作曲家ヨーゼフ・ハイドンの作品のCD、LP、映像などを収集しレビューしています。膨大なハイドンの作品から名盤、名演奏を紹介します。

爆演、ブルーノ・ワルターの86番、88番

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昨日ディスクユニオンで捕獲したアルバムです。

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昔なつかしいASdiscのアルバム。ブルーノ・ワルター(Bruno Walter)指揮のニューヨークフィルの演奏で、ハイドンの交響曲86番、カール・ゴールドマークのヴァイオリン協奏曲、ハイドンの交響曲88番を収めたもの。ゴールドマークのヴァイオリンソロはナタン・ミルシュタイン。収録は86番が1948年12月12日、88番が1943年11月7日となっており、何れの演奏も未入手のものでした。

ワルターのハイドンを調べるうちにワルターのディスクを集めている方のホームページをみつけました。名古屋にお住まいのdannoさんのホームページ。最近は更新されていないようですが、ワルターの演奏データはかなりのもの。リンクを張っておきましょう。

Bruno Walter Homepage
Bruno Walter Homepage : ハイドンのディスコグラフィー

dannoさんのページの情報によると、このアルバムの演奏はカーネギーホルでの演奏のようですね。

交響曲86番(Hob.I:86)1786年作曲
ライナーノーツにはアセテート盤から起こしたものなのでノイズがある旨記載されています。1948年ということはワルター72歳のときの録音。1948年の録音にしては音質は意外に瑞々しいもの。ピークがつぶれ気味なのは致し方ないとしても、この瑞々しさはなかなかのものです。1楽章はゆったりとしかも優しく表情付けされたワルター独特の序奏に続いて速めのテンポにさっと変わり、推進力溢れる主題に移ります。このテンポの鮮やかなチェンジもワルターの特徴の一つ。主題はまさに生気の塊のような抜群のエネルギー感。これほど力漲る86番の1楽章は珍しいですね。
2楽章はワルターの真骨頂、素晴らしいデュナーミク、アゴーギグでハイドンのアダージョを丁寧に描きます。ワルターらしいのはやはりテンポの変化の付け方。ゆったりとしたテンポなんですがフレーズごとにある意味かなり自在にテンポを変えてきます。特にテンポを落とすところは流石です。前半はスクラッチノイズのようなノイズ、後半は飽和感が伴いますが、この演奏の出来からすると気になりません。
3楽章のメヌエットはゆったりしたテンポですが、ワルターならではの濃い詩情が見事。フィナーレはかなり速めのテンポで低域の混濁感も結構強くなりますが、録音の粗を吹き飛ばすような快演。最後に至るまで一貫して速めのテンポで攻めまくります。ときおりぐっとテンポダウンするアクセントはやはりワルターならでは。ラストはテンポを上げて閉めます。

交響曲88番(Hob.I:88)1787年?作曲
こちらは5年遡って1943年の録音。こちらはライヴのようです。スクラッチノイズが多いですが音に厚みがあるためさほど気になりません。録音はもしかしたら古いこちらの方が良いかもしれません。録音は前曲より高域寄りで低音が少し薄い感じ。1楽章は速めのテンポで一気に畳み掛けるような演奏。速めのテンポゆえワルター流のしっとり感よりもさっぱりした感じが強い演奏。ワルターも5年前には情感よりも直裁な迫力を嗜好していたようですね。演奏に 漲る覇気は前曲より若々しい感じ。
2楽章は、やはりワルター。いきなりしっとりしたフレージング。天からメロディが降ってくるような自在なフレージングが心を打ちます。流石ワルターというところでしょう。
3楽章は迫力満点、そして終楽章は素晴らしいスピードで畳み掛けまくる演奏。このスピードは凄いですね。オケがよく着いてきてます。ヴァイオリンは早回しの映画を見ているような素晴らしい精度。最後は万来の拍手。

ふと見つけたワルターの古い録音でしたが、その演奏は爆演と言っていいでしょう。古い録音からつたわる音楽は素晴らしいものでした。評価は録音の傷はあるものの[+++++]両曲ともとしました。私はASdiscは好きでいろいろ集めていたんですがこのアルバムは知りませんでした。さきほど紹介したdannoさんのサイトの情報では他にも未入手のワルターのハイドンの演奏がありますので、根気づよく探してみたいと思います。
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