待してしまいますので、このアルバムも発売されると知ったときにすぐ注文。待ちに待った入荷です。爆演に打たれる準備をして、DVDをレコーダーにセット。いや、そわそわしますね。

交響曲98番(Hob.I:98)1792年作曲
かなりレトロなフォーカスの甘い映像。黒が浮いてきていますので映像の保存状態は今ひとつでしょう。ただ、迫力と緊張感は伝わります。拍手とともにミュンシュが登場、今となっては誰も使ってはいないような超ロングな指揮棒をやおら振り下ろして序奏が始まります。指揮棒は50センチはありそうです。非常に低速な序奏の入り。さらに音量とテンポを落として尋常ならざる雰囲気に。序奏だけでも劇画タッチ。ゆったりと主題のメロディーに入り、聴き慣れたところでミュンシュ独特の小節を効かせた大迫力のメロディーに。オーケストラのメンバーはプロらしく無表情に演奏していますが、音響は大迫力の気迫を帯びてきます。ミュンシュの指揮は長い指揮棒をキレよく振り回してアクセントをかなり強調するようコントロール。1楽章の途上ではザクザクとした推進力が素晴らしい迫力。抑えた部分の指揮姿が非常にダンディ。譜面台の楽譜を鋭く見ながら的確に各楽器に指示を出していきます。オケは背筋ピーンのまま弓の長さをフルに使ったボウイングで迫力の音響を構築。1楽章の最後は覚醒した爆発といった趣です。

2楽章のアダージョ。抑えの効かせ方が巧く、非常にハイセンスな感じの始まり方。息の長いフレーズを巧く使ってメロディーの美しさを引き出しています。徐々に起伏の幅を広げますが、力で押し通すようなところはなく、あくまでジェントル。この辺りの演出は流石です。十分に余裕のあるコントロールで懐の深さを見せつけます。

3楽章のメヌエットは再び長い指揮棒をしならせて、きっちりアクセントを効かせたフレージング。ヴァイオリン奏者はみな機械仕掛けのような正確無比なボウイング。途中のフレーズはあえて少しテンポを落として、ゆったり感を演出。

フィナーレも普通のテンポで入りますが、最初は余裕ある冷静な演奏ながら、ミュンシュのあおりに応じてオーケストラから青い炎が見え始めます。おそらくオケ全員の神経がどこで爆発するかの指示を待っているかのような模様眺め感。徐々にオケも伸びやかになり、ミュンシュの動きに敏感になり、びしっと線のそろった節回しで応えます。終盤はチェンバロではなくソロヴァイオリンが特徴的なメロディーを奏で、最後の盛り上がりにむけて力が入ります。最後は今度も冷静に爆発。フライング気味の興奮した聴衆の拍手に包まれ、ミュンシュも満足そうに退場します。

映像も音も古いものの、貴重なミュンシュの指揮姿の映像と、これも貴重なミュンシュのハイドンの演奏。ミュンシュらしい爆演でもありますが、今回はターボ半狂乱スイッチが入らず、というかハイドンは冷静にコントロールする曲とわきまえた範囲での爆発感ある演奏なんだと思います。評価はちょっと期待しすぎたというのも正直なところ故、[++++]としたいと思います。あくまで冷静な、しかしただでは済まないないミュンシュの片鱗も垣間見せる演奏というところでしょう。

今回到着したHMV ONLINEの荷物には他にも未聴盤がいくつか。先日指摘いただいたフルトヴェングラーの94番驚愕を含むセットもようやく手に入れました。こちらはまた週末にでも紹介することといたしましょう。
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