作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

フルトヴェングラー/ウィーンフィルの88番ライヴ

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今日もフルトヴェングラーの交響曲。

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ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)指揮のウィーンフィルによるハイドンの交響曲88番。昨日はベルリンフィルとの1951年12月のセッション録音。今日はウィーンフィルとの1951年10月22日、シュトゥットガルトWaldheim Stuttgart-Degerlochでのライヴ録音です。レーベルは良質なヒストリカルものの復刻の多いOrfeoです。

昨日の演奏が深く心に残ったので別の録音も聴いてみたくなったという流れ。早速レビューに入りましょう。

1楽章冒頭は昨日の演奏よりも溜めがめだつ序奏。音響はライヴだけに昨日のベルリンフィル盤に歩がありそう。比較するとちょっと粗さが目立ちます。だだし弦の響きなどはこちらの方が鮮明にも聴こえ、一長一短といいうところでしょう。主題以降はベルリンフィル盤よりもクッキリハッキリしたフレージングで、わかりやすい演奏。ベルリンフィル盤の1楽章はハッキリもクッキリもしていなかったので、演奏の傾向はちょっと異なります。ヴァイオリンのキレを強調したヒストリカルな演奏に多いスタイル。普通に聴くとこちらの演奏のほうが聴き応えがあるように聴こえます。ただしフルトヴェングラー独特の神々しい感じがあまりせず普通の演奏に近いようにも聴こえます。
2楽章も1楽章同様の傾向です。これは録音がクッキリハイ上がりなことの影響でしょうか。曲が進むにつれてフルトヴェングラー独特の濃い情感が少しずつ現れ始めますが、鮮明な音の影響からか、印象に残るのはキレの良い普通の響き。
3楽章のメヌエットも迫力で聴かせるもの。演奏によって聴かせどころがかなり異なるんですね。キレと迫力で聴かせるのは多くの演奏家に共通した、ということは、あまり個性的でない感じです。
息つく間もなくフィナーレに。リズムの面白さに焦点を当てずに大きな流れを重視するところは基本的にベルリンフィル盤と変わりありませんが、やはりキレの良い表現に耳がいってしまいます。昨日の演奏のインパクトが強烈だったため、それと比べて聴いてしまうのは致し方ないところ。普通にキレのいい88番なんですが、、、
最後はライヴらしくおおいに盛り上がって会場の拍手とブラヴォーを誘います。

このアルバムの評価は難しいですね。普通に聴くとヒストリカルの演奏としてはなかなかの迫力でヴァイオリンのキレも良いなかなかの88番ですが、昨日聴いたベルリンフィルとの神々しさに溢れたフルトヴェングラーにしかできない演奏を聴いてしまったので、ちょっと物足りなさが残ってしまいます。ということで評価は[++++]としたいと思います。

88番、深いですね。というより、フルトヴェングラーが深いのでしょう。
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