作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

フルトヴェングラー/RAIトリノ交響楽団の88番ライヴ

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3日連続フルトヴェングラーの88番です。自然に手が伸びた今日の1枚。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)指揮のRAIトリノ交響楽団によるハイドンの交響曲88番。1952年1月3日、トリノでのライヴ録音。レーベルはURANIAというミラノのレーベル。ベルリンフィルとの1951年12月のセッション録音、ウィーンフィルとの1951年10月22日のライヴにつづいて、今日はRAIトリノ交響楽団のライヴです。もはや勢いでフルトヴェングラーを取り上げています。フルトヴェングラーのライヴを集める人の気持ちがだんだんわかってきました。(笑)

短い期間にヨーロッパの各地で演奏されたハイドンの交響曲88番ですが、それぞれ表情とテンションが異なります。普通はその人の明確な型があってそれに合わせて演奏しようと言うところを感じるんですが、フルトヴェングラーの場合はその日のインスピレーションで演奏の方向性が変わっているように聴こえます。

3種の中では一番新しいこの演奏、一聴して素晴らしいエネルギー感。これは力はいってますね。

1楽章はいきなり分厚いオケの堂々とした音色。ベルリンフィル盤より分厚い音色です。低音の豊かな録音のせいかもしれません。ピラミッドバランスのオーケストラ。意外に鮮明な感じもあります。ホールを歩く人の足音などのノイズが入ってますがライヴ感の演出と割り切れば気になりません。主題に入ると素晴らしい推進力でぐいぐい進めます。このオケは粗い仕上がりのことが多くあまり期待していませんでしたが、見事な演奏。1楽章の覇気は見事なもの。ぐいぐい引っ張ります。3種の中では最もパワーがある演奏。
期待の2楽章ラルゴ。少し途切れそうになりながらゆったりというよりじっくり進めます。かなり影を感じさせる演奏。分厚いオケの音色とじっくりした展開で適度に劇的な感じと枯れた感じもあり味わい深いラルゴになっています。後半の盛り上がりも素晴らしい力感。神々しいフルトヴェングラーは出現せず、代わりに彫りの深いフルトヴェングラー。
前楽章の余韻を引きずるように始まるメヌエット。オケの縦の線がちょっと乱れるところがありますがかまわず進みます。この楽章も力感の表現優先。なみなみならぬ迫力で聴かせきってしまいます。
フィナーレは今までで一番起伏が激しく力が入ってます。畳み掛ける迫力が見事。豪腕と言ってもいいすばらしい感興。最初からフルスロットルなのに、徐々にアクセルを噴かし、最後は燃えたぎる火の玉のような壮絶な盛り上がり。終了と同時にどうしちゃったのかと一瞬思うようなまばらな拍手ですが、すぐに声を上げる人がでて盛り上がります。

この演奏はオケを鳴らしきった迫力の演奏。フルトヴェングラーらしい演奏とはちょっと違うのかもしれませんが、この迫力は聴きものです。評価は[+++++]につけ直しました。じっくり聴くといろいろ発見があるものですね。
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