作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

【新着】フー・ツォンのピアノ・ソナタ集 絶品!

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最近週後半になかなか更新できません。帰りが遅いのと、疲れがたまって夕食をとると眠くなっちゃうんですね(笑)今日はちょっと寝坊してゆっくり。お昼過ぎに宅急便が到着。待っていたアルバムが到着。

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HMV ONLINEicon / amazon(MP3)

フー・ツォン(Fou Ts'ong)のピアノによるハイドンのピアノソナタ集。収録曲目は収録順にピアノソナタHob.XVI:46、XVI:20、XVI:50、XVI:33、XVI:32、XVI:49、そしてアンダンテと変奏曲Hob.XVII:6の7曲。収録は2009年8月25日~27日、ロンドンのエドワード懺悔王教会でのセッション録音。レーベルはイギリスのMeridian、なにげに良いアルバムの多いレーベルです。

フー・ツォンは以前、ピアノ協奏曲のアルバムをたまたま聴いてその素晴らしさにビックリして以来注目しています。以前のアルバムのレビューはこちら。

2010/07/09 : ハイドン–協奏曲 : フー・ツォンのピアノ協奏曲、快演

このアルバムはハイドン没後200年のアニバーサリーイヤーである2009年に録音されたもの。曲目もハイドンのピアノソナタの名曲ぞろいでピアノソナタ集の決定盤の期待が高まります。

ピアノソナタ Hob.XVI:46(1767/70年作曲)
最初はXVI:46。ハイドンがエステルハーザの楽長に就任した直後の作曲。教会らしく広い空間に気持ちよく響き渡るピアノの音が心地よいですね。非常にリラックスして弾いているような余裕たっぷりの演奏。比較的ゆったりしたテンポで進めますが、テンポの変化はかなりつけていてフレーズごとにしっかりと表情をつけます。不自然なところは皆無。ハイドンの音符を自在に濃い音楽に変換。力の抜き方は老練さを感じますね。1楽章からハイドンのソナタの孤高の表情、険しい起伏、純粋に磨き込まれた音楽、機知が凝縮された素晴らしい緊張感。期待どおりというか、これ以上の演奏はないのではないかと思わせる出来。冒頭からノックアウトです。
2楽章はテンポと表現がしっとりと引き継がれ、音楽が続きます。やはりアダージョは格別濃い音楽になります。この美しさの表現は並のピアニストでは表現できない特別な領域の音楽。訥々と音符をおきながら詩情溢れる音楽。
3楽章はよく溜めを利かせてメリハリをつけた濃いめの演出。速さで聴かせる演奏も多い中きちんとフレーズごとの表情をつけてソナタの締めにふさわしい重厚感があります。1曲目から素晴らしい出来。これは超名盤の予感。

ピアノソナタ Hob.XVI:20(1771年作曲)
私の好きな20番。前曲の直後1771年の作曲。1楽章はじっくりとしたテンポで入り、一音一音の強弱をしっかりつけてメロディーをきっちり浮かび上がらせていきます。録音は前曲とほとんど違いがわからないのでセッティングなどはいじっていないのでしょう。前曲同様相当の集中力。研ぎすまされたような空間にピアノの美しい響きだけが響き渡る素晴らしい瞬間。
2楽章は筆舌に尽くし難い美しさ。左手の奏でる柔らかなピアノの音階にのって、右手のきらめくようなメロディー。音楽の濃さは変わらず、メロディーの彼方に諦観のようなものまで感じさせる凄みがあります。
3楽章はツォンのスタイルなんでしょう、テンポはゆっくり目でしっかりとした表情をつけたフィナーレ。最後のアクセントにはっとさせられますが、非常に丁寧に、しかもくどさもなく自然さの延長で弾かれたハイドンの名ソナタという印象。この曲の好きな演奏にエマニュエル・アックスのものがありますが、アックスのほうがもうすこし淡白な印象。

2曲聴いたところで時間切れ。今日は実家に行かなくてはなりませんので、残りの曲は記事を分けて。

2曲を聴くかぎりこの演奏はハイドンのピアノソナタの決定盤としてお薦めすべき名盤という印象。どなたにもお薦めできる素晴らしい演奏です。この2曲の評価はもちろん[+++++]です。

では、のこりは別記事で。
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